株式会社Sparks & Company

株式会社Sparks & Companyは、企業向けモバイルコンテンツ管理サービス『Bizfile』を展開するITベンチャー企業だ。Bizfileは、商談やプレゼンテーションの場で効果を発揮するリッチコンテンツをクラウドによって配信・管理するサービス。管理者とユーザーが使いやすいシンプルな操作性を実現し、導入企業から高い評価を得ている。
今後、同社は「デジタルの力で世の中をもっと便利に」というビジョンのもと、Bizfile事業の拡大をはかる。同時に、新たなサービスも続々と展開していく計画だ。第二創業期と言える活況のフェーズに入った同社は、成長の原動力となる人材を募る。

自社開発のビジネスツールやシステムを販売する企業は数多い。コンテンツの制作を請け負う企業も同様だ。しかし、その両方を一手に担う企業は希少だろう。得てして制作会社はITの技術面に乏しく、開発会社はコンテンツ面に疎い場合が多い。しかし同社は、両方に精通しているという大きな強みを持っている。その理由は、会社設立にまで遡る。

創業者である代表取締役社長 萩原 和彦氏は、長年メディア関連事業に携わってきた人物。動画配信が今ほど盛んではなかった2000年初頭、所属していた大手メディア事業会社で、インターネットによるコンテンツ配信事業の立ち上げに関わった。
プロジェクトチームを率いて立ち上げに尽力していた矢先、会社の方針転換によりその新規事業から撤退するという決断が下された。
しかし、インターネットによる動画配信領域が伸びていくという実感を持っていた萩原氏は、プロジェクトチームごと独立することを決意。こうして、2008年に設立したのが同社なのだ。

メディア事業に深く携わってきたプロ揃いだけに、同分野におけるノウハウや人脈は豊富だった。さらに、そこへITの知見と技術力が加わり「コンテンツ力 ×システム力」という、同社ならではの強みを確立したのだ。

「デジタル化によって得られる表現力と効率化によりものすごく大きな可能性を持っています」と、萩原氏は語る。
営業担当者が顧客に説明をする際、パンフレットやリーフレット等の紙資料を使うことは、いまだに多い。紙は古くからあるツールとして馴染み深い反面、出力する手間やコストがかかったり、版数管理が煩雑になったりというデメリットがある。

Bizfileは、クライアント企業の管理者がクラウド上の同サービスのサーバにコンテンツを登録し、ユーザーはそのコンテンツをタブレット上にダウンロードして表示させるシステムだ。コンテンツには、閲覧者制限や閲覧可能期間の設定が可能。管理が簡便で、新旧バージョンが混在するリスクを避けられる。アクセスログ機能によって、営業手法を可視化し、営業活動の効率化を図ることも可能だ。

さらに、多彩なコンテンツを扱えるという点は、紙にはない大きな魅力だろう。
HTMLや動画、音声等を扱える他、360°画像のようなリッチコンテンツにも対応する。

「例えば、ウェディングプランナーがチャペルや披露宴会場の説明をする場面。デジタルコンテンツならば、新郎新婦側、ゲスト側と簡単に視点を切り替えられます。他にも昼と夜の照明の違い、装花による印象の違いなどの切り替えも簡単に行えます。見る側にとっても、見せる側にとっても、デジタルコンテンツは非常に効果的だと考えています」（萩原氏）

同社では、そのリッチコンテンツまでも自社で制作できるという強みがある。仕組みを売るだけでなく、その先にあるコンテンツまでも一貫して手がけることで、クライアントが真に求めるツールとして提供できるのだ。

さらにコンテンツ面以外にも、ユーザーと管理者が直観的に操作できるUIにもこだわる。
世界有数の大手製薬会社は、MRの営業活動に数千台規模のiPadを導入している。そのHTML5化にあたり、数年前にBizfileを採用。操作性の高さやコンテンツ管理機能、セキュリティレベル、同社のコンテンツ制作力を評価して採択した。医療施設内で使用することが多いためオフラインでの対応が可能な点や、多忙な医師への限られた面会時間の中で直観的操作が可能な点も導入の決め手となったという。

Bizfileの活用領域は、業界や職種を問わない。セールス担当者は新たな業界へのソリューション提案で、その可能性を広げていく面白さを体感できるだろう。

「設立から10年が経ち、当社は今が第二創業期だと意気込んでいます」（萩原氏）

これまで小規模な組織体制を続けてきた同社だが、クライアントからの手応えと好調な業績を背景に今後は積極的な事業拡大を図る。それだけに、新たな人材へかける期待は大きい。

今までは社員各々が営業・制作など職域を越えた業務に幅広く携わってきたが、専門分野に特化する方向に移行しつつある。これから参画する人は同社初となる専任チームを創出していく醍醐味も味わえるだろう。

「我々は他のスタートアップにはない長年のノウハウや人脈、実績などを既に持っています。その豊富なリソースを自由に使い、クライアントへの提案に活かせるのは大きなメリットでしょう」（萩原氏）

冒険心を持って積極的にチャレンジして欲しい。そのためのバックアップは惜しまない。
個々の意見を大切にし、自由な発想は妨げない。その為にはコミュニケーションは絶対不可欠でありその為の時間は可能な限りを持つようにしている。

「社員は皆、人が良いのが自慢。小規模なこともあり上下関係なく、コミュニケーションはかなり活発です。」と、萩原氏は語る。オフィスでは社員の笑顔が絶えず、明るい雰囲気が取材中も伝わってきた。

そんな同社には、どのような人物像がマッチするのだろうか？
萩原氏に問うと、「明るく元気な人。自由な雰囲気なので、チャレンジ精神があり自分でテーマを開拓していける方だと、当社での仕事をより一層楽しめると思います」という答えが返ってきた。

特定の経験や知識は求めていない。それ以上に、夢とロマンを共有できることを重視したいという。まずは好調な「Bizfile」や仕組みの提供と共にデジタルならではの表現力をもつコンテンツをもっと世に広めていくこと。更にその先では、培ってきたノウハウを活かして、医療系や高齢化対策、教育サービス等、社会の課題を解決する事業領域にも進出したいと考えている。

10年という区切りを迎え、同社の更なる飛躍が始まろうとしている。