株式会社GoldKey Co.,Ltd

名古屋に本社を置く株式会社GoldKeyは、不動産Techにチャレンジするシステム開発会社。「住人の快適な生活のために高品質、高付加価値サービスを提供し、生活文化の向上に貢献する」をミッションに掲げ、IT化が遅れているといわれている不動産業界において、管理・仲介業務の効率化を進めるだけでなく、マンションやアパートに居住する住民に対して利便性の高いサービス提供を通じて、保有不動産の継続性のある高付加価値化を目指している。

同社が提供しているクラウド型XaaSサービス「app-me!Cloud」は、入居者と管理会社とのコミュニケーションを円滑にするツール。不動産管理会社向けに特化したサービスで、管理コスト削減と入居者満足度アップを同時に実現する。

「不動産管理業務は、いまだIT化が進んでいない領域。電話やFAX、紙の資料が当たり前のように使われているアナログな世界です。当社が開発したapp-me!Cloudを使えば、入居者と管理会社の連絡をインターネットで可能にし、業者間の連携もスムーズになります。app-me!Cloudを活用した業務改革で業務量を59.4%削減したという実績もあります」（システム事業部 ゼネラルマネージャー・津田昌俊）

入居者と管理会社がapp-me!Cloudでつながれば、チャットによるコミュニケーションが可能となり、お知らせを送るために物件へ行く回数が格段に減り、時間を有効活用できる。管理会社のコストダウンが見込めるだけでなく、入居者にとっても、困ったことがあれば気軽に連絡ができる。

「チャット画面では、写真や動画の投稿も可能なため、室内のトラブルの状態も的確に伝達でき、設備会社との連携もスムーズになります。困った時の連絡先を表示してくれ、入居者の不安を軽減して長期入居を実現します。加えて、今日の天気や、近隣の店舗情報等の入居者のために便利な機能が満載。マンガ読み放題や星占いなど入居者に向けたコンテンツも充実させています」（津田氏）

app-me!Cloudは、入居者と管理会社の間でスマートなコミュニケーションを実現させるだけでなく、入居者にとって生活するための情報を一元管理するプラットフォームにもなりえる。

「室内設備のマニュアルや公共施設・周辺の情報など、app-me!Cloudがあれば居住に関する情報がスマートフォンのアプリに集約できます。今後は入居者にとってもっと便利なアプリに進化させていきます」（津田氏）

アプリを通じて収集したビッグデータを活用したビジネスの可能性もある。プッシュ通知で入居者にお知らせを送って、消耗品の購買につなげたり、近所のお得な情報を広告として流したりと、生活に欠かせないアプリにすることで可能性は大きく広がる。

app-me!Cloudと並んで、同社が提供しているサービスが、IoTプラットフォーム「GecKo」だ。鍵や電源の自動管理で、貸会議室やレンタルオフィス・スタジオ、教室などのレンタルスペースビジネスをサポートする。

「鍵や電源をITの力で自動管理することで、無人あるいは少人数でのレンタルスペースの運営を可能にします。現在は鍵管理や電気管理のために常駐スタッフを必要としていますが、GecKoを活用したスマートレンタルスペースは、鍵管理や電気管理のためのスタッフを必要とせず、電気の消し忘れが減るなどのメリットも併せ、月間で人件費が70%削減、電気代は14%の削減につながりました」（津田氏）

導入前の準備から収益計算、設計デザインや運用まで徹底サポートする。空きビル、空きスペースの有効活用を考えているレンタルスペース事業者にとって、GecKoのサービスは収益拡大の近道といえる。

「東京・代々木駅前から30秒の立地にあるレンタル会議室では、AIロボット受付システムを導入し無人で運営しています。予約者は鍵の開閉や次回予約受付まで、受付システムを通して利用が可能です」（津田氏）

東京神楽坂にある老舗書店の地下をレンタルオフィスにした複合書店では、施設のスマートロック開錠ができ、管理者への問い合わせチャットや契約情報と施設・設備の使い方を参照する機能がある無料アプリの開発を柱に、外観や内装などを含めた総合プロデュースを同社が担当した。

「1Fの書店で取り扱う2万2千冊以上の書籍や雑誌が読み放題で、宅配物の代行受け取りや電話代行・取次など、便利なサービスが受けられるレンタルオフィスです。GecKoのサービスを活用すれば、今までのビジネスに新しい価値をプラスオンすることができます」（津田氏）

同社は自社でもレンタル会議室を運営し、GecKoをはじめIoTを活用したビジネスの可能性を探っている。自社のビジネスで成功したシステムをサービスとして提供することで、不動産ビジネスの新しい展開を模索している。

「不動産Techの領域は、まだまだやれることがたくさんあります。現在サービスのエンハンス開発だけでなく、成長市場である不動産Tech市場において自社サービスを開発できるチャンスがあり、最先端のシステム開発領域において、新しい不動産Techビジネスを創出することもできます。新しいアイデアは大歓迎。一緒に不動産Techの領域を切り開いてくれるエンジニアを求めています！」（津田氏）

株式会社GoldKeyは、不動産管理会社とシステム開発会社がジョイントしてできた会社。不動産Techの開発を進めるのに必要な「不動産」「IT」の両方のノウハウを持っている。

「当社の代表は、自社物件の管理をする会社を運営するなかで、管理会社の業務効率化のツールの開発をはじめました。完成したツールを知り合いの不動産管理会社に披露したところ好評で、ビジネスとして独立させることになりました」（津田氏）

最初に作ったツールは、システム開発会社に外注して作った。その発注先のシステム開発会社と合併して現在の株式会社GoldKeyとなった。

「前身の会社の流れで、GoldKeyでは受託開発も手掛けています。スマートフォンアプリからWebアプリの開発、Webサイト制作まで、当社のシステム開発会社としての実績は幅広く、その培ったITの知識で自社サービスを開発しています」（システム事業部 マネージャー・水野真史）

システム開発会社を母体にしていることもあり、メンバーはみんな新しい技術に敏感。会社としても新しい技術に積極的にチャレンジする姿勢を打ち出している。

「最先端の技術トレンドを押さえるように意識しています。業務時間内に社内勉強会を実施して、新しい開発言語や開発手法を学んでいます。また社内にフランス人エンジニアが在籍しているので、海外の技術トレンドに対しても敏感に情報を仕入れることができています。いまよりもっとスキルを伸ばしたい、どんどんキャリアアップを目指したい感度の高いエンジニアにはうってつけの環境だと自負しています」（水野氏）

働く環境もバッチリだ。月間の残業時間は20時間を切り、有給休暇の消化率も100％に近い。同社は2022年のIPOを視野に入れており、就労環境の整備にも着手。もともと残業の少ない会社ではあったが、近年その傾向が加速しているという。

「残業をしない、フレックスを使う風土が社員の間に根付いています。制度としてあったとしても、現場でそれを活用する空気が醸成されないと、絵に描いた餅になってしまい整備されているとは言えません。当社は、気兼ねなく定時退社、時差出勤ができる雰囲気を作り上げており、エンジニアは自らの仕事に責任をもって、それぞれのペースで働いています」（水野氏）

不動産管理会社とシステム開発会社を源流に持ち、最新技術にも積極的な姿勢を示す不動産TechベンチャーGoldKey。名古屋発のITベンチャーは、東京に比べればまだまだ成功した事例は少ないが、GoldKeyは名古屋から国内No.1の不動産Techカンパニーを目指している。名古屋で自社サービスの開発したいエンジニア、名古屋にいながら東京と変わらない技術的なスキルを習得したいエンジニア、GoldKeyにはそんなエンジニアが望む環境が用意されている。