自分のスタイルに合った働き方と会社の枠を超えた出会い
システム開発会社の株式会社スパイラルアーツ。堅実さと、+αを提案する付加価値のある仕事ぶりがクライアントに評価されている企業だ。同社のメインクライアントは、大手建設会社。直請けのSESとして情報システム部門に入り、会計システムや契約出来高管理システム、建設資材管理システムなどを手がけている。
そのほか、SIer経由で大手食品メーカーの物流システムや貿易システム、金融機関の商品リスク管理システム、運送会社の会計システムなども手がけているという。
「SESの仕事はいろいろな仕事のスタイルを経験することが出来ます。わたしたちは『一人ひとりのスタイルに合うワークプレイス』と『自分と気が合うメンバーとの出会い』を提供したいと考えています。それは社内でいつも同じメンバーで同じ仕事では味わうことは出来ないと思っています。『自分のスタイル、興味のある技術、気の合う仲間』と一緒に仕事できるのが一番楽しいことをわたしも経験したからです」と代表取締役の有泉純平氏は笑顔で語る。
全体的に同社はWebシステムの開発を得意としているが、「AWSやAzureなどのクラウド環境における開発や、最新プロダクトの大幅なカスタマイズといった新しい技術が必要となる業務を求められる機会も多い」と有泉氏。
なお、メンバーをアサインする常駐先は、メンバーの適性や志向を配慮して決めている。
「上から“あれやれ、これやれ”と命令するようなことはありません」(取締役の城谷氏)
社員一人ひとりの思いや適性を考慮しながらアサインを決めているという。
顧客のイメージを超えるモノづくり
同社の設立は1998年。有泉氏の先代社長が創業した。
「先代がSIerから独立して創業した時、しっかりした仕事をするとともに、ソフトウェアというモノをつくるだけでなくお客様にサービスを提供する会社をつくりたいとの理念を掲げました」と有泉氏。一般的なシステム開発会社は、ユーザーに「何をつくればいいんですか?」というスタンスを取る。つまり、詳細な要件定義や仕様がなければ開発できないというスタンスだ。それに対して同社は、ユーザーの漠然としたニーズを聞いた上で「こういうシステムにすればいいのではないですか?」と提案するスタンスを取っている。
「お客様にしてみれば、詳細な要件定義や仕様を作成する手間が省け、その分違う業務にパワーを割ける。このことが高く評価されていると自負しています」(有泉氏)
2013年に有泉氏が2代目の社長に就任した際、この理念を継承。「お客様の要望に対し、もう一歩踏み込んで、お客様のイメージを超えるモノをつくることを心がけている」と有泉氏は語ってくれた。今後は、この路線をしっかり継続させるとともに、新たな事業にもチャレンジしていくという。そのテーマは“教育”だ。
「システム開発の仕事で積み上げてきたスキルやノウハウは、システム開発にしか活かせないというものではありません。例えば、プロジェクトマネジメントやスクラム開発といった手法は、あらゆるチーム作業にそのまま応用可能です。そこで、こうしたスキルやノウハウを他業界のビジネスパーソンや学生に教えるスクール事業などを構想しています」(有泉氏)
同社では、独自に開発したツールによるプロジェクトマネジメントの社員教育を通じて、コンテンツの検討を始めている(後述)。今後の展開が楽しみだ。
映画鑑賞会やボードゲームを楽しむ
同社に“きちんとした仕事をする”“サービス精神を発揮する”“関わる人を大切にする”といったカルチャーがあるという。少数精鋭の会社だからこそのフラットさも手伝って、メンバー間の仲はとても良い。
「月1回の帰社日には、いいお酒を買ってきてオフィスで飲み会をしたり、それ以外の日でもよく業務終了後に希望者が集まって、映画鑑賞会やボードゲームを楽しんでいます」(有泉氏)
また、役員はメンバーが常駐する現場を回り、クライアント担当者との関係づくりやメンバーコンディションを小まめにケアしているという。各現場に分かれるメンバー間のコミュニケーションや情報共有手段としてドキュメント共有ツールを導入しているが、さらに使い勝手の良さを求めて、今後チャットツールとファイルストレージ機能を併せ持つ新たなツールへのリプレイスも検討。メンバー間のコミュニケーションを少しでも良くすることを追求する姿勢の表れだ。
そして、人材育成においては前述のとおり、オリジナルのボードと付箋を用いて疑似的にプロジェクトを運営し、短時間でプロジェクトを回すマネジメントの勘所を学ぶ研修を行っている。目下のテーマは、“ボードゲームの取扱説明書の簡略化”。長くて読みにくい取説を、パワーポイントを用いてわかりやすく簡略化するプロジェクトだ。
「現在はテスト的に行っていますが、これを磨き上げ、最終的に新規事業のコンテンツにしていければと考えています」と有泉氏は言う。
就業時間は、平均残業時間が15時間程度。みなし残業時間分の上限を給与に含めているので、メンバーには「効率よく仕事をして早く帰ったほうが得」という力学が発生している結果だ。その浮いた時間を有志との映画鑑賞やボードゲーム、プライベートに使い、充実したライフスタイルの実現に繋げている。
そんな同社が求める人材は、前向きに仕事に取り組む姿勢と、チームを大切にし、コミュニケーションの取れる人。安定した事業基盤だけでなく、新規事業へのチャレンジや仲間を大事にするカルチャーのある同社。魅力を感じる人は、ぜひアクセスしてほしい。