社員が一丸となって取り組むイノベーション・チャレンジとは?
ネオアクシス株式会社は、『働き方改革推進カンパニーをコンセプトとしてデジタルトランスフォーメーションによる顧客の業務効率化や生産性向上』を実現するITソリューションを提供する企業だ。
従来型のシステム開発やパッケージ活用に留まらず、クラウドやAI、IoT、RPAなどの新技術・サービスを、「組み合わせて使う」ことで、より早く・効果的に顧客ニーズに応えようという挑戦を続ける。
オンプレミス環境からクラウド化・オープン化が加速する中、顧客からのニーズは高まるばかり。同社はこの潮流を成長のチャンスと捉え、エンジニアが最大限に力を発揮するための組織体制強化に取り組んでいる。
活用ソリューションはoffice365やSAP Concurなどクラウドソリューションや、Intra-martやAI-OCRやRPAなどのデジタルトランスフォーメーションに加えクラウドネイティブのタスクフォースを設置するなど技術革新へのチャレンジに積極的だ。
同社の母体は、45社ものグループ会社と約2万名もの従業員を擁するTISインテックグループ。様々な分野でIT関連の事業を展開する総合IT企業群として、圧倒的規模と存在感を誇る一大グループだ。
同社はその中にあり、2018年には40期目を迎え、3年前に代表取締役社長に就任した山本修司氏の主導により、新たなビジネスの方向性を打ち出した。
その背景とビジョン実現に向けた取り組みについて、詳しく話を聞いた。
「つい先日のことですが、“2026年にデザイン思考を駆使した会社になる”と、社内に向け宣言しました。発信者こそ私ですが、社員が主体となるボトムアップで、 “イノベーション・チャレンジ”という名のもと、ゼロからイチを創り出していこうという全社的な取り組みです。」
「前回のイノベーション・チャレンジでは、こちらでランダムに社員を分けて作ったチームごとにビジネス上の課題を抽出してもらって、解決策を一日かけてデザインしました」と山本氏は話す。
長い歴史のある同社には、過去から提供してきたレガシーなイメージが残っていると山本氏は言う。
その払拭こそ代表が自らに課したミッションであり、2026年にはデジタルの世界で躍動する、全く新しい会社としての姿を創りたいと言うのだ。
そのためには、デザイン思考を活用して仕事に臨むことが必要だと前述の取り組みを開始したのだが、前提として働いている人が楽しくなければ意味がないと、山本氏は力を込める。
「そこで、“最高に働きがいのある会社にする”というスローガンも同時に打ち出しました。
“デザイン思考”と“働きがい”という2つの要素を組み合わせることで、当社にしかない新たな事業を皆で創造していこう!自分たちのワクワクを自分たちで実現しよう!と発信したのです」(山本氏)
変化を厭わず常に挑戦を続ける同社は、まだまだ成長の過程にある。
「2026年までにデザイン思考を軸とした働きがいのある会社にする」と宣言
前章の通り、既存製品やレガシーなソリューションのイメージを払拭し、デジタルテクノロジーを駆使しての働き方改革推進カンパニーを自ら体現し、お客様のビジネスプロセスの再構築、すなわち『デジタルトランスフォーメーション』を今後の成長軸とした同社。
その実現のためには、社員によるデザイン思考をベースにした『イノベーション・チャレンジ』が有効だと山本氏は述べていたが、そもそもデザイン思考とは何なのかを見直そう。
携帯電話はおろかPCすら普及していなかった時代には、『モノ』を作って終わりというビジネスが主流だった。しかし、技術の進化によってユーザーのニーズが手持ちのモノ(例えばスマートフォン)で簡単に満たされるようになった現代では、常にユーザーの視点に立ち、モノだけではなく『コト(体験)』を作らなければビジネスとして成り立たなくなっている。
そんなユーザー体験を作るための手法やマインド、プロセスの総称を『デザイン思考』と定義するのが一般的だ。
山本氏は、デザイン思考の基本要素のひとつ『クリエイティビティ(創造性)』を社内で活性化するための土台づくりに着手した。
さらに、働きがいのある会社の追求にも手を抜かない。
ネオアクシスでは“ひと”の力こそが一番の財産と考え、社員がそれぞれの強みを見つけ、その力を育み、ネオアクシスで活き活きとした時間を過ごす、その実現のための仕組みとして4つのユニークなプログラム、『ネオアクシスHello!』『ネオアクシスTrust!』『ネオアクシスEnjoy!』『ネオアクシスStep Up!』を立ち上げた。
たとえば、『ネオアクシスHello!』と名づけたプログラムでは、新しいメンバーを大切な仲間としてwelcomeの心で接し、社内SNSや各コミュニケーションツールも活用して、その仲間が早く馴染んで活躍できるような環境を整えている。
そしてもうひとつ、新たに創設したのが『NAX Way推進室』。ヒト・カネ・モノ・情報に続き5番目の経営資源として取り上げられる、会社固有のカルチャーや風土を、ネオアクシスでは、NAX Way(ナックスウェイ)と表現する。ネオアクシスらしい行動とは、ネオアクシスの流儀とは、等を社員同士で語り合い、共有化することで、社員一人ひとりの“チカラ”とネオアクシスというチームの“チカラ”を結びつけていくのである。社員と会社が共に高めあうエンゲージメントを創出することで、ネオアクシスの「働きがい」が生み出されている。
それだけではない。『Pay For Job』という考え方に基づき人事制度を刷新し、年功序列ではなく、スキル向上と成果をきちんと報酬へ反映させる賃金体系の見直しも行った。
教育面では、1人平均5日以上の研修受講を推進してスキル向上を支援する。資格取得に対しても、学習費用と受験料(3年間限定)を会社が負担することで、資格取得を促した。
このようにして“新生ネオアクシス”の土台づくりに時間を費やした結果、「最近ようやく会社の雰囲気が変わってきたと感じる」と山本氏は言う。
「常にアイデアが飛び交うクリエイティビティに溢れた環境構築に取り組んできたせいか、社員や社内の雰囲気も活性化してきたと感じます。実際、社員から仕事以外の提案もSNSで飛んでくるようになりました。むしろ仕事してくれよって思うくらいです(笑)」と山本氏は相好を崩した。
「ありがたいことに売上も伸び続けている。アイデアもたくさんある。会社の土台を利用して、あとは思う存分、技術を発揮してもらえる環境です。
特にエンジニアの社員は、やりがいと成長実感を得ながら働いてもらえると思いますよ!」
イノベーティブな環境が整い、次はそれを実現するためのスキルが必要なフェーズとなったのだ。
イノベーティブな創造性を刺激する数々の施策や制度を実行し、独自の成長路線を進み、売上も伸び続けている。
クリエイティブな人材がワクワクできる仕組みを提供することは会社の役目
TISインテックグループという堅固な母体をベースにしつつ、独自の成長路線を突き進む同社。
前述までの通り、新生ネオアクシスに向け代表が強力なリーダーシップを発揮して組織改革を進めてきた。しかし、主役はあくまでも社員であり、社員の働きやすさと個の成長を何よりも重視している。
有給休暇が取りやすく、社内コミュニケーションが活発な社風は、働きやすさの要素になっているだろう。
また、トップダウンではなく、社員からの提案によって自社パッケージソフトウエアなどの事業提案や服装の自由化の事例など、ボトムアップ型のカルチャーが根付いている点も特筆できる。
「もちろん、提案すればすべてが通るわけではありません。例えば、服装を自由化することでお客様の好感度が上がり仕事の価値が上がるならば、それはOK。
本質を捉えたアイデアであることが重要です」(山本氏)
この言葉にも、自由度を上げた働き方には、同時に責任も伴うというプロフェッショナルなスタンスが伺える。
代表の思いは、実業務の面にも表れている。
「案件ありきで仕事は取りたくないですし、“単なる人出し”の仕事は絶対にしたくありません。われわれの仕事は、工程やタスクに思いを込めて価値を届けること。
人工としての仕事では、互いの価値交換ができないですよね。クライアントの成長と同時に、個の成長の輪とオーバーラップする部分を提案できる企業であるべきだと考えています」。
山本氏は、同社の仕事はクリエイティブであるべきだし、クリエイティブな人財がワクワクしながら働くためには、変化し続けるための仕組みを用意することが当たり前だと話す。
個の成長に重きを置いて、教育に力を入れる理由はそのためだ。
「当社で働くことで、どこでもやっていけるスキルが身につきます。エンジニアには、そのレベルまで成長してほしいですし、逆に会社としては、辞めたくないと思ってもらえる環境を提供することが大事。社員と会社が対等な関係であるべきです」(山本氏)
同社の人財に対する考え方が伝わる言葉だ。
山本氏は採用活動を通して、理念に共感できる人、物事をシンプルに考えられる人、探求を怠らない人、そんな人物に会いたいと話した。
同社が新たに打ち出したビジョンと、自身の方向性で重なる部分があるならば、ぜひとも直接話をしに行って欲しい。