社員の健康を維持し、ストレスなく仕事に打ち込める環境を用意
2014年4月に設立された日本ナレッジスペース株式会社は、システム開発会社である。大手企業の大規模案件を中心に、Web系、組込系、インフラ系など、幅広いITソリューションに対応。安定した経営基盤を構築しており、設立以来、増収増益の無借金経営を続けている。
同社設立の背景には、「エンジニアを大切にし、安心して長く働き続けられる会社を作りたい」という代表取締役である松岡竜邦氏の強い思いがある。自らも“健康経営エキスパートアドバイザー”の資格を持つ松岡氏は、「エンジニアが健康で、ストレスなく仕事に打ち込める環境を作ることに力を注いでいきたい」と語る。
そのため、同社ではさまざまなヘルスケアの施策を取り入れている。全国健康保険協会の“健康優良企業”の認定を取得したのもそのひとつ。続けて、2019年には経済産業省が進めている“健康経営優良法人”の認定も取得している。
また、2015年12月に施行された“ストレスチェック制度”(従業員数50名以上の事業所に義務化された制度)についても、他社に先駆けて導入している。従業員数が50名未満であり、法的には導入の必要がない同社だが、社員のために先んじて導入することを決めたそうだ。
他にも、“がん対策推進企業アクション”の推進パートナーへの参加、”インフルエンザ予防接種補助制度”、”花粉症予防対策補助制度”、”マッサージ手当制度”、”女性疾病の健康診断制度(乳がん検査)”の導入など、社員の健康を第一に考えた施策や福利厚生を積極的に取り入れている。
加えて、社員の家族への配慮も手厚い。”リロクラブ(福利厚生倶楽部)”を導入し、レジャー施設、旅館、映画館、飲食店などを優待料金で利用でき、社員とそのご家族の余暇充実やコミュニケーションツールとして好評とのこと。
さらに、ご結婚を機に、社員の配偶者が健康診断を受ける機会を失うこともあり、同社では、福利厚生に”配偶者の健康診断補助制度”も導入している。
「エンジニアの中には、仕事に夢中になるあまり自分の健康を疎かにしてしまう人もいます。だからこそ、会社全体で社員とそのご家族の健康面をサポートしていく必要があるのです」。(松岡氏)
ここまででも、類を見ないほど社員への手厚いフォロー体制が構築されている同社であるが、来年(2020年)には、福利厚生をさらに充実させるため、下記の3つの導入が決定しているとのこと。
★2020年内 新規導入の福利厚生★
1.疾病入院医療保険(AIG損保)
社員の万が一の病気による入院費用について、上限で100万円まで補助致します。
※会社とAIG損保の契約となり、月々の保険費用は全額会社が負担します。
2.線虫がん検査
社員の健康維持の為、各種がんの早期発見に努めます。
※線虫が、がん患者を「がん」と判定する感度は約90%と極めて高精度とされています。
※18種類程度のがんについて全て検知可能。その中には早期発見が難しい膵臓がんも含まれています。
※現在研究段階であり、2020年1月に実用化される予定です。
3.電子書籍(技術書)読み放題制度
社員がいつでも技術書を閲覧できる環境を整えるために、
秀和システム社 10xEng(テング)を導入致します。
「社員思いの会社だということが浸透しているためか、当社を辞める社員は少ないですね」と松岡氏。実際、離職率は5%に満たないという。「社員が快適に働けるよう、これからも新しい施策や福利厚生を導入していきたいですし、より定着率の高い会社を作っていくのが私の目標です」とのことだ。
様々な能力開発プログラムで、社員のビジネスパーソンとしての成長を後押し
企業が成長を続けていくためには、なによりも社員の成長が不可欠。そのために、同社では外資系コンサルティング会社によるヒューマンスキル向上を目的とした能力開発プログラムを導入し、社員の能力開発にも力を注いでいる。
「テクニカルスキルは仕事を通して身につけることができますが、ヒューマンスキルを向上させていくのはなかなか難しい。そのため、ビジネスパーソンとして成長できるプログラムを積極的に作っています」(松岡氏)
ビジネスの基礎から学べるプログラムも数多く用意。ビジネスマナーやビジネスライティングはもちろん、入社年度に応じて、ロジカルシンキングやポジティブリスニングの他、プレゼンテーションに必要となるスキルなど、様々なコースを受講できる体制を構築している。
「こうしたプログラムを、業務時間外ではなく就業時間内に受けてもらうようにしています。現在は入社5年未満の社員向けに22コースがありますが、今後は5年目以降の社員が受講できるコースも用意し、さらに充実させていく考えです」(松岡氏)
また、社員の成長サポートの一貫として“社内書籍貸出制度”という制度もある。主に技術についての書籍を中心に貸し出しているが、社内にない書籍についても、企業が費用を全額負担して新しく購入ができるという。
さらに2020年からは、新しい福利厚生として「電子書籍(技術書)読み放題制度」がスタートさせ、社員がいつでも手軽に
技術書(電子書籍)を閲覧できる環境を整える。※秀和システム「10xEng」これにより、同社の社員は、秀和システム社刊行のプログラミング言語、サーバー関連、データベース、デザイン系ソフト、ExcelやAccess等のオフィス系ソフト、業界研究シリーズ等のビジネス書など多様なジャンル全330タイトル(※2019/11/25時点)が読み放題である。
※「10xEng」は、秀和システム社が出版している書籍の閲覧が自由に行えるWeb書籍サービスです。
社員が成長していくために必要な出資は惜しまない。それが松岡氏の考えだ。
「開発の上流工程に行けば行くほど、顧客との折衝術を身につけなければいけない。それに当社のエンジニアは普通のSEとして終わるのでなく、ビジネスパーソンとしてさらにキャリアアップしてほしい。将来的には、会社の経営に携われるような人材に育ってほしいという思いがあります」(松岡氏)
「能力開発プログラム」によるセミナー形式の座学、自己研鑽を助けるための「電子書籍(技術書)読み放題制度」、「資格取得報奨金」による資格取得補助、OJTでのビジネススキル・開発スキルの習得など、同社では「やる気」のある社員をバックアップする手厚いフォロー体制が創業間もなく構築されているのは驚きである。
「エンジニアは現在42名ですが、これを2020年度末までに55名体制にしたいと思っています。今後、人数が増えるに従ってマネジメントができる人材も必要になっていきます。そのため、これから採用していく人には、幹部候補として活躍してくれることにも期待しています」と松岡氏は語る。まだまだ若い企業であるからこそ、これからの組織を牽引してくれる人材に期待しているとのことだ。
手厚い待遇や福利厚生とともに、さらなる飛躍を目指す
社員が長く安心して働けるように、同社は待遇や福利厚生の充実にも力を入れている。例えば賞与は4月、8月、12月の年3回。4月の賞与は、決算賞与という位置づけではなく、固定された通常のボーナスとして支給しているとのこと。
諸手当も充実させており、「住宅手当は賃貸住宅に住んでいる社員だけでなく、実家暮らしの社員にも支給しています。家族手当についても、扶養家族としてわざわざ届け出る必要がなく、結婚している時点で支給対象にしています」と松岡氏。社員への待遇は手厚く、というのが同社の方針のようだ。
年間休日は125日以上。かつ有給休暇も70%以上の消化を推奨しており、普段から休みが取りやすい環境を作っている。産休・育休制度もあり、昨年は男性のエンジニアが半年間の育児休暇を取得したという。なかでもユニークなのは“裁判員休暇”だ。社員が裁判員に選ばれた場合、有給休暇を使って裁判に参加するのではなく、特別休暇として取得できるよう、あらかじめ制度化されている。
また残業時間についても配慮している。ひとりあたり、月間で45時間を超えることのないよう、誰がどれだけ残業したかが一目で分かるように管理している。「残業が増えている社員には、業務を調整するようメールで通知をします。それでも本人の努力だけでは調整が難しい場合、営業から顧客に働きかけるようにしています」と松岡氏。その甲斐もあり、月間の平均残業時間は20時間未満をキープしているとのことだ。
今のところ、社内にサークルや部活動といったものはないが、サークルができた時のために、“サークル活動支援費”もすでに準備している。それだけでなく、ランチミーティングや食事会、飲み会などがあった時の費用も企業で全額負担しているとのこと。それも二次会、三次会まで負担するというのだから、驚きである。
松岡氏は、「一緒に会社を大きくしていくことに喜びを感じてくれる方、新しい事業を作っていくことに興味がある方、いずれは幹部として活躍したいと考えている方は、当社で力を発揮できると思います」と、今後仲間として迎えたい人材について期待を述べた。
現在、同社はSES事業だけではなく、自社コンテンツの開発にも着手している。将来的には自社コンテンツを日本全国へ展開を図りたいという思いもあるようだ。手厚いバックアップのもと、成長している企業で力を発揮したいエンジニアにとって、同社は理想的な環境かもしれない。