業界に特化型し、「その道のプロフェッショナル」としてITサービスを提供!
ネットワーク機器に関する特許を取得し、パソコン通信事業からキャリアをスタートさせたアイティシージャパン株式会社。「ITというものの可能性に魅了されている」と、代表取締役社長の松田 健太郎氏が語るが、創業以来30年以上に渡って「新時代のITを創造する」というスローガンのもと、事業を展開してきた。
同社の事業の3本柱は、SI事業、SaaS事業、BPO事業だ。
SI事業は業界特化型で、「航空」「鉄道」「旅行」「公共事業(NGO・NPO)」といった業界で強みを発揮している。競合が少ない分野が多く、長い経験とそこで培った知識・ノウハウで多くの大企業と直接取り引きを行っている。創業時から取り組んでいるのが航空や鉄道業界関連で、日本初の商業パソコン通信サービスの採用から現在に至るまで長年のお取引をいただいている。
SI事業から派生して成長中なのがBPO事業。アウトソーシングのスペシャリストとして、客先の業務分析から新しい業務モデルを設計するBPRソリューションや、データソリューション、バックアップソリューション、コールセンターソリューションなどを幅広く展開している。
そして最近特に好調なのが、自社サービス事業だ。これまでSI事業やBPO事業で培ったノウハウを元に、パッケージサービスを独自開発。一つの主要な柱となっている。また、航空や鉄道、旅行といった分野の強みを活かした業務管理システムなども好評を得ている。
「当社には営業部がありません。『航空ソリューション部』『NGOソリューション部』といったような業界に特化した部門を作り、その中に営業から企画・提案、設計・開発・運用、運営サポートなどを設置しています」(松田氏)
このように業界のプロフェッショナルとして対応することで、より専門的なソリューションをいち早く提供することが可能となっている。また、「あちこちに営業して仕事をとってくるのではなく、目の前の仕事を最良のものにするために全力投球し、結果お客様に紹介していただけたらそっちの方がいい」という松田氏自身の強いこだわりもある。
「弊社は、言われたことをただやるSIerではないんです。要件定義はヒアリングではなく、こちらが提案する場だと思っているくらいですから。お客様にとって本当に必要なものを考え、しっかり作ろうという気持ちでやっています。全てを大手企業と直接取り引きしていますし、同業者の仕事も一切やりません。直接取り引きの中でシステムをワンセット丸ごとやらせていただけるのであれば、全力でやらせてもらいます、というスタンスです」(松田氏)
自分自身で仕事が創造できるエンジニアを育てたい!
今後の事業展開としては、自社サービスの充実を考えているという。現在、主力事業として成長中なのが、SI事業のノウハウを活かした自社サービスだ。
「我々はITというものの可能性に魅了されているんです。自分たちの技術を使って、今得意としている業界のお客様のためにもっともっと役立つものを提供していきたい。それが自社サービスに対する一つ目の思いです。もう一つは、やっぱり社員のみんなには自分自身で仕事が創造できるエンジニアになってほしいんです。そのためにはSIだけやっていてはダメだと思っています」(松田氏)
そこには、エンジニア自身がクライアントの声を聞き、マーケットの動向を肌で感じて、ITサービスに循環していける、そんな環境をもっともっと作っていきたいという松田氏の熱い思いが込められている。
「長時間働いたからいっぱいお金がもらえる、という考え方が嫌いなんです。ひと月何時間働いたからいくらかかったみたいなエンジニア派遣にありがちな発想も嫌。大事なのは、その時間を使ってどんなものを作るかでしょう?だから、私の思いとしては、プログラマが主役になれる会社にしていきたい、そんなふうに思っているんです」(松田氏)
コードを書いたりテストをしたりといっただけでなく、早い段階で実際にお客様のところに行って話を聞き、自ら提案させる。「自分の頭で考えさせたい」と松田氏は繰り返すが、仕様書の通りにただ作るのではなく、仕様書どころか要件から疑ってかかるような、お客様の声を現場レベルで反映した、本当に必要だと思われるものを自ら考えて作ってほしい。それが松田氏の強い思いだ。
「そのためには、お客様としっかり話をして、温度感を感じ取っていなければ無理ですよね。プログラマが出すアイデアは品質に直結しますから、ここは本当に大事なところなんです。プログラマが一つの仕事を俯瞰してみられるような、そんな環境を作っていきたい。だから、試用期間中であっても、必要だと思ったらお客様のところに行ってもらおうと思っています。」
来たれ!自分が主役になって、仕事を楽しめる人!
中途採用が中心の同社では、スキルを積んだ若手社員が多数活躍中だ。平均年齢は33歳で、男性6に対して女性4というバランスで、現在は約50名の社員が心を一つに切磋琢磨している。社員の定着率は90%を超えている。
社員同士の交流の場となっているのが、充実したレクリエーションだ。毎年秋に実施される社員旅行、夏にはバーベキュー大会や屋形船などのイベントが社員によって計画されていて、高い参加率を誇っている。納会や忘年会といった全社行事に加え、新しいメンバーが入れば歓迎会も行われたり、社長と若手社員が交流するランチ会などの実施もある。
「一緒に仕事をしている仲間だから、たまには一緒においしいものを食べようよと。実はあまり深く考えてはいないのですが、私自身もみんなと話をしたいですからね。事業部ごとの組織になっているので、横のつながりが少なくなりがちなので、組織を横断したような交流がもっとできればいいなと、そこは考えています」(松田氏)
研修制度については、ビジネスセミナーやテクニカルセミナーなどの社内研修のほか、外部研修も充実している。最近は個別研修に力を入れていて、特定の担当者が特定の技術・知識が必要となった場合に、申請があれば個別に好きな研修を受けられるといった環境を整えている。「資格取得を推奨している感じではないですが、この仕事は常に勉強ですからね」と松田氏。
求める人物像を一言で表現すると、「自分が主役になって楽しもうと思える人」。いろいろなことに興味を持ち、仕事を楽しめることが大事だと松田氏は語る。
「システム開発の仕事はどんな仕事であっても大変なことが多いでしょう。だからこそ、どうせ大変な思いをしてやるのであれば『これは成長に直結する』と言える仕事に集中できた方がいいと思うんです。大手企業様と仕事をしているのも、やっぱり求められるハードルが高いことが多いからで、大変な分、ものすごく勉強になるんです。自分で考えて提案したものがかたちになり、それで成果が出たら、高いスキルを習得できると思いますよ。社員の皆には、そういう仕事をしてもらいたいんです」(松田氏)