チケット予約・販売サービス「TIGET」など次々とサービスを展開
“世界へ新しいサービスモデルを創出する”をビジョンに掲げ、新事業を次々と立ち上げているWebサービス開発会社がある。東京都世田谷区に本拠を置く株式会社grabss(グラブス)だ。
2012年10月に設立されたgrabssは、創業以来次々と独自サービスを企画・開発している。そんな同社が近年注力しているWebサービスに「TIGET(チゲット)」がある。TIGETは、アイドルやミュージシャン、芸人などのライブを中心としたイベントチケットの予約受付&事前販売用Webサービスだ。大手芸能事務所やイベント会社にも利用されており、今、絶賛拡大中。
「当社が創業時に開始したサービスに『芸人ラボ』(※サービス休止中)というものがありました。売り出し中の芸人たちのクラウドファンディングサービスだったのですが、芸人さんや芸能事務所と関係を構築する中で、小規模なライブイベントなどにある『チケット取り置き』制度に注目しました。小イベントでは大手のチケット発券サービスを使うことはできないので、手作業で予約をとり、紙に名簿を書いておくというアナログな管理方法しかなかったんです。そこで、芸人さんやいわゆる地下アイドルの小イベントでも使えるような、チケット取り置きサービスとして始まったのが『TIGET』なんです」(執行役員CTO 松川雄輔氏)
TIGETはその後「取り置き」だけではなく、チケットの事前決済・事前販売もできるようになり、利用者も急増。小規模ライブから大きなイベントまで、さまざまな「チケット」が売買できるサービスとして人気を博している。
「ネット経由でのチケット販売サービスは、大手プレイガイド等のサービスがよく知られていますが、私たちは創業以来深い関係を持つ芸人、アイドルの分野を中心に、チケット販売の『第三極』を目指して今後もサービスの拡充を進めてまいります」(松川氏)
TIGET以外にも、grabssが自ら開発し「推している」サービスとして、WebRTCを利用したビデオ会議ツール「BizMee(ビズミー)」がある。ここ最近エンジニアの間で注目されている技術のひとつであるWebRTCは、Webブラウザやモバイルアプリケーションでのリアルタイムなコミュニケーションを可能にするオープンソースプロジェクト。「BizMee」は、これを活用して誰でも気軽に、かつ無料で使えるビデオ会議ツールとして提供されている。
「BizMeeは、会員登録も不要で、ブラウザさえあれば誰でも使えるビデオ会議ツールです。Webで完結するうえ、オンラインでホワイトボードを共有する機能を持つなど、手軽さと高機能を両立させたサービスなんです」(松川氏)
アプリ不要でチケットの購入・予約・入場を簡単確実に。
独自サービスは「カタログ」。自社サービスと受託開発の“良いサイクル”
他にもgrabssでは、Instagramなどで注目されるインフルエンサーを起用したオリジナルアパレルブランドのECサイト「UGOStyle」など、アパレル関係のWebサービス、ECサイトも運営している。
このように数々のWebサービスを世に送り出している同社だが、現状、売上の多くは受託開発によるものという。同社のビジネスモデルや将来目指すところについて、grabss創業者で代表取締役の下平誠一郎氏に聞いてみよう。
「私たちは、0から1を作り出すのが得意なんです。新規事業を続々と立ち上げているのも得意を活かすと同時に、狙いあってのこと。TIGETにしてもBizMeeにしても、独自サービスの収益だけで食べられればいいのですが、そういうわけにもいきません。これらのサービスは、当社の『カタログ』にもなっているのです」(下平氏)
同氏いわく、Webサービスを展開していると「この機能を我が社のWebサイトにも取り入れたい」とか「このサービスを応用してこんなものがつくれないか」という問い合わせがいくつも入るのだとか。独自のWebサービスという形でgrabssの持つアイディアや技術力を見せることで、営業マンを置かずとも、受託開発の依頼が入ってくるのだ。
「実際、当社には営業専従のメンバーはいません。TIGETやBizMeeだけではなく、例えば当社のUGOstyle(ユーゴスタイル)というECサイトはあえてWordPressで作られています。このWebサービスのように会社の通販サイトをWordPressで作ってほしい、と依頼が来たこともあります。ただ、私たちのビジネスの根本は、自社サービスの企画、開発、運営にあると考えています。『技術の会社』として名をあげ、いずれは自社サービスだけで発展していけるようになればいいですね」(下平氏)
取材時点では非公表とのことだったが、grabssには今続々と大手企業からのタイアップ依頼も舞い込んでおり、2019年には新たな発表を多数行っていくと下平氏は語る。
「クライアントやパートナーとの仕事の中で技術力、会社としての体力をさらに強くして、自社サービス開発に還元していく。そういう良いサイクルを回していくつもりです」(下平氏)
WebRTCで構築された無料のWeb会議サービス。
世の中に「革命」を起こし続けるベンチャー、grabssで働くということ
さて、ここまで株式会社grabssのビジネスについて紹介してきたが、同社は今、さらなる飛躍のため、各分野のプロフェッショナルを求めている。同社での働き方について、前出の松川氏に聞いてみよう。
「当社での働き方は、完全な裁量労働制。自分のパフォーマンスを最大限に発揮するためであれば、働き方、場所などは自由です。中には完全リモートで働いているエンジニアもいます。会社も次第に大きくなってきたとはいえ、ベンチャー企業的な自由さはまだまだありますね。仕事を楽しみたい人が、それを実現できる環境だと思います」(松川氏)
取材時点で総勢15名が働くgrabss。採用にあたっては、やみくもに規模感を求めるのではなく、事業の拡大や、新事業のスタートに合わせて必要な人数だけを増やしていく方針。会社主催の飲み会なども忘新年会、歓送迎会を除いてほぼなく、年功序列もない。自由で、ベンチャーイズムが体現された職場だ。
では、同社はどんな人物を求めているのか。代表の下平氏に再びご登場いただこう。
「ベンチャーではありますが、ここ最近役員もメンバーも増え、企業としての組織ができはじめています。今までは勢いだけで進んできた感もありますが、これからは会社力を強くしたい。そのためにも、今いるメンバーとシナジーを起こせるような、新しい力がほしいですね」(下平氏)
少数精鋭のプロ集団として活動してきた同社。自分の得意分野を活かしつつ、どんどんチャレンジする人材が望ましいと下平氏は語る。
「チャレンジした結果の失敗は、会社としてカバーします。今何ができるかよりも、これから何ができるか、したいのか。そこを重視してメンバーを求めたいですね」(下平氏)
では最後に、今回取材に応じていただいたお二方から、読者の皆さんへのメッセージをお伝えして記事の締めくくりとしよう。まずは代表の下平氏から。
「当社にとって、2019年は大きな飛躍の年になります。今まで皆が当然と思ってきた部分を変えていく、常に革命を起こすのが私たちgrabssの仕事。そこに立ち会えること、そしてその中でアイディアをどんどん形にできること。それが当社で働く魅力だと思います」(下平氏)
「当社は、外に公開できないような技術的強みを持っていることが自慢です。Web開発における生産性の高さも、他にはひけをとりません。『grabssでしかできない仕事をする』ことにこれからもこだわってまいりますので、ぜひ自分こそ!と思った方は、話をしに来てください」(松川氏)