ブランドづくりまで踏み込む“デジタル×クリエイティブのハイブリッド制作”が強み
株式会社インターグルーブは、CEO・谷口大季氏を代表とするデジタルクリエイティブエージェンシーである。
同社はクライアントから依頼されたものを制作する会社とは、確実に一線を画している。対応領域はEC・Webサイト・アプリの構築・運用だけにとどまらず、例えばクライアントがアパレルブランドであれば、シーズン前のコンセプト策定の段階からプロジェクトチームの一員として参加。そこで策定した戦略をもとに店頭をはじめWeb・アプリ・SNSなどを活用して、どのようなクリエイティブでどのような集客・コンテンツ運用などの展開が最適かを検討し、カタログ・広告・写真撮影・提案したコンテンツの制作から、メディアの基盤となるシステム開発までを一貫して手掛けている。
業界内における同社の希少性について、谷口氏は「世の中には無数のシステム会社・デザイン会社などが存在しますが、クライアントが提供するサービスやブランドの世界観を正しくとらえ、店頭をはじめWeb・アプリ・SNSなどを活用した最適なサービスやクリエイティブを展開・運用管理できる会社は少ない」と言う。同社のクライアントの多くは人気・老舗ブランド(8割以上が直契約)であるが、“ブランディング”や“成長戦略”にまで深く切り込んだ取り組みなどがクライアントから選ばれている要因の一つになっている。
設立された2006年といえば、ネットショッピングのマーケットがようやく成長期に差し掛かった頃である。EC・Webサイトを持たない多くのブランドが試行錯誤している中で、いち早くデジタル×クリエイティブでブランドのプロモーションを手掛けてきた実績も信頼に繋がっているようだ。
クリエイターの熱量が、自社独自のクリエイティブ観を確立させる原動力に
インターグルーブのホームページを訪問すると、いくつかのクライアントの制作事例が紹介されている。クリエイティブをひと言で表現するのは難しいが、美しいものをひたすら追求し、シンプルにイメージを研ぎ澄ませ“ユーザーの感性のスイッチに働きかけるデザイン”を大切にしている姿勢がすっと伝わってくる。
実際、活躍するクリエイターは、ブランドの世界観を自分たちでつくることに喜びを感じている人間ばかりである。
「もうちょっとこうした方がいい」というクリエイターの発想・アイデアによって、サイトの閲覧・訪問数・売上アップ、ひいてはブランドの向上につなげることができる。
大手老舗ブランドに対して、コンテンツ提案から写真撮影・カタログ/Web制作までを一貫してディレクションや制作に関わることができるので、自分たちの世界観を持ちながら担当ブランドをデザインすることができる。このような環境で「このブランドの仕事に携わって良かった」「ものづくりっていいな」と思えるクリエイターは、クリエイティブを前進させるエンジンそのものになっているようだ。
「会社を設立した当初から自分たちがやりたいことが全部できたわけではありません。まずは小さなバナーのデザインなどからスタートし、徐々にページ・サイト・撮影・カタログ・広告といったように仕事の領域を広げ、結果としてランドづくりなどに影響をもたらすクリエイティブに発展させてきました。これはひとえに、いろいろやってみたい!ブランドを丸ごと一つ表現してみたい!というメンバーの熱い思いでクリエイティブに向き合ってきたからです」。(谷口氏)
さらに、ブランドづくりと向き合う上で心がけていることについて、谷口氏は次のように述べている。
「ブランドの強み・弱みがどこにあるのか?その上で強みをどんな風に伸ばしていくか?そもそもSNS・デジタルが主流の今の時代に合っているのか?をまず考えます。その上で、より的確な施策を打ち出すために、競合他社を調査しながら、ブランドに対する評価を可能な限り紐解いていきます。また、時代の移り変わりが早く受け入れられるデザインの潮流が目まぐるしく変化している中、理想のアウトプットを提供する上ではクライアントとのコミュニケーションが欠かせません」。(谷口氏)
メディアやデバイスがどれだけ変わったとしても、デザインするコンテンツの重要な部分は変わらない
設立以来、クライアントから選ばれるクリエイティブによって、着実に大手・老舗ブランドとの付き合いを増やしてきた同社。今後の展望について谷口氏は次のように述べている。
「当社のクライアントの中ではプロモーションのEC・Web化によって、○周年を迎えるブランドのリニューアル化を図りたいという声が次々とあがってきています。世の中にはデジタル対応に遅れたりと、現代におけるブランディングに課題を持つクライアントがたくさんありますから、どんどん新しいクリエイティブの表現に携わっていきたいです」。(谷口氏)
ブランドサイトのデザインから、クリエイティブの力で仕事を広げてきた同社は、今後ブランドづくりをワンストップでサポートするため、リブランディング・システム開発といった需要に積極的に取り組んでいくとのこと。
一方、どんな時代になろうとも“不変”なものがあるとも谷口氏は付け加えている。
「Webやスマートフォンなどのメディアは変化していきますが、デザイン・コンテンツといった表現の部分は、いつの時代も変わることがありません。どんな時代や状況であれ、目の前にある課題をどのように解決していくのか、自ら学んで遂行していく能力が求められます。そういった、自分の力で切り開いていくことのできる"突発力"を身につけることを追求しています。その"突発力"の一つとして、私たちは今後もクリエイティブに磨きをかけ、時代に合ったデザイン・コンテンツを表現できる会社を目指します」。(谷口氏)
求めている人物は、つくることやクリエイティブがとにかく好きな人。そして表現することを楽しみ、自己の成長につなげたい人である。意欲あふれるクリエイターであれば、思いっ切り表現力をぶつけるフィールドがあるとのこと。
「当社は能力主義よりも、良いもの主義を掲げて取り組んでいます。アウトプットが良いものであれば、誰が考えたものであっても積極的に採用し、世に送り出しています。ですからとことん表現と向き合いたい人にとっては、刺激があるクリエイティブ環境といえるのではないでしょうか」。(谷口氏)
谷口氏は会社運営において、クリエイターが楽しんで仕事ができるカルチャーづくりに余念がない。例えば、クリエイターは十人いれば十通りの得手不得手がある。好きでやっているはずのクリエイティブが、苦行になっては本末転倒である。谷口氏はなるべく一人ひとりの能力を見出し、デザイン・コーディング・撮影・ディレクションなど、適材適所でやりがいを感じられる仕事を任せるようにしている。
「一方で、生きるスタンスとして「私達ラッキーだ」ということを強く意識しています。幸いにも裕福な日本で生まれ、衣食住満たされ、沢山のクライアントと携わることができ、好きな仕事ができる。そういった日常が当たり前になると、日々の生活に幸せを感じなくなります。仕事ができる環境として、日々の幸せを感じられるかどうかで、やりがいの感じ方も変わってくると思います」。(谷口氏)
クリエイティブ畑のど真ん中を歩んできた谷口氏は、クリエイターにとっても、一人の人間としても話がわかる身近な存在として、心強いサポーターとなるはずだ。クリエイティブに対して強い好奇心を持ち、自ら積極的に成長していきたいという人は、ぜひ話を聞きに行ってほしい。