取引先は業界問わず多種多様。高機能の自社サービスであるアンケートツール『smile survey』を強化へ

『smile survey』の自社のプロダクトと受託開発事業を手掛ける、株式会社イング。

同社は客先常駐は行わず、全て自社内での開発としている。今後自社サービスも増やしていくつもりだ。
自社サービス『smile survey』の提供をはじめ、Webシステムの受託開発・保守やWebサイトの制作・運用を手がけている、株式会社イング。
『smile survey』は、2013年10月にリサーチャーやマーケターの声を集めて誕生したアンケートツール。
・エンドユーザーがスマートフォンで回答しやすいUI/UX
・ユーザーの顧客データとの連携
・アウトプットの自由自在なカスタマイズ
・ユーザーのセキュリティ規定に対応させた導入が可能
といった特長が評価され、今では大手企業や官公庁からも直接の問い合わせが増えている。
「当時、マーケティングリサーチ会社などが利用しているアンケートシステムは、機能の要求水準が高く、高価格でカスタマイズも難しいといった性質がありました。
また、スマホに対応するものは存在していなかったのです。一方で、一般的なWebサービス会社が提供しているものは、機能が不十分なものしかありませんでした。
そこで、高水準の機能はそのままに、スマホに特化してユーザーが使いやすいツールというコンセプトで開発しました」と代表取締役の石原礼男氏は説明する。
安定した開発力とデザインから一貫して提案できる強みを活かし、着実に業績を伸ばしている同社。
代理店からのトスアップや、リピートしてくれるクライアント、そしてお客様からの紹介での発注が多く専任の営業職が存在していないのも特色。
今後は自社サービスの『smile survey』が、直接の問い合わせが増えてきていることと、広告展開を含めて、更なる成長を見込んでいる。
そこで、会社が新たな成長フェーズに入ったと捉え、クライアントへのフォロー体制をより強化するとともに、さらなるシェア拡大のため自ら新規クライアントの獲得も増やしていく計画だ。
そのため近々営業部門を発足し、提案からクロージングまでも自社で行えるようにしていく。
WebシステムやWebサイトの受託開発・制作は、客先常駐は行わなず、100%自社内で行っている。
受託開発では、不動産企業の物件管理システムやアパレル企業のカスタマイズオーダーシステムなど規模の大きなものも少なくない。
また、店舗のポイントアプリや研究所の地震予測アプリなども手掛けており、業界を問わずあらゆる業種のシステムやサービスの開発を行っている。
会社としてあらゆる業界業種の知識が蓄積され、汎用性のある提案・開発できるのも強みだ。
さらに最近では、EC関連事業の依頼も多く、ECサイトの制作・管理にも注力していく。
同社は、「受託開発は、収益面や人材育成面で企業として体力をつけることに有効です。そのため今後も引き続き受託開発を続けるつもりです。
それに加えて、実績が好調で大手企業からもダイレクトに問い合わせがくる自社サービス『smile survey』をどんどん伸ばしていきたい」としている。
デザインから開発・制作までを一手に引き受け、広がる開発規模と提案の幅

同社は2015年にWebデザイン会社と合併。社員数が倍増し、デザインのノウハウも手に入れたことから、提案力が更に高まった。

UI・UX面にも力を入れています。ブレストを行いユーザビリティ向上を図ります。
石原氏は、テレビ会議システムベンダーや“着メロ”“着うた”を手がけるベンチャーを経て、2010年にメンバー3名でWebシステム開発会社として株式会社ネクストステップを設立する。
その当初から、コンビニのWebシステムや、ネットリサーチとプロモーションの両機能を兼ね備えたサービスを開発する業務に恵まれた。
「特にネットリサーチとプロモーションの両機能を兼ね備えたサービスは、数万人に対する商品アンケート調査において、商品のランディングページに誘導するといった機能が受けてヒットしていました。
この業務が契機となって、その後、マーケティングリサーチ会社や調査会社の仕事が増え、この領域の知見が溜まっていきました。このことが『smile survey』の開発に繋がっています」
ひと段落したところで、顧客評価などをもとに自らの強みを再確認した。
そこで、開発力とともに顧客への丁寧な対応姿勢や、ユーザーの声に基づいて既存製品・サービスを改善したり、使いやすくカスタマイズすることが得意と確認。
「ゼロからイノベーションを起こすよりも、既存のモノのブラッシュアップやカスタマイズでイノベーションを起こしていこうという方向性が定まりました」と石原氏は振り返る。
同社にとって大きな節目となったのは、2015年にWebデザイン会社の株式会社インサイドテックを吸収合併したこと。同社とは相互補完関係としてよく仕事を依頼し合っていた間柄だった。
「吸収合併とはいえ、新しい気持ちになってやっていこうという意志を込めて、社名を株式会社イングに変更しました。
それぞれ10名弱の会社でしたが、一気に倍増したことにより、以前の規模における壁のようなものを打ち破ることができたと思います。
デザイン機能が社内にできたことで、提案力もアップしました」と石原氏は効用を語る。
制作から開発まで一手に受けられるようになったことで、画面の設計も専門的に行えるようになり提案の幅が広がった。
その結果、開発規模も大きくなり、会社としても大きく成長できた。
今後は、前述のとおり自社サービスを一層強化することに主眼を置いていく。
「マーケティングリサーチ領域に特化して、さらに便利で使いやすいサービスづくりに取り組んでいきます」(石原氏)
業務範囲から働き方までフレキシブルに選べる職場環境
〇同社の企業風土
特長は、「自由度の高い働き方ができる」ところ。まず、オフィスは横浜にあるが、フルリモートワークで働く社員も多い。
コロナ前までは渋谷にもオフィスがあった同社だが、渋谷拠点のスタッフはコロナの影響でほぼフルリモートワークとなった。
ちなみに、オフィスはみなとみらい線「日本大通り」駅直結のビルにあり、雨の日でも濡れずに通勤できる。
フルリモートで働く社員もいる一方で、コミュニケーションやナレッジを共有する場が欲しいという声にも応え、
都内に小さな拠点もしくはコワーキングスペースを借りるなど、好きな時に集まれ、自由に出社できる場所を作ることも予定している。
今後の展望として現在海外籍のエンジニアスタッフが6名在籍していることもあり、「オフショア開発拠点として、ベトナムをはじめ海外にオフィスを設けることも検討していく」と石原氏は言う。
強化する自社サービス開発の受け皿とする狙いだ。
〇キャリアステップ
会社としても人材育成に力を入れており、そのために受託開発を手がけることも挙げられるが、社外のセミナーやハッカソンへの参加を促すなど社外交流の機会を増やしている。
外部セミナーについては、AWSについて学んでいるスタッフや参加希望のセミナーがあれば、参加を後押している。
参加費用は会社が負担し、業務や自身のキャリアへ還元してくれればいいという考えだ。
「社内にいるばかりでは閉塞感にも繋がり、幅が広がりません。積極的に他社の人と交わることで刺激を得ることは重要だと思っています」(石原氏)と、
会社としてスタッフのキャリアアップへの投資は惜しまない方針であり、新しい知識や技術を積極的に学ぼうとする姿勢を求めていくつもりだ。
また、社内勉強会を社員主催で開催し、得意分野を持ち回りでアウトプットする機会も設けている。
また、新しい働き方を模索するスタッフも増えてきている。
都心から郊外へ居を移し、オフィスへ出社することなくフルリモートワークへ切り替え、家族との時間などワークライフバランスを重視する働き方だ。
会社としてもリモートワークを早くから推進しており、今後も当人にあった働き方をバックアップしていく。
前述した通り、新たな成長フェーズに入ったことで、「成長意欲の強い方にぜひアクセスしていただきたいと願っています」と石原氏は呼びかける。
現在も中途入社し、定着しているメンバーが多い。中途入社のメンバーたちは、自分で裁量を持って仕事を進められるのがイングのいいところと声を揃える。
社内のキャリアプランは、メンバー→リーダー→部長→経営層で、役員になったスタッフはメンバーから4年ほどでステップアップした。
おもしろい仕事がしたい、という職人気質のエンジニアも多い社風だが、業務の幅を狭めず仕事したい、今後はキャリアを積み上げていきたい。という上昇思考のある人材も今後は積極的に採用していきたいとしている。
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