株式会社イロコト

エンターテインメント領域を中心としたWeb制作＆マーケティング会社の、株式会社イロコト。

大手のゲーム･アニメなどのエンタメ企業との直接取引が90％というのが特徴的だ。直接取引のため様々な企画や運用など幅広いプロジェクトを手掛けている。

主要顧客は、次のとおり。
ブシロード、エイベックス、ポニーキャニオン、カドカワ、ドワンゴ、WFS、 東映アニメーション、フリュー、円谷プロ、エーザイ、ワーナー、バンダイビジュアル、DeNA、ムービック、ガンホー、日本卓球、等。

「例えば、円谷プロ様とは主演声優さんのインタビューの様子をムービー・スチールで撮影し、その内容をWebサイトでコンテンツ化しネット広告展開も行う、といったプロジェクトなどをトータルに提案・制作しました。もちろんWebサイトやLPの制作を単体で受託する場合もありますが、こうしたプロジェクト単位で企画からプロモーションまでを行うという依頼は年々増えています。」と代表取締役の穂刈 謙亮（ほかり・けんすけ）氏は説明する。

エンタメといっても、アニメ・ゲームなどの領域に留まらず、オンラインライブ向けのキャンペーンや大手飲料水メーカーとのコラボ案件など、手掛ける案件の幅は広い。「大手クライアント様に恵まれていることもあり、上流から幅広くWeb制作だけにとどまらないお仕事をできる面白さがあると自負しています」。（穂刈氏）

さらに同社では、自社サービスの開発にも今後は力を入れていくという。「すでにカードメーカーや診断サービスなど単なるWeb制作だけということではないエンタメ系の自社サービス展開はさらに強化しています。」と穂刈氏は意気込む。しかし、そのためにはマンパワー不足であるのが正直なところ。

「大変ありがたいことなのですが、大手エンタメ系企業中心に案件の依頼が増えており、自社サービスをはじめとして弊社発の企画案件のスピードが中々上げられていません。今回募集するデザイナーが入社して活躍くれることで、より新しいフェーズに会社が進んでいけると思っています！」と穂刈氏は呼びかける。

穂刈氏は、大学卒業後にWebデザイナーとしてサイバーエージェントに入社。その後、セプテーニでWebプロデューサー、そしてドワンゴでプロモーション担当に携わった後、独立し2013年7月にイロコトを創業し、今期で設立10周年目を迎えている。これまでについて、次のように説明する。

「当社の理念は、『目の前のステークホルダーの幸せに、クリエイティブで貢献しつづける』というものです。目の前のステークホルダーとは、社員やお客様。大手企業を中心に働いてきて、必ずしも目の前のステークホルダーの幸せが優先されているとはいえない状況を、たくさん見てきました。

例えば、業績目標の達成が絶対だという風土が強くあるために、やる意義の低い無茶な要望に対応せざるをえなくなり心を空しくする、といったことなどです。ムダと感じる会議や社内イベントも多くあるように思えました。いいモノをつくる上で重要な社員のコンディションよりも、企業利益を追求しがちな点も引っかかっていました。

会社のために働いて体や神経をすり減らしたり、やりたくもない仕事を嫌々やる、生活のために仕方なくやる、といった不幸な状況を少しでも無くしたいと思いました。ですから、組織のしがらみにとらわれることなく、真に“いいモノをつくる”ことに専念できる環境を求めた結果、起業しか選択肢が無くなってしまったというのが正直なところです」

エンタメ界に繋がりが多かった穂刈氏は、そのエンタメ業務を手掛ける姿勢が評価され、紹介が繋がって仕事が増えていったという。
「当社はプロジェクトの目的を理解して、言われたことをただやることなく、常に提案をして良いサービスを提供することを心がけてきました。また、Web制作をただ言われた通りにやるのではなく、企画や提案を多くしていく姿勢を評価して頂いてきたのだと思います」。（穂刈氏）

創業から10年の間、増収増益の成長が続いている。今後もこのスタンスは守りながらも、いたずらに規模の拡大は求めない方針だ。「あくまでもメンバー一人ひとりが納得して仕事をし、活躍し、成長していけることを最優先していきたいと思っています。その結果として規模がより大きくなっていければよいですね」。（穂刈氏）

以上の内容からも想像できるとおり、同社の風土は“自由”の一言だ。
「規則や定期的な会議などは、あえてなるべく設けないようにしている」と穂刈氏。勤務時間や勤務場所も、穂刈氏はじめメンバーまで事前共有すれば原則自由である。メンバーとの間には信頼関係が構築されており、成果を出せる人が必要以上に規則に縛られる必要は無いという考え方だ。

「例えば、『今日は半日カフェで仕事します』も『今日は雪で電車が動かなそうなので自宅で仕事します』もOKです。重要な納期と利益さえ守れば、プロセスや方法はほぼ本人に任せています」。（穂刈氏）

なお、タスク管理はBacklog、スケジュール管理はサイボウズ、細かい連絡にはSlackを活用している。メンバーの要望にもできるだけ応え、PCやディスプレイなど業務に必要なものは、基本的に本人の意向に沿ったものを支給している。

特筆すべきは、決算賞与。会社としての業績目標を達成すれば、それを上回る部分はメンバーに還元している。
「メンバーの頑張りの賜物ですから、当然だと思います。励みにもなると思います」。（穂刈氏）

親睦を図る社員旅行や会社主導のイベントなどは行わない。
「メンバーの仲は良いのでたまに飲みにいくくらいでいいかなと（笑）それより、自分の好きなライブに行くとか、友だちと会うとか、旅行に行くとか、自分の好きなことに時間を費やしてほしいと思っています。」
そう話す穂刈氏自身、音楽が好きでスタイリッシュなオフィスにはギターがインテリアとして飾られている。

そんな同社が求める人材は「Webデザインが好きな人」と穂刈氏。
「Webデザインが好きな人であれば、最新のトレンドなども積極的に提案していけると思いますし、それが結果として利益に直結するという考えです。当社は、そんなデザイナーが活躍できる場だと思いますし、その人のための環境整備は重点的に取り組んでいきたい考えています。」と結んだ。