50,000を超える建設プロジェクトで使用されている国内最大級の建設SaaS
「建設の世界を限りなくスマートにする」という事業ミッションを掲げ、建設特化SaaS「Photoruction(フォトラクション)」を主力サービスとし、建設業向けに様々な事業展開を見せている株式会社フォトラクション。サービスリリースからわずか2年で、使用している建設プロジェクトは国内50,000件を超えた。業界でも注目が集まる急成長中の建設Techスタートアップだ。
Photoructionは建設業向けの写真共有アプリとしてスタート。工事現場では進捗管理のために、技術者がデジカメで大量に写真を撮影する。事務所に戻るとパソコンに写真をインポートして書類にまとめるという作業をしていた。しかも、写真を撮影するときは黒板に何の工事であるのか記録を取る必要があり大きな手間となっていた。そこに目をつけた同社は黒板をデジタルにして、クラウドに写真を送るだけで書類作成まで自動で出来るアプリを開発。工事現場でのテストを入念に繰り返した結果、リリース前に東証1部の建設業に正式導入されるなど躍進を見せた。
リリース後は写真を皮切りに業界の課題を解決する機能を次々と実装していく。例えば、図面機能はかさ張る大量の設計図面を現場で持ち運ぶのが大変かつ、変更があってもリアルタイムに共有できず機会損失が発生していた問題を解決した。タスク機能は誰が何処で何をするのかを効率良く管理できるようにすることで技術者の日々の働き方を変えた。工程機能は大規模建築を建てる上で煩雑になりがちであった工程管理がシンプルになりプロジェクト全体の生産性が向上した。代表取締役CEOの中島は次のように語る。
「Photoructionは最終的には建設業が求めるオールインワンソリューションになることを目指しています。これ一つ入れれば全ての課題が解決し産業がより豊かになる。これまで3K(きつい・きたない・きけん)の代名詞と思われてきた建設業のイメージを、テクノロジーの力を用いてスマートに働いていると思われる世界を作っていきたい。難しい挑戦ではあるし、まだまだ実力が伴ってないことも認識しているが、50,000を超える利用実績の中で実現できるという確固たる自信ができた。」
2019年に入ってからはPhotoructionのリリース当時から研究開発してきたAIサービス「aoz cloud(アオズクラウド)」も急成長を遂げている。Photoructionに蓄積したデータをディープラーニングで解析して、業務のオートメーション化を図る同プロジェクトは、これまで不可能とされてきた建物の自動積算や自動施工などを可能とする光が見えてきている。パートナーとして建設関連企業や大学と共同で研究開発することで、未来の建設業を創出することを目指している。
今後もSaaSを成長させるとともに、先進的な事業展開を図ることで建設Techスタートアップの代表格として業界内のプレゼンスはますます高まっていくだろう。
業界知見に裏付けられた開発力とサポート力を合せ持つビジョナリーなチームが強み
創業者の中島は、スーパーゼネコンと呼ばれる世界を代表する建設業での就業経験をもとに同社を2016年に設立。ゼネコン時代は工事現場の生産性向上のため、ITをどのように活用していくか戦略の立案からソフトウェアの企画、開発、展開までを担っていました。その過程でまだまだテクノロジーで解決できる部分が多いこと、そして既存のソフトウェアでも解決できていない問題が多いことに着目し、2016年に建設生産のプラットフォームを目指してCONCORE’S(現:フォトラクション)を設立。
「建設業は地球最大のものづくりと見ることもできます。他のものづくり産業では生産過程にITが活用されオートメーション化が進んでいる事例が多くなってきています。しかし建設業は全て一品生産かつ職人によるハンドメイドという生産の再現性がなくITの活用が難しい条件下ということもあり、なかなか活用が進んでいませんでした。IT業界は建築のことを知らない、一方で建設業界もITのことを知らない。お互いがどう歩み寄れば良いのかわからないという状況もありました。ITのことも知っていて建設業も経験した自分であれば何か出来ることがあるはず。そこにビジネスチャンスもあるはずと思い起業しました」と中島は語る。
その想いに賛同するように業界のビッグネームが次々と加入していく。創業当時から技術アドバイザーを勤めている志手一哉氏は20年以上のスーパーゼネコンでの経験を持ち、現在は建築学科の教授を勤める傍ら、数多くの業界団体の理事も務めている建設生産分野のプロフェッショナルだ。さらに2017年には国内屈指のエンジニアでもありモバツイの開発者、現BASE社CTOでもある藤川真一(えふしん)氏が技術顧問に就任。同年に著名VCから1億円の資金調達にも成功する。調達した資金はチームに投資した。
現在パートタイムなども入れると20名を超えるチームとなったフォトラクション。業界知見をフルに活かした開発力はもちろん、顧客の成功に全力でコミットできる強いCS(カスタマーサクセス)も強みだ。元大手ハウスメーカーのトップ営業でありゼネコンで施工管理も経験したことのあるCSリーダーの野崎は次のように語る
「私たちが目指す顧客成功はプロダクトの価値を正確にユーザー様へ伝え一緒に成功する、いわゆるプロセスを見せて納得してもらうことに力を入れています。例えば現場の業務フローに合わせたマニュアルを作成し、操作説明会を行う事で実務をイメージしやすくオンボーディングがしやすくなります。また、定量的なレポートを月次で出し、アクティブ率を可視化して費用対効果を測りながら、更に効果を出す戦略を練るといったことも実施しています。人の手が加わったサポートとデータを駆使した提案により、高アクティブ率の維持を出来るからこそ生産データが蓄積し、将来の工事に活用をしやすい環境を創るノウハウを溜めることが出来ています。」
同社のチーム投資への姿勢は部署の名前にも表れている。例えばバックオフィスは管理部という名称にする会社が多いが、同社ではコーポレートデザイン部という名前にしている。これは「ルールを作って会社のメンバーを管理したいわけではない。会社の制度設計や運営は、働くヒトの体験をより良いものとし、目的である会社の成長を達成するプロセスそのものであり、それをデザインしていきたい」という想いが込められている。
事業の急成長はまさに一貫したチーム投資の結果でもあり、今後さらに同社の競争力の源泉になっていくであろう。
設計・施工の機能を持たない世界一の建設会社
フォトラクションは主力事業である建設SaaS「Photoruction」にほぼ全てのリソースを集中させているが、特徴的なのはSaaSを中心に他企業と組むことで新規事業を次々に展開しているところだ。
例えば2018年にはDropbox Japan株式会社との共同ソリューション開発およびマーケティングを発表した。建設業では一般的にNASと呼ばれる小型のストレージサーバーを置き、事務所内で共有していたが設備投資や故障、盗難など数多くのリスクが常につきまとっていた。そこで汎用ストレージサービスであるDropboxをPhotoructionに組み込むことで、ワンセットで建設業のICT基盤を構築できるソリューションとなった。
2019年にはあいおいニッセイ同和損保株式会社と協業を発表。図面や写真など建物のコアデータを扱う建設業は、どうしてもオーナーからセキュリティを心配される場面が多かった。そこでPhotoructionの操作ミスなどによって情報漏洩しておきた訴訟問題を解決してくれるPhotoructionオリジナル保険を開発した。世界的に見ても類を見ないSaaS付帯保険は業界内でも大きな話題となった。
建設市場は単体で見てもGDPの10%である50兆円、就業する人も500万人近くいる超巨大産業である。一方で生産性は他産業と比べて極めて低い数値であり、長年進化していない現状もある。米国では既にこの巨大産業を変革しようと数多くスタートアップが出現している。建設SaaSだけで既に2社もユニコーン(時価総額1000億超えの未上場企業)が出ている。同社はまずは国内でこの市場を開拓した後に世界進出を狙っている。
「私たちはPhotoructionを建設物を建てるための新しいテクノロジーに昇華させていきたいと考えています。建設産業で起きた最後の革命は実はコンクリートやガラスで、産業革命によって工業生産された材料で建てられるようになったことで大幅に生産力が向上し産業が大きく発展しました。今ではコンクリートやガラスを使ってない建物を探す方が大変だと思います。Photoructionも情報革命時代に必須な材料となることを目指していますし、企業体としても「建てる」ための協力会社として機能していきたいと考えています。「建てる」ために必要なデータが集まる箱として提供し、よりリアルに影響を与えるところはデータ連携含めて、他の企業様と一緒に進めていってます。」と代表の中島は語る。
Technology × "建設" 領域はまだまだ未開拓の部分が多い。開発することもまだまだ沢山あるし、ビジネスを楽しみたい人にとっては非常にやりがいのある分野である。強いチームで一丸となってチャレンジしたい人にとっては最適な環境が用意されているのではないだろうか。
株式会社 フォトラクション(旧社名:CONCORE'S 株式会社)の社員の声

20代後半
2019年10月入社
良くも悪くもまだまだ足りないものだらけなので、何もないところか...続きを読む

30代前半
2019年01月入社
Photoruction...続きを読む

20代後半
2019年05月入社