まずは、ミーカンパニーの現在の状況についてお聞かせください。
皆さま、こんにちは。ミーカンパニー代表の前田です。当社は今年で創業15年目を迎え、現在では50名を超えるメンバーが在籍しています。創業時から積極的に取り入れているリモートワークについては、現在でも99%が在宅勤務というスタイルを維持しており、出社したことがないメンバーも多数います。 ――15年前の創業時からリモートワークを導入されていたのは、相当先見性があったのではないでしょうか。 当時は今ほど「働き方改革」と言われていない頃でしたが、私たちは将来の日本の姿を思い描きながら、在宅勤務は必須であると考え、早くから取り入れました。日本の高齢化が進むと、介護しながら働く人が増えてきます。子育てや介護中の方でも、必要な時に休めて在宅勤務ができる体制は、今後も変わらずに推し進めていきます。 個を重視する会社でありたいと思っています。多様性を許容できる文化といいますか。当社だけでなく、社会全体がそうなっていかなければならない。そのために、当社が働き方のモデルになる、そのぐらいの意気込みを持って取り組んでいます。 実は、ミーカンパニーの創業は一人の難病患者との出会いから始まりました。10年もの間、自身の病名すら分からずに苦しんでいたその方の経験が、私たちの使命を形作ったのです。この「出会い」が、今日の事業の原点となっています。 ――リモートワークを効果的に運営するために、どのようなツールを活用されていますか? 当社の業務ではSlackとGoogle Meetを利用した業務が中心となります。事業部メンバーはさらに「jam-roll」という議事録AIツールを使っており、これは社内や顧客商談を後から振り返ることができる便利なツールです。社内会議に参加できない場合に後から見ることができるので情報共有が手間なくスムースになる点が良いのと、営業メンバーは他の人の商談を見ることで初期のキャッチアップがしやすく便利です。 具体的には以下のツールを活用しています: ・Web会議ツール(Google Meet / Microsoft Teams) ・チャットツール(Slack) ・議事録ツール(Jam-roll) 各チームごと、毎朝リモート会議を行なっており、事業部チームでは先日開催された顧客商談からの気づきの共有や、新規企画、通常業務で分からない点の共有などを行なっております。直近では、契約管理と更新プロセスの最適化、データ活用とターゲティング戦略の重要性、医療・介護分野における多職種連携の課題、データ品質と精度向上への取り組み、営業活動とマーケティング戦略の効果測定などについて議論しています。 日々の知見を共有することで、業界の最新トレンドや会社の取り組みを理解するだけではなく、リモートワークの課題の1つである「他の人が何をやっているかわからない問題」の解消に取り組んでいます。事業部(営業チーム)の場合、朝会は10:00-となりますが、フレックス勤務のため8:00くらいから働いている人もいますので、朝の時間も有意義に使えます。 ――リモートワークの課題もあると思いますが、いかがでしょうか? 正直、在宅化に伴うコミュニケーション上の課題が生じているのも事実です。直接顔を合わせての会話ではないために、発した側はそのつもりがなくても受け手側が冷たいと感じるといったシーンがあります。リモートだと、どうしてもニュアンスまで伝えきれないということが出てくるんです。正直難しさを感じていますが、高齢化が一層進み働き方も多様化していく社会の中で、在宅勤務は必要不可欠だと考えています。
御社の主力事業であるSCUELデータベースについて教えてください。
SCUELデータベースは、医療機関・薬局・介護・障害福祉事業所の施設や運営法人に関する情報と、医師に関する情報を網羅したデータベース及びサービスです。国内の病院・薬局・介護事業所の施設に関するデータでしたら、当社が国内で最も保有している企業であると思います。 なぜ、ここまで正確なデータにこだわるのかというと、それは医療の世界では適切な治療との出会いが生死を分けることがあるからです。信頼性の低いデータは、組織の効率だけでなく、患者の信頼を損ない、最悪の場合は人命を危険にさらす可能性があります。一方で、正確なデータは医療の質、生活を向上させる力を大きく向上させる可能性を秘めています。 ――事業の背景にある使命について聞かせてください。 私たちの使命は「出会いをつくり、1人を支える」ことです。医療の世界では、適切な治療との出会いが生死を分けることがありますが、多くの患者は必要な医療に巡り会えず、同時に医師も救えるはずの患者に出会えていません。この「出会いの不足」が、時に取り返しのつかない結果を招いているのです。 私たちは、このデータベースを単なる情報の集積ではなく、希望との出会いを創出する力を秘めたものにしたいと考えています。難病に苦しむ方々が適切な専門医や必要な検査に出会えるよう、小児希少難病の早期診断・治療開始を支援する検索サイトの運営にも携わっています。さらに、製薬企業や医療機器メーカー、医療ICT企業やアカデミアなど、医療に関わる様々な企業や団体にもこのデータを提供し、業界全体で患者支援の輪を広げています。 AI活用が重要になる今、ノイズの少ないデータであるほど正確な分析、AI活用が可能になります。SCUELデータベースを活用することで、患者は自身の症状や条件に最適な医療機関や専門医を見つけやすくなり、適切な診断や治療を受ける機会を増やすことができます。 ――「データを水のように」という表現が印象的ですが、どういう意味でしょうか? 適切な治療との出会いを実現するには、清らかで豊富な水のような、信頼できるデータが必要不可欠であると考えています。データを水に例えているのは、両者が生命や社会を支える基盤として欠かせない存在だからです。 しかし、ただ純粋な水が存在するだけでは、人々の渇きを癒すことはできません。水を汲み上げ、浄化し、そして誰もが簡単に飲めるように蛇口まで届ける。そんなインフラが整って初めて、水は私たちの生活に欠かせない存在となるのです。 現在の病院検索は、まるで井戸から水を汲むように、自分で情報を探し出す必要があります。しかし、私たちが目指す未来では、私たちの健康状態に合わせて、最適な医療機関が推薦される。まるで、蛇口をひねれば新鮮な水が出てくるように、必要な情報が簡単に手に入る世界を実現したいのです。
コンサルタント職の具体的な業務内容と魅力について教えてください。
当社で募集しているコンサルタント職では、医療・介護分野の豊富なデータを扱い、最先端の技術を駆使しながら社会課題の解決に取り組んでいます。国内の病院・薬局・介護事業所の施設に関するデータでしたら、当社が国内で最も保有している企業であると思います。さらに、33万人以上の医師に関する包括的な情報も整備しています。コンサルタントとしての仕事は、このデータを活用し、医療業界の課題解決に直接貢献することとなります。 ――医療分野の専門知識がない方でも挑戦できるのでしょうか? 医薬品や医療機器関連での業務経験があることが望ましいですが、必ずしも必須でないです。医療分野に特別な興味はなく、データがあるから当社に関心を持ったという志望動機でも構いません。重要なのは、データ分析への情熱と、社会課題解決への意欲です。 ――具体的にはどのような課題解決に取り組むのでしょうか? AI・機械学習、ビッグデータ解析など、最先端の技術を駆使して医療・介護分野の課題解決に取り組みます。AI活用が重要になる現在、ノイズの少ない高品質なデータを扱えることは、より精度の高い分析と革新的なソリューション開発を可能にします。 具体的には、患者の症状や条件に最適な医療機関のマッチング、医師の専門性と患者ニーズの最適化、地域医療連携の効率化提案、製薬企業向けの市場分析・戦略策定、医療ICT企業向けのデータ活用支援などがあります。これらの業務を通じて、技術スキルと医療業界知識の両方を身につけることができます。 例えば、難病患者が適切な専門医に出会えるようになったり、小児希少難病の早期診断・治療開始を支援したりと、直接的に人々の生活の質向上に貢献できます。「出会いをつくり、1人を支える」という会社のミッションを、コンサルタントとして最前線で実現していく、やりがいの大きな職種です。 ――コンサルタント職でもリモートワークは可能なのでしょうか? はい、コンサルタント職も他の職種同様に完全リモートワークが可能です。創業15年目を迎える当社のリモートワーク実績とノウハウにより、在宅でも高い生産性を保ちながら働くことができます。Slack、Google Meet、jam-rollなどの最適化されたツール環境、毎朝のリモート朝会による情報共有とチーム連携、フレックス勤務による柔軟な時間管理など、充実した環境を整えています。 「家族ありき」の働き方を推奨しており、子育てや介護と両立しながらプロフェッショナルとして成長していけます。仕事は待ってくれるけれど、家族はそうはいきません。まず、「家族ありき」で働いて欲しいと思っています。 ――コンサルタント職でのキャリアパスについて教えてください。 コンサルタント職では、幅広いキャリアパスを描くことができます。専門性を深めて医療データサイエンティストやヘルスケアコンサルタント、医療政策アナリストを目指すこともできますし、事業拡張に参画して新規サービス企画・開発、マーケット開拓、パートナーシップ構築に携わることも可能です。 さらに、マネジメント職へのキャリアアップとして、チームリーダー、事業部マネージャー、新規事業責任者といった道もあります。会社の成長とともに、あなたのキャリアも大きく発展していく機会があります。 ――最後に、コンサルタント職を検討されている方へメッセージをお願いします。 医療の社会課題に興味があり、その解決に向けて情熱を注げる方。リモートワークを通じて、プロフェッショナルとして成長したい方。そして、「患者と医療、家族と介護をつなぐ」という私たちのミッションに共感いただける方。そんな方のご応募を心よりお待ちしております。 データ分析の経験者も、異業種からのチャレンジャーも歓迎します。重要なのは、学習意欲と社会貢献への想いです。まずは話を聞いてみませんか?あなたの経験やスキルを活かせる場が必ずあります。一緒に、データの力で医療の未来を創造していきましょう。
今後の展望についてお聞かせください。
国は、人口・世帯構造や疾病構造の変化に対応するため、医療介護の提供体制に変革を起こそうとしています。病院単独で完結するような総合的な医療サービスを目指すのではなく、医療機関同士で役割分担を行い、地域全体の治療効率の向上と治療品質を高めることを目指しているのです。 医療システムの移行という大変革期を迎え、病院・調剤薬局・診療所・介護事業所が地域で連携していくために、データを必要としています。また、現場だけでなくそれらの機関を顧客に持つ周辺企業も事業展開のためにデータを必要としています。 このような変革期にあり、われわれはSCUELをより信頼性と付加価値の高いデータベースとして、ブラッシュアップし続けます。そして、誰もがデータベースを写真のように安価で簡単に使える社会をつくりたいと考えています。
