株式会社巴里屋

東京・麹町に本社を置く株式会社巴里屋は、アパレル事業を手がける会社だ。メンズファッションブランド「MISTERGENTLEMAN（ミスター・ジェントルマン）」を展開するほか、デリカテッセン「PARIYA」を運営。MISTERGENTLEMANは旗艦店を東京・青山に構え、2018年には上海、香港にオープンした。国内では各種ECサイトのほか、有名百貨店での取り扱いもある。

巴里屋は、2017年6月に株式会社マッシュホールディングスの子会社となった。同社は総合クリエイティブカンパニーとして、ファッション、ビューティー、フード、デザイン、ECなどの事業をグループで展開。巴里屋を迎え入れたことで、マッシュホールディングスの強みである海外展開のノウハウを活用しつつ、「MISTERGENTLEMAN」のものづくりと、アジアへの展開をより積極的にサポートしていく。

マッシュホールディングスは、2005年にファッション事業に参入して以来、「snidel」、「FRAY I.D」、「Lily Brown」、「emmi」、「styling/」といったレディースブランドや、ルームウェアブランドなどを展開してきた。メンズブランドは、巴里屋の「MISTERGENTLEMAN」が初めての参入となる。巴里屋とマッシュホールディングスは、それぞれの顧客基盤や事業ノウハウなどを活用することで両社のシナジーによるさらなる成長を目指し、より多くの人々に新しさや幸せを届けることを追求していく。

巴里屋は、1996年にジェラートショップ「PARIYA」として事業を開始した。現在のデリカテッセン「PARIYA」は、青山、赤坂、渋谷、日本橋、二子玉川、みなとみらい、梅田の7店舗を展開。その日の気分で組み合わせが変えられる“デリスタイル”が特徴で、ヘルシーでおいしいメニューが人気を集める。また、ルミネ新宿には「bonjour records」とのコラボジェラートショップ「PARIYA & BBW（パリヤ アンド ボンジュールブランウォーター）」を出店。巴里屋は、ファッションと食の2つの分野で時代の先端を歩む、とてもユニークな企業だ。

「MISTERGENTLEMAN」の歴史は、2012年から始まる。2012年春夏にプレコレクションとして始動し、2012年秋冬にフル・ファーストコレクションを発表して、メンズブランドとして本格始動した。

デザイナーは、PHENOMENON（フェノメノン）のオオスミタケシ氏と、巴里屋の代表取締役社長を務める吉井雄一氏の2人。

代表の吉井氏は、1996年にジェラートショップ「PARIYA」を創業してキャリアをスタート。青山を拠点に、翌1997年にはビンテージショップ「IN THE POLICY OF TRUTH」をオープンした。
東京のファッションシーンに新風を吹きこんでいた吉井氏は、東京の名だたるセレクトショップのバイヤー、
ディレクターを経て、2008年に自らのショップ「THE CONTEMPORARY FIX（ザ・コンテンポラリー・フィックス）」を立ち上げた。

2012年にブランドをスタートした以降、「MISTERGENTLEMAN」はミニマルなデザインと美しいカラーリングを前面に打ち出し、フレッシュで新しいメンズスタイルを追求してきた。2017年にはマッシュホールディングスグループ入りし、2018年には国内初の旗艦店を青山にオープン。海外展開も果たし、着々と事業スケールが拡大しているフェーズにある。

「MISTERGENTLEMAN」の提案は、オオスミタケシ氏と吉井氏が日常で好むベーシックスタイルであり、ディテールやシルエット、コーディネイトに少しの違和感を加えることで生まれる、新しいバランス感による「ポストモダンクロージング」だ。ブランドのコンセプトは、オオスミ、吉井の両氏が日常的に好む、スタンダードでベーシックなスタイルだ。

今後は、メンズブランド「MISTERGENTLEMAN」を、国内外に展開していくことが事業の中心となる。マッシュホールディングスグループ初のメンズアパレル事業として、「MISTERGENTLEMAN」のものづくりとアジア展開を積極的に進めていくほか、飲食デリ事業では、パーティやケータリングも可能なデリカテッセン「PARIYA」と連携し、ブランディング強化を図っていく。

青山にある「MISTERGENTLEMAN」の旗艦店は、レトロフューチャーな雰囲気に工業的な質感をイメージした、1フロアのミニマルな店舗だ。中には、「MISTERGENTLEMAN」をはじめとする最新コレクションが展示されている。店内には、著名なインダストリアルデザイナー、ディーター・ラムス氏によるブラウン社のビンテージオーディオやラックが設置されている。その機能主義とデザイン美にインスピレーションを受けている「MISTERGENTLEMAN」だが、そのクラシックと対比をなすような、モダンな空間となっている。

巴里屋とマッシュホールディングスは、「発想をカタチにし、人々に幸せを届ける」を理念に掲げている。社長よりも利益よりも株主よりも、何よりもこの理念が優先され、モノを生み出すクリエイターやデザイナーの想いを大切にし、エンドユーザーを笑顔にする。グループの盾を得たことにより、一人ひとりの社員が夢を持ち、目標達成に向けて喜びや苦労を共有できる、確固たる舞台が整った。ファッションやライフスタイルに情熱を持ち、時代とともに「ウェルネス」をデザインしていきたい人にとって、刺激に満ちた場所であることは間違いない。