自動車、トラック、オートバイ、船、耕運機など、エンジンは動力源として様々な分野で使われている。このエンジンの性能を左右するキーパーツがピストンリングである。<br />リケンは、ピストンリングのマーケットで、国内 50%、世界 20%のシェアを誇る。普通車はもちろんトラックやバスを含めて日本国内を走るクルマの2台に1台、世界中のクルマの5台に1台にリケンのリングが使われている計算になる。驚異的な数字だ。歴史と信頼、リケンは最先端の技術で、現代社会に欠くことのできないクルマの心臓部を支えているのである。近年はハイブリッド車向けや低燃費の小型車向けのピストンリングも多く手がけ、環境にやさしいクルマの開発にも貢献している。<br /><br />リケンの歴史は、日本の技術革新の歴史といっても過言ではない。1926年、理化学研究所の大河内研究室で「ピストンリング」の製造法が発明され、各国の特許を取得。この発明を事業化する目的で、翌1927年に設立された「理化学興業(株)」がリケンの前身である。現代でいえば、「研究所から生まれたベンチャー企業」である。<br /><br />現在、リケンは、特定のカーメーカーの資本系列に属さない独立系のメーカーとして、ピストンリングのほかにカムシャフト、シールリングやエンジンの動弁部品など様々な自動車関連部品を、国内のカーメーカーのみならず広く海外のカーメーカーにも納入している。シールリングの国内シェアはピストンリングのそれをも上回り、何と80%を占める。<br />また、自動車関連部品以外でも、電波暗室を始めとするEMC関連製品などで市場から高い評価を得ている。