営業用の端末からメインコンピューターまで。生保業界の様々なシステムを担う
株式会社ACUは、生命保険領域に特化したWebシステム開発・コンサルティングを手がける会社だ。生命保険は複雑で煩雑なビジネスだけに、システム知識あればできるというものではない。その点、ACUのメンバーは生命保険に関する業務知識があり、経験・実績があり、マネジメントやコミュニケーションの力もあり、技術力も申し分ない。クライアントにとっては得難い存在となっていることだろう。
同社の特長は、プライム(直請け)もしくは間に大手SIerが入る二次請けながら、実質はクライアントと直にやりとりするような案件が大半であることだ。間にSIerが入るのは、生命保険領域は参入のハードルが高く、特に業界トップクラスの日本の生命保険会社となると、ほぼ傘下のシステム開発子会社か、超大手クラスのSIerとしか取引をしないという事情によるものだ。一方、外資や新興のネット生命保険会社などはその限りではなく、人脈と確かな実績さえあれば直取引のチャンスもある。そのような業界事情にあって、社員数約10名のACUが、専門性を武器に数々の大手、外資、新興の生命保険会社のシステム開発において、存在感を発揮している。
一つの業界に特化して案件はあるのかと疑問に思うかもしれないが、生命保険の領域は奥深く幅広い。「例えば営業さんが持っている端末のシステム。ある会社のものは、当社が作りましたし、とあるネット生命保険会社では、立ち上げから深く関わって、Webサイトのシミュレーション画面なども当社のメンバーが作りました」。こう、実績を挙げるのは同社取締役社長の村上晋一氏だ。営業の最前線の端末から契約を管理するメインのコンピューター、全国津々浦々にある代理店が扱うデータを管理するシステムなど、その数は膨大だ。加えて商品も複雑で特約も多く、年々違うものが出てきてはシステム面でも対応するなど、案件は次から次へと出てくる領域だと言えるだろう。
そのなかでACUは、プライムかそれに準じる立場で開発の上流工程を受け持つほか、生命保険会社に常駐し、社員の代替要員として、その会社のメンバーと同じ立場でプロジェクトをマネジメントするケースも多い。現場へのヒアリング、要望抽出から始まり、全体像を描き、外部ベンダーを差配、調整、進捗管理などして実際にプロジェクトを完遂させる。そんな高度な役割を担う特異な会社だ。