スパコンのOSをはじめ、あらゆる業界の業務システム開発の実績あり
システム開発会社の株式会社コサウェル(旧社名:東海ソフトウェア)。静岡県沼津市に本社を構え、東京・名古屋・大阪に支店、静岡にもオフィスを展開し280名強の社員を擁する中堅である。
同社が手がけているのは、ネットワーク構築やセキュリティ対策といったインフラ構築領域、請負やSESによるソフトウェア開発やシステムの保守・運用管理領域、およびパッケージソフトやハードウェアの販売。これまで、世界最高性能を記録したスーパーコンピュータのOSをはじめ、製造業、流通業、金融業、卸・小売業、運輸業、行政の各顧客における業務アプリケーションやWebシステムなど広域な分野のシステム開発を手がけている。したがって、取り扱うOS、言語・ツール、データベースも幅が広い。
中でも特徴的なのは、6,000社以上の導入実績を誇るシステム共通基盤「intra-mart」の取り扱い。ベンダーと深いリレーションを築いて当該技術に習熟し、顧客に短期かつ低コストでWebアプリケーションの構築を実現させている。
それだけではない。同社は2013年に組込みソフトやハードウェアの設計に特異な技術力を有する(株)システムソフィアを子会社化。これを足掛かりに、高速道路のサービスエリアのゴミ箱にセンサーを取り付け、ゴミ収集を効率化するIoTシステムの開発を手がけている。さらに、2016年には静岡市内のコンテンツ制作企業を吸収合併。静岡県内で放映され、県民の誰もが知っているCMを手がけ、コンテストの大賞を受賞するという実績も誇っている。
同社は、創業者であり代表取締役社長を務める齊藤弘幸氏が1985年に設立した。齊藤氏は富士通(株)沼津工場で活躍したネットワークエンジニア出身。現在、FSA(Fujitsu Software Association)の会長という要職も務めている。
富士通でのエンジニアの経験を活かし、同社の成長を牽引。
社員を大切にする企業理念を真剣かつ愚直に遂行、“離職率3.3%”を実現!
そんな同社の最たる強みは、“離職率3.3%”に端的に表れている。平均11%といわれているソフトウェア業界にあって、この数値は驚異的だ。その要因は、社員を大切にする企業理念を真剣かつ愚直に遂行し、働きやすい就労環境づくりに取り組む経営姿勢による。
●社員第一の企業
社員を家族として大切にします。大切にされる社員だからこそ、お客様に心のこもったサービスを提供することができます。
●いち技術者である前に、いち社会人
社員一人一人が、いち社会人として謙虚さと真摯さを備えた心豊かな魅力ある人間であることを目指します。
●信頼の創造
家族、お客様、ビジネスパートナーとの信頼という絆を創造し、共に成長していきます。
この理念にかける思いを、齊藤氏は次のように語る。
「アメリカのエンジニアは、70%がインハウス型です。日本は真逆で、70%がソフトウェア業界に集積しています。ですから、我々のような独立系ソフトウェア企業の生きる道は、お客様との信頼関係を築く以外にあり得ません。ましてや、目に見えるハードウェアと違い、ソフトウェアは形のないものです。まさに、エンジニアがお客様に信頼されなければ仕事をもらうことなどできるはずがありません。ですから、会社設立以来、そのことを口を酸っぱくして言い続けてきたのです」
齊藤氏が最も重視したのは、“きちんと挨拶する”、“笑顔でコミュニケーションする”といった、エンジニアである前に社会人として等しく求められる態度。
「エンジニアはPCにかじりついてひたすらソースコードを書いていると思われがちですが、そうではありません。開発プロジェクトにアサインされれば、お客様やメンバーとの良好なコミュニケーションを通じて意志疎通し続け、その結果いいものをつくるという日々なのです。技術も大事ですが、それ以前に健全なコミュニケーションができることがもっと重要であると考えています」(齊藤氏)
そこで、教育制度や企業文化づくりを通じて“人間教育”を徹底、前掲の企業理念を実現させ続けている。
「おかげさまで、お客様からは『コサウェルは社員がしっかり挨拶できるね。そこは他社と一番違うところ』と言っていただけています。私としてはまだまだと思う部分もありますが、一応は形になったと自負しています」と齊藤氏は胸を張る。
ちなみに、技術面の教育では、プログラミング講習会やプロジェクトマネジメント研修、各種外部研修、社内ワーキンググループ活動などが行われている。さらに、情報処理に関する資格試験やベンダーの資格試験などに合格すると、報奨金を支給し奨励している。
社員間の親睦を深めるレクリエーションイベント「C-WAVE」。毎月開催!
同社の企業文化づくりのコアとなっているのは、「C-WAVE」。社員間の親睦を深めることを目的に、月1回土曜日に開催されているスポーツを主体とするイベントである。うち年2回は、会社が交通費を負担し各支店のメンバーも集う全社イベントとなる。普段は客先常駐などで離れている社員がこの日ばかりは一同に会し、レクリエーションを通じて交流を図っている。さらに、数年に1回、全社員が集って国内外に社員旅行にも出かけている。一連のイベントへの社員の参加率は高い。
「こうしたイベントも創業当時からやっています。スポーツだけでなく、私がギターを弾く社員バンドのライブもやりますよ(笑)」と齊藤氏。これらのイベントで、齊藤氏以下役員と社員が一体となり、縦・横・斜めの関係をタイトにしているのだ。
また、クラブ活動も盛んで、サッカー部やゴルフ部、テニス部、バスケットボール部、軽音楽部などが新メンバーを待ち構えている。
“社員第一の企業”づくりは、次のようなところにも表れている。社員が最寄のJR三島駅から客先に行く際に車をとめる駅周辺の駐車場料金は、会社が100%負担しているのだ。「業界は、社員に自腹を切らせるところが多い。細かいことかもしれないが、こうしたところまでどれだけ徹底できるかが問われる」と齊藤氏は話す。
そして、期末手当。同社は年2回の賞与を支給しているが、それ以外に年1回、業績に応じて期末手当も全社員に支給。2017年度は一律0.6カ月分が支払われた。
「賞与は33年間、一切の減額もなく出し続けています。社員の頑張りに応えることで、企業理念実現の根底となる信頼関係ができると思っています」(齊藤氏)
そんな同社が求める人材像は、次のとおり。
●企業理念に共感できる方
●相手の気持ちや要求を考えながら、円滑なコミュニケーションが取れる方
●社会人らしい振る舞いができる方
●人を大事にできる方
●やる気・根気・元気がある方
同社がどれだけ社員を大切に考えているか。どれだけ企業理念の貫徹に力を入れているか。一度沼津本社を訪れ、齊藤社長に会えばそのキャラクターを通じてすぐ実感できるだろう。
スポーツを通して社員同士の親睦を深めるいい機会になっているという。