「すべての端末でオンラインゲームが遊べる」時代のトップランナー
『剣と魔法のログレス いにしえの女神』などのオンラインゲームの企画・プロデュース・開発・運営を手がける、株式会社Aiming。
これから本格化する「すべての端末でオンラインゲームが遊べる」時代において、コアメンバーに十数年のオンラインゲーム経験をもつプロフェッショナルが集結した、トップランナーである。
同社は2011年5月、代表取締役社長の椎葉忠志氏が創業した。椎葉氏は、1997年に家庭用ゲームメーカーのテクモ株式会社(現・株式会社コーエーテクモゲームス)でゲーム業界でのキャリアをスタート。2003年に株式会社ゲームオンに転じ、常務取締役として『REDSTONE』などのMMORPG(Massively Multiplayer Online Roleplaying Game)の開発や運営に携わる。その後、2008年に独立してONE-UP株式会社(現・株式会社ジー・モード)を創業。同社では、『ブラウザ三国志』や『戦国IXA』、『英雄クエスト』という、日本では極めて数が少ないMMORPGを開発しヒットさせる。
そして2011年、投資家から15億円を調達して大きな話題を集め、Aimingを設立する。ONE-UPに在籍していたメンバー120名を引き連れての創業であった。その動機について、椎葉氏は次のように言う。
「スマートフォンが爆発的に普及し始め、これからスマホ上で遊ぶリッチなオンラインゲームの時代が来ると確信できました。この大きな波にいち早く乗るには、自らがオーナーシップを取って主導できる環境が必要だと考えたのです」
以来、2015年7月までにMMORPG を中心に10本のタイトルをリリース。中でも、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』は、星の数ほどあるスマートフォン向けのゲームの中、一時期はApple Storeの売り上げランキングで1位を獲得。
2017年11月には『CARAVANSTORIES』をリリース。美麗なグラフィックをスマホだけでなく、PCやテレビの大画面で操作できるようPS4でもプレイできる。
最近のヒットはなんといっても『ドラゴンクエストタクト』だろう。
シュミレーションゲームアプリで一時期Apple storeの売り上げランキングで1位を獲得。現在でもランキング上位をキープしている。
PC、家庭用ゲーム、ガラケー、そしてスマートフォン。いま、あらゆるデバイスがインターネットと接続し、オンラインゲームが楽しめる時代が到来した。「しかし、当社ほどMMOやMOを得意とするゲーム会社はほかにはないと自負している」と椎葉氏は胸を張る。今、最も注目すべきゲーム会社といえるだろう。
コンソールゲームやWebゲームの開発技術に加え、リアルタイム通信技術をも有する強み
では、Aimingのアドバンテージの根源である技術的な強みとは、どういったものか。
左図を参照していただきたい。
日本のゲーム業界は、大きくコンソールゲーム由来の会社とWebゲーム(ソーシャルゲーム)由来の会社に特性が分かれている。 前者は 3DCG や物理演算、後者は KPI 分析やクラウド技術やスケール化といった技術に立脚した会社が多いが、そこにスマートフォンが登場し、両方の技術が無いとデバイスの特性を活かしたゲームが作れない状況になった。
Aimingは、そこに加えて「リアルタイム通信技術」を有している。リンクやボタンをクリックし、サーバーにリクエストすることで初めて更新となるWeb技術だけでなく、このリアルタイム通信を導入することにより、常に世界の誰かが操作しているキャラクターが画面の中を動きまわってチャットしているようなゲームが実現できるのだ。
「例えば web 技術しか持ってない会社はそれによって企画の方向性が[webでできるもの]に制約されてしまう。 けど、我々は MMO/MO/アクション/ストラテジーといった、多用な選択肢の中から企画を取捨選択することができる。 これは組織的に多様な技術を持っているお陰であり、我々の大きなアドバンテージである。この三拍子そろった会社というのは、日本にはそうそうないだろう」と最高技術責任者の小林俊仁氏は言う。
独特の開発ポリシーに基づく、次に挙げる施策も、強みの源泉となっている。
【プロジェクトチーム指向】
同社は“部”や“課”といった一般的な組織体系にはしておらず、あるのはタイトルごとの“プロジェクトチーム”だけ。変化スピードが非常に速い世界にあって、“強すぎる分業”や“強すぎる上下関係”は、責任転嫁や手続きの形式化による遅滞などを招きがちとなり、失敗の原因となるからだ。そこで同社では、、プロジェクトマネージャー、プランナー、プログラマー、デザイナー、運営、アナリスト、マーケターなどの専門家が渾然一体となって一つの目標に向かう組織運営を行っている。したがって、各メンバーには、専門外のことに関しても好奇心や幅広い知識が求められている。
【“チーム対問題の原則”と“ツッコミビリティ”】
上記とも関連するが、プロジェクトで何か問題が起きた時は、チームの全員で解決に当たるという原則を貫いている。
そして、チームメンバーが何か問題に気づいたら上司や外部にも気軽に“ツッコミ”を入れることをよしとする風土が形成されている。
【コード重視・アウトプット重視】
同社は、“ソースコード重視・アウトプット重視”というポリシーを貫き、1人のエンジニアが一定の機能の完成までのすべてを責任もって担う。
エンジニアの採用において、GitHubのコードやオープンソースへのコミット、個人的につくったスクリプト、ブログやSNS投稿などを重視するのも、その表れである。
働きやすい環境づくりのための制度も充実
同社に集まるスタッフは、会社でゲームづくりや運用にかかわりながら、つねにライバルのゲームをチェックし、家に帰ってもゲームで遊んでいるようなゲーム好きばかり。
「『剣と魔法のログレス いにしえの女神』のゲーム内にてスタッフだけのコミュニティがあるのですが、『ゲーム内でのニックネームはよく知っているけど、本名は知らない』というスタッフ同士がよくいます(笑)。なんだかんだ言って、ゲームのことが共通の会話になっている会社ですね」と椎葉氏。
働きやすい環境づくりのために、次のような数々の制度を導入している。
【椅子購入補助制度】
快適なデスクワークができるよう、スタッフ全員に良質なオフィスチェアーを用意している。
さらにこだわりのある方向けに、社内で使用するチェアーを自費購入した場合、上限2万円まで手当をする椅子購入補助制度がある。
【ランチ支援制度】
スタッフの健康維持・促進、またスタッフの昼食にかかる金銭的負担を軽減することを目的として、毎日社内で美味しいお弁当を格安で購入できる環境を用意している。
【家賃補助制度】
会社からの自宅までの距離に応じて、最大3万円まで家賃を補助する制度がある。(正社員のみ、年齢制限有)
【懇親会参加支援】
飲み会のチーム内でのコミュニケーションの活性化を促進するために、プロジェクトの飲み会や歓迎会時、 費用の一部を会社で負担している。
そんな同社が求める人材について、椎葉氏は次のように言う。
「何かに打ち込んでいる人、に尽きます。会社だけでなく家でもコードを書いたり、新しい技術が出たら触らなければ気が済まない、といったスタンスの人ですね。それがあれば、経験は問いません。それと、チーム力を高める行動ができる人ですね」。
ゲーム業界の最先端領域で強みを発揮している同社は、ゲームで身を立てていきたい人は絶対に見逃せないはずだ。