コールセンターによるハイタッチなコンサルティングが強み
薄毛や体臭などのコンプレックスを抱えている人のために、ヘアケア/ボディケア商品を提供している株式会社ソーシャルテック。自社ECサイトやショッピングモールを通じて顧客を会員化、自社コールセンターでハイタッチなコンサルティングを行い、顧客満足度を高めているところが同社の大きな強みだ。
同社の商品ラインナップには、薄毛対策・薄毛予防のための「CHAP UP(チャップアップ)」シリーズとして、医薬部外品「CHAP UP育毛剤」、栄養機能食品「CHAP UPサプリメント」、「チャップアップシャンプー」、「チャップアップトリートメント」、「チャップアップヘアオイル」、およびニオイケアのための「CLEANEO(クリアネオ)」シリーズとして、「CLEANEOデオドラントクリーム」、「CLEANEOボディソープ」、「CLEANEO-Pearl- パールボディソープ」、「CLEANEO衣類消臭スプレー」などが揃っている。いずれも植物成分・オーガニック成分を独自に配合したオリジナル製品だ。
「薄毛ケアの場合は、頭皮環境をとことん改善し、毛髪が生える土壌を整える成分をバランスよく配合しています。これを予防の段階からお使いいただくことで、コンプレックスを改善すると共に、薄毛人口を減らしていきたいと考えています」と執行役員専務の秋山 大介氏は力を込める。
同社の強みは、これらの商品だけではない。顧客と接するコールセンターを自社内に設けていること。そして、公益社団法人日本毛髪科学協会の運営する「毛髪診断士」の有資格者も多数在籍。毛髪に関する顧客の悩みに専門知識で的確にアドバイスしているのだ。また、日本スキンケア協会の運営する「スキンケアアドバイザー」の有資格者もおり、体臭についての相談にも応じることができる。
「相談をしにクリニックに行くのは敷居が高いと感じる方も、電話ならば相談しやすいと思います。そんなお客様に寄り添い、お悩みに的確に対応できるところが支持されている大きな要因だと思います」と秋山氏は胸を張る。
また、コールセンターは顧客ニーズを常にキャッチする最前線でもある。これにより、ボトルに取り付けるノズルの形状をさらに使いやすくする改善などに結び付けている。
規模の大きいデータベースシステムを新たに構築、業務拡大に備える
2012年10月、育毛剤の販売からスタートした同社。
“育毛剤=薄毛”というイメージが強く、商品に手を伸ばすことが恥ずかしいというコンプレックスを抱えている人に対して、そんな思いを払拭してもらおうと考えたことが創業の原点となった。その後、体臭、口臭コンプレックスにも領域を広げる。
「コンプレックスを払拭してもらうためには、育毛剤などを当たり前のものとするために、潜在需要を掘り起こして市場を広げることが第一です。そのために、マーケティング戦略として知名度の高い人気キャラクターとのコラボ企画を打ち出すなどして認知度の向上を図っています。また、今後もさらに他社製品との差別化を図ったさまざまな戦略を打ち出し、この分野のトップブランドを目指していきたいと考えています」(秋山氏)
今後は、同社の強みである顧客に徹底して寄り添うスタイルを軸としてぶらさずに、その他の領域にもブランドを広げていくという。
「すでに新しいブランドの準備に入っています。より広いマーケットを求めてチャレンジしていきたいですね」と秋山氏。
メンバーが意見を言える風土や、原則定時退社など社員の健康への配慮が特長
同社の風土づくりのポイントについて、秋山氏は次のように説明する。
「社内が多少混乱するほど、メンバーが意見を言える風土を意識的につくっています。ボトムアップの意見が出ることで、会社を良くしていく施策に気付くことができるからです。コールセンターはお客様の小さな声も大切にしていますが、それと同じですね」
コールセンター、営業、制作、システム、広告マーケティングなどのチームに分かれ、それぞれにKPIを設定し各チームが主体的に業務に取り組んでいる。そして、チャレンジ意欲があり、学習する姿勢もある人材には、入社年次に関係なく仕事を任せるという。商品企画は経営層が中心になって行っているが、社員も関わることができる。香りや使用感、ボトルデザインなどについて、社員がユーザーの視点で意見をぶつけているという。
「当社はまだ新しい会社。アットホームな雰囲気の中で、会社づくりの面白さが体感できると思います」(秋山氏)
2019年7月現在、同社の社員数は87名で、男性と女性の割合は約五分五分。「とても明るくて活気ある雰囲気」と秋山氏。3カ月ごとに全社の食事会が行われているほか、BBQ大会や社員旅行もある。
人々の美と健康に貢献する商品を取り扱う同社だけに、社員の健康にも気を配っており、労働時間について言うと、原則定時退社をベースにしている。
「システムの導入直前など社員が出社する前、もしくは退社した後にしか作業できない業務は、早帰りや遅出で対応することもできる。システムや制作のメンバーで、本当に“残業0”という人もいます」
タスクはチャットで依頼することで、日付順にタスクをソートし優先順位をつけやすくするなどツールを活用しての業務効率化も工夫している。そのほか、社内ジムなどの設備や「プチ社食サービス」の導入、社員割引などの制度も充実させている。
同社が求める人材像について、秋山氏は次のように話す。
「まだまだ成長途中の会社なので、型にはまらず、いろいろなことにチャレンジしていきたいという方がいいですね。」
若い会社ながら、しっかりした商品とビジネススタイルを持つ同社。一体感のある風土で、思い切り仕事ができるに違いない。