シソーラス株式会社

シソーラス株式会社（Thesaurus inc.）は、ITシステムを活用した新規事業企画、事業計画立案のコンサルティングをおこなっている会社だ。そのほか、Webアプリケーション/スマートフォンアプリケーションの開発受託、Webアプリケーションを活用したサービスオペレーションのアウトソーシング、ITリスクマネジメントシステムの構築・運用、プロモーションコンテンツの制作、人材育成研修などの事業も手がける。2004年にeセキュリティキューブ株式会社として設立され、2014年 8月に現在の社名に変更した。本社オフィスは大阪市中央区にある。

シソーラスが提供する価値は、顧客の経営資源や事業環境から成長へのポテンシャルを見いだし、さまざまなテクノジーを駆使して、新規事業の立ち上げ、業務改善などに貢献することにある。また2019年4月には長野市に開発拠点「DXセンター」を設立し、事実上の本社とする。

長野のDXセンターではシステム開発業務を集約し、Webアプリケーションを中心とするシステム開発力を強化していく方針。オフショアマネジメント体制の確立にも取り組み、長野から日本全国、さらにグローバルな業務支援に取り組んでいく。また、事業会社やクリエイター、ITベンダーのコラボレーションをうながすプラットフォーマーとして地方創生にも寄与。加えて、産学官連携により、長野をIT企業の集積地として活性化させていくプロジェクトを推進していく。

代表取締役を務める荒井雄彦氏は、大学卒業後、ITベンチャー企業で営業、マーケティング業務に5年間従事した。東京を中心とする東日本地域全般の営業責任者として、官公庁向けダイレクトセールスや大手ディストリビュータ、SIerとのアライアンス実務を数多く経験。2004年の創業時には大手システムインテグレータのプロダクトマーケティング業務に従事するとともに、中小企業向け情報セキュリティコンサルティングも手がけてきた。2015年には、関西学院大学 経営戦略研究科でMBAを取得している。

シソーラスのビジネスは、コンサルティング形式で顧客の事業分析やITシステムの導入計画を策定し、ITシステムを構成するアプリケーションの開発受託、運用保守までを、一気通貫で支援すること。顧客が新たな事業展開に取り組む場合は、アプリケーションシステムの各種管理業務および顧客ニーズを取り込み、機能として反映させていくといったオペレーション全般のアウトソーシングを受注している。

上流工程のコンサルティングでは、それぞれ得意分野をもつコンサルタント＋デザイナーがチームを組み、顧客の事業環境を多面的に分析し、IT活用の戦略を提起する。ソフトウェア開発では、プロトタイプを示すことでクライアントニーズを引き出し、スピード感をもって付加価値の高いアプリケーションを提供している。AI、ＩoT、ビッグデータなど先端技術開発では、バングラデシュオフショアスキームを活用し、コストパフォーマンスを最大化。顧客管理システム（CRM）、人材管理システムについては独自のプラットフォームを活用し、効率的に開発を進めている。

事業分類としては、ソフトウェア受託開発業が最も近い。しかし、シソーラスはソフトウェア受託開発のシェア獲得を目指しているわけではなく、情報サービス産業の構造そのものを変えることにチャレンジしている。つまり、非IT事業者である製造業、サービス業が独自のノウハウをITシステム化し、それをもってITサービスを展開していくことを支援するというもの。非IT事業者が情報サービス産業に参入することで、産業構造の変化や、マーケットの拡大が進むとシソーラスは考える。

取引形態はほぼエンドユーザーとの直接取引で、二次請け、三次請けなどの請負は基本的におこなっていない。営業面では現状、積極的な営業活動をおこなっておらず、クライアントからの紹介、人脈を通じた紹介などによる顧客獲得パターンがほとんど。今後は自社媒体（Webサイト）を活用し、新規顧客を積極的に開拓していく方針だ。

社内のカルチャーとしては、自由と責任のバランスを最適化している。自由な風土は人のポテンシャルを引き出すために必要だが、シソーラスは顧客サービスを提供する会社であるため、顧客に対して大きな責任を負う。チームの一人ひとりがその責任を自覚し、果たしていくことをメンバー同士がサポートする文化がある。また、フリーランサーを単なる外注業者ではなく仲間として迎え、チームを形成して積極的に協業している。それにより仲間意識が醸成され、互いに刺激しあえる土壌がある。

また、自由な働き方や、自律した人材の集団であることを誇りにしている。世代、職種、国籍などが異なる多様なメンバーが集まり、個々の強みや弱みをオープンにしてコラボレーションする。これがメンバーの力を最大限に発揮し、顧客に対しての貢献につながるとシソーラスは考えている。誰もが持っている「自我」をお互いに尊重し、受け入れる寛容さを育て、企業理念である「心を耕す」を社風として体現していく。同時に、「心を耕す」には「人々の暮らしを豊かにするITソリューションを提供する」という想いも込められている。

シソーラスは長野でのソフトウェア開発体制を強化し、3年後に20名体制を目指す。また、バングラデシュ現地企業とのアライアンスを強め、オフショアスキームを積極的に活用していく。同時に、長野県、長野市、長野県立大学などとのコラボレーションによる信州ITバレー構想の一翼を担い、長野におけるIT産業活性化を支援し、地方創生の実現を目指す。

今回の採用では、性別や学歴は不問。IT開発プロジェクトのマネジメント経験や、英語力があれば歓迎される。マネジメント経験がない場合は、現場メンバーとしてプロジェクト全体を俯瞰的にとらえることができ、プロジェクトの成功にコミットできることが求められる。また、Webアプリケーションに関する技術探究心があり、未経験の技術にも積極的にチャレンジできる人材を求めている。