株式会社ゲットイット

ゲットイットは国内外のコンピュータ機器メーカーのサポートサービス提供が終了したITハードウェア（サーバやネットワーク機器等）に対しての保守や修理、販売、買取り、レンタル、データ消去といった総合的なサービスを行っている会社です。

代表の廣田氏がゲットイットを起業したのは、東海大学の学生だった20歳の時。
たった2畳、天井高1mという屋根裏部屋で社員1名からスタートしました。
当初は、Webサイトを利用した中古パソコンの販売が主なビジネスでしたが、徐々に対象となる機器を広げていき、海外輸出業務も開始しました。
事業規模と利益の拡大を目標に、攻めの姿勢で経営に取り組んできました。

順調に成長を続けていたゲットイットだが、代表の廣田氏にとって転機と言える出来事がありました。
2008年の冬、手にとった本の内容に雷で打たれたような衝撃を受けたといいます。
それは、「企業にとって一番大切な事。それは、そこで働く社員とその家族の幸せです」という一節でした。
当時は利益を追及する中で、共に働く社員から様々な不満の声が上がっていました。

何のために働いてるのだろうと悩んでいた廣田氏の心を、その言葉はまっすぐに貫きました。
この時をきっかけに、「社員にとってどうしたら会社がもっと楽しくなるのか」といったことを改めて考え直し、実現の為の挑戦を開始したのです。
顧客の為、利益の為、社会の為という姿勢で経営を行う社長は多いです。
しかし、それだけでなく、自分を含めて社員全員が「ゲットイットで働けて良かった。」
そう思える会社にしたい。

廣田氏は、真剣に考えます。
ゲットイットの企業ホームページには、代表廣田氏の挨拶だけでなく、「社員挨拶」というページも用意されています。
ここに、経営層と従業員という関係ではなく、社員は共にゴールを目指すチームの一員だという意識が表れているのです。

起業の経緯や代表廣田氏の思いを前項で紹介しました。
続いてここでは、ゲットイットが手掛ける事業を具体的に見ていきます。

ゲットイットが対象とするのは、メーカーのサポートサービス期間が終了したサーバやネットワーク機器といったITハードウェアです。
通常、コンピュータや関連機器のメーカーは、自社製品にサポートサービスを付随して出荷します。
しかし、そのサポート期限が終了すれば、以降その製品に関連して発生した不具合には対応してもらうことはできません。
つまり、メーカー側は問い合わせ、保守、修理、部品交換、内蔵ソフトウェアの修正版提供などを一切行わないのです。

しかし、ゲットイットではそれらの製品に対しての顧客からの問い合わせに対応します。
顧客が抱える課題は様々です。
例えば、リプレイスする予算がない、またリプレイスの必要性を感じない、既存のシステムを使い続けたい、メーカー修理が高額で迷っている等々。
ゲットイットでは、20年に及ぶITハードウェアの取り扱い実績と経験を活かし、迅速な対応を実現します。
また、保守サポートだけでなく、移設や撤去、不要になったITハードウェアの買取り、それに伴うハードディスクのデータ消去等にも柔軟に対応しています。

中でも不要になったITハードウェアの買取サービスでは、他社よりも高価格の買取金額を提示することもあり、利用企業から好評を得ています。
これは、ゲットイットが持つ「買取商品を直接次のエンドユーザに販売する」というビジネスモデルがあること、パーツ一つ一つを丁寧に適正価格で査定できる為に可能となっています。
この事業は、ゲットイットの優位性のひとつでしょう。

このように、ITハードウェア事業で、国内はもとより欧米やアジア、南米など世界各国を相手にビジネスを展開しています。
今後ますます業界も伸びていくし、ゲットイットの事業も拡大していきます。

常に社員とその家族の幸せを考える代表の社長の廣田。
良いと思ったことは即実行に移し、変化することを厭わない性格です。
20年間成長し続けてきたのは、目的は変えずに手段を変えて会社の活性化と顧客への価値向上にアプローチしてきたからです。
過去の成功体験に捉われない柔軟な発想は、ゲットイットの持ち味と言えるでしょう。

そんな柔軟さは、社員構成にも表れている。
109名いる社員の平均年齢は37歳と普通です。
しかし、最年少で22歳、最年長は72歳と非常に年齢幅が広いのです。
外国籍の社員もいます。
また、重度の障がい者も雇用しています。
中国四川とドイツに駐在所を持ち、現地で働く社員もいます。
性別、年齢、国籍、障がい者といったあらゆる垣根を超えてチームを組んでいるのです。

「できない」ことに挑戦するというポリシーを持つゲットイットらしいエピソードをひとつ紹介します。
ドイツの方と結婚し、移住することになった社員がいました。
しかし、ゲットイットでの仕事にやりがいを持っていたその社員はどうしても辞めたくないという、実に難しい課題でした。
しかし、廣田を筆頭に社内で検討を重ねた結果、ドイツで働く方法を作り出しました。
その社員は今でもドイツから仕事に参加して活躍しています。

また、障がい者の雇用においても熱意を示しています。
廣田は知的障がい者雇用に積極的なある企業の存在を知り、感銘を受けました。
更に同時期、自身に子供を授かって「もしも、自分の子供に障がいがあったら・・・」と考えました。
この2つの理由から、障がい者雇用に踏み切ったのです。
その社員は、とても勤勉で真面目で、今ではゲットイットの大事な戦力だとにこやかに語ります。

オフィスの雰囲気も実に明るいです。
来客や訪問が主業務のメンバーはスーツを着ているが、そうでない社員はカジュアルな私服姿です。
社内には業務用のコーヒーメーカーがあり、豆を挽いて淹れ、好きなだけ飲んで良いのです。
リラックスした雰囲気の中で、自主的に仕事に取り組み、社員はお互いのやり方や考えを尊重して、チームとして日々業務を行っているのです。