売上260%増。急成長を遂げる人材紹介会社
『いきいきと、もっと活躍できる機会の提供』を理念に掲げ、中途採用市場に絞って人材紹介業を営む株式会社オトラビスタ。2017年に設立されたスタートアップではあるが、設立2年目に売上高1億円、前年比260%増という急成長を実現している。これだけの実績を上げられるのには、理由がある。その一つが、メンバーのほぼ全員が企業経営経験者ということだ。
「起業経験のあるメンバーや社長、副社長、人事部長として経営に携わっていたメンバーなどが集まって設立されたのが、オトラビスタです。それだけに、メンバーそれぞれが経営者同士のネットワークを持っており、現在お付き合いのあるクライアント150社は、ほぼすべてメンバーの先輩や後輩といった知人で構成されています。そのため、求職者を紹介する際、採用担当窓口を飛び越えて、経営層に直接アプローチできる分、書類通過率が高くなりますし、非公開求人の情報もいち早く入手できるなど、メリットが多いんです。『あと50万円給与を上乗せできないか』といった交渉ができる点も求職者に喜んでもらっています」(代表取締役・湯田 健氏)
同社のもう一つの強みが、85%という内定承諾率の高さにある。内定承諾率とは、企業が求職者に内定を出した際、それを受諾して入社する確率のこと。これが高いということは、求職者の満足度の高さを表しているといえる。
「当社がキャリアカウンセリングに力を入れている結果だと思っています。企業が欲する人材像と求職者のキャリアやスキルを表面的にマッチングするのではなく、求職者が本質的に実現したいことが何なのか、それが手に入れられる企業なのかなど、求職者の思考の深いところまで掘り起こした上で最良の企業を紹介することにこだわっています」(湯田氏)
そのため、他社から紹介された企業を含む複数社から内定が出たときに、求職者から『どうすればいいですか』と相談をされるケースが多いという。さらには、同社のキャリアコンサルタントの面談によって、キャリアにおける新しい価値観に触れることができ、挑戦したい仕事を見つけることができたと、わざわざお礼に来る求職者もいるとのこと。
実際に、オトラビスタでは、入社に至らなかった場合でも、求職者に何らかの価値を提供できたケースを『グッドキャリアデザイン賞』として毎月表彰する制度も設けている。こういった姿勢からも、同社がキャリアカウンセリングの質を重視していることが伝わってくる。
人材紹介事業にとどまらず、HRTechサービスの開発も手掛けていく
株式会社オトラビスタの主力事業は、人材紹介事業だが、新規事業の開発も積極的に行っている。カウンセリング済求職者データベース『SCRUMER』も、その一つだ。
「人材紹介会社のカウンセラーが1カ月に面談する求職者の数は20~30人ほどで、さらにそこから入社まで支援できるのは2~3人ほどというのが現実です。しかし、残りの求職者に適した企業がないのかというと、そうではありません。その人材紹介会社が取引のある企業の中では見つからなかったというだけで、他の人材紹介会社であれば、マッチングする企業を紹介できるかもしれません。このようなロスを最小限に抑えるため、カウンセリング済の求職者の情報を、個人情報を伏せた状態で閲覧できるデータベースを構築しています。これを活用すれば、さらに多くの転職を実現することができるのではないかと考えています」(湯田氏)
このサービスは、すでにテストマーケティングを行っており、その結果を踏まえて、いち早いサービスリリースを目指していくという。そのほかにも、求職者、人材紹介会社、クライアント企業の人事部や決裁権者がチャットルームで手軽に面談などの日程調整を行える日程調整ツールなども開発している。
「今後、求職者とクライアント企業とのマッチングなどにはAIをはじめとした先端技術も活用していく予定です。現状、事業の中心は人材紹介業ですが、今後もずっと一本足打法でいくつもりはなく、求職者やクライアント企業をサポートするさまざまなHRTechサービスも開発・提供しながら、事業領域を拡大していく予定です」(湯田氏)
組織としては、2022年に売上高10億円以上、キャリアコンサルタント40名、組織人数50名体制を目指す。その足掛かりとして、まずは現在の10名体制から20名体制への増員に力を入れているところだ。
自分らしい働き方を選べる『オーダーメイド人事制度』が特徴
キャリアコンサルタントを増やしていく際、課題となるのが人材育成である。株式会社オトラビスタは、「新人早期戦力化」を図るべく、オンボーディング制度を導入。研修に力を入れているのだ。
「一般的に、求職者と企業双方を一人で担当する両手形のキャリアコンサルタントが一人前になるには、12~18カ月かかるといわれていますが、当社の一人目の社員が定期的に一定の売上を上げられるようになるまでにかかった期間は9カ月でした。しかし、これでも、遅いというのが、私たちの考えでした。そこで、心理学をベースとしたコンサルティングスキルのマニュアル化やトップセールスの録音データ化、カウンセリング一件ごとの振り返りなど、研修の仕組みを一から構築し直し、オリジナルの研修制度をつくりあげました。すでに、この研修によって3カ月で一人前に育った社員も出始めています」(湯田氏)
同社がここまで早期戦力化にこだわる理由は、企業としていち早く収益化したいだけではない。社員が実力をつけることで、いきいきと、自分らしく活躍できるようになってほしいという強い想いがあるからだ。
これだけでは納得できないだろうから、同社の人事制度についてもう少し紹介したい。まず、給与の算出方法は全社員が閲覧できる共有フォルダにある。ベース年収に売上の一定割合をインセンティブとして上乗せするのだが、ポジションごとのインセンティブ割合から計算式までが明確なので、社員自身で簡単に計算することができる。加えて、フルフレックス制の導入や、副業も認めているなど、勤務形態の自由度が高く自分らしい働き方を選ぶことができるようになっている。
「子供との時間を大切にしたいから10時~17時で働いて、週に1回は自宅で仕事をしている女性社員がいます。子供のイベント事に参加したいなら会社を休むこともできますし、急に子供が熱を出したら早退しても問題ありません。社員の中には、自分の会社を経営しながらキャリアコンサルタントとして活躍しているものもいます。給与の計算式がオープンで働き方の自由度も高いため、『今は、仕事と子育てを両立』とか『コンサルタントに全力を注いで稼ぐ』など、そのときの自分にとって最良な働き方を自分で選ぶことができる『オーダーメイド人事制度』を採用しているのです」(湯田氏)
転職を通じて求職者に異なる景色を見せるだけでなく、自分自身も「らしい」働き方を通して新たな価値や新しい生き方を発見していく。そんな働き方に関心を抱いたなら、同社の門を叩いてみてはいかがだろうか。
株式会社 オトラビスタの社員の声

40代前半
2017年12月入社

30代前半
2019年02月入社

30代前半
2018年04月入社
営業だけでなく新規事業、組織開発、採用活動なども誰...続きを読む