不動の人気タイトルを軸に、”新しいゲーム体験”を作り出す!
多少なりともゲームが好きならば、スクウェア・エニックスの名前を知らない人はいないだろう。「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」といった人気シリーズを世に出した、いわば日本のゲーム業界を牽引する存在だ。
同社の事業の柱は大きく4つ。
さまざまなプラットフォームに対してゲームコンテンツの開発を行う「デジタルエンタテイメント事業」、ゲームセンターでのゲーム提供が主となる「アミューズメント事業」、
定期刊行コミック雑誌や人気漫画コミック、攻略本などのゲーム関連書籍の出版を行う「出版事業」、そしてこれらのIPに関連したキャラクターグッズ、音楽CD等の販売を行う「ライツ・プロパティ等事業」だ。
変化するゲーム業界において”老舗”と言われる同社も新たなチャレンジに力を入れている。人事部 採用担当 平山綾氏に話を聞いた。
「家庭用ゲーム機器からスマホやPCとデバイスが多様化し、ゲームのプラットフォームの種類も変わってきています。新しいデバイスに対応したゲームを発売することはもちろん、我々としては”新しいゲーム体験”を世の中に出していかないといけないと考えています。既存のものは改良を重ね残しつつ、新しい環境へのチャレンジも積極的に取り組んでいます。」
最先端設備の導入を惜しまない社風が、社員たちの技術力・企画力を育む
スクウェア・エニックスの強みについて、平山氏は次のように語る。
「ゲームを一つとっても、完成させるための技術力や企画力の高さはもちろん、その作品に対し、社員一人ひとりが『より良いものにしていこう』という想いを強く持っている。その気持ちがチームとして機能することで、作品の質をさらに高いものにしています」
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」といった誰もが知るビッグタイトルが、時を重ねても多くの人を魅了しているのは、こうした社員たちのものづくりへの強い想いがあってこそだ。事実、同社のタイトルの多くは、国内はもちろんだが、世界中でも広く認知されプレイされ続けている。
「グローバル展開にも積極的です。特にアメリカ、欧州、中国といった海外の市場には、既存のタイトル以外にも新しいコンテンツの提供を行っています。各地域に開発拠点を設けることで地域の特性に合わせたサービスコンテンツの投入が可能となっている点も、スクウェア・エニックス・グループの強みだと思います」(平山氏)
より良いものを作るため開発に必要な設備は積極的に導入し、常に最先端の環境で開発が行えるよう整備されている。
その象徴の一つとして、現オフィスに移転した2012年より新たに設置されたのが、「モーションキャプチャースタジオ」だ。100台近い特殊カメラを備えつけており、人の動きを3次元データ化してキャラクターの動きに落とし込めるという、他にはない最先端設備。各方面でも話題となっている。
また技術を継承していくことにも、同社は注力している。社内にスキルレベルの高い技術者が多い背景には、優れた技術者が同社に集まってくるという側面だけでなく、社内で仕事に取り組む中で様々な経験を積むことができ、スキルアップにもつながるといった環境面の充実も挙げられる。
「業務においてもコミュニケーションを取る機会は多く、経験豊富な社員から直接教わって技術や知識を身につけることができます。もちろん、タイトルごとや部署を超えて横断的に、長年培った技術や知識を共有できる環境が備わっています」(平山氏)
こうしたゲーム作りの環境を実現させる社風について、平山氏は次のように語ってくれた。
「働く本人の『想い』を何より大切にする社風があります。その想いに基づき、いかに周りを巻き込みながら実現させていくかを重視していますから、社歴や年次などは関係ありません。やりたいことを提案できる人には、活躍の場が与えられる会社です」(平山氏)
他社ではできないゲーム作りを体験できる。そして、ここでしか得られない力が身に付く。これだけは間違いなさそうだ。
10年20年と語り継がれる”物語”を生み出す仕事
「今後も目指すものの特性に合わせた手法で、ものづくりをしていかないといけません。それは新しいコンテンツだけでなく、様々なデバイスに対応したり、国内だけでなく海外も見据えて取り組むという点でも同様です。会社として力を合わせて取り組む以上、いろいろな特性を持つ人を採用していく必要があると考えています」
経営指針にもある「プロフェッショナルな志向を持った人が多い」と語る平山氏。「ドラゴンクエスト一筋」といった社員や、「次のドラゴンクエスト・ファイナルファンタジーを」と情熱を燃やす社員もたくさんいる。
そうした社員たちの心に根付いているのが、「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」という企業理念だ。この理念は確実に社内に浸透しており、「より良いものを提供する」という強い想いとなって日々の仕事、そして作品の中に根付いている。
「企業理念にある『物語』は、ゲームをすることによって得られる体験や、10年後・20年後に語られる思い出を作ってもらうために、作り続ける必要があります。そこに関われる醍醐味を是非知ってもらいたいと思います」(平山氏)
世界に誇るビッグタイトルに関われるのは、大きな魅力だ。しかし、そんな恵まれた環境下であってもチャレンジを忘れず、純粋にものづくりを楽しめる環境こそが、一番の魅力なのかもしれない。