株式会社アクイジオジャパン

統合デジタルマーケティングプラットフォーム「Acquisio」を日本市場に提供している、株式会社アクイジオジャパン。「Acquisio」は、煩雑そのものの運用型オンライン広告の管理運用を劇的に効率化する画期的なツールとして、世界のデジタル広告業界から注目を集めている。同種製品の2012－2013年の伸び率においてNO.1という調査結果もある。

「Acquisio」はカナダのモントリオールに拠点を構えるAcquisio社が開発し、北米市場をカバーする一方、ロンドンに拠点を置いて既にヨーロッパ市場にアプローチしている。そして、2013年12月25日にアクイジオジャパンを設立し、日・米・欧の三極体制を整えた。アクイジオジャパンは、デジタルマーケティングエージェンシーの株式会社アイレップとAcquisio社の合弁企業である。設立の経緯を、取締役の倉内伸幸氏は次のように説明する。

「アイレップでは、数多くのクライアントのオンライン広告の運用に携わっており、様々なプラットフォームを利用していました。しかし、それだけでは、運用業務に即した形で満足に使えるものは少なかったのです。そこで、煩雑化する一方のオンライン広告運用業務をテクノロジーの力で変えるべく、自社開発しようと決断し設計を始めました。そのモックアップが出来上がった時、たまたま『ad:teck New York』が行われるので見に行ったのです。そこで出展されていた『Acquisio』が、我々が開発しようとしていたプラットフォームとほぼ同じものでした。独自に開発するには時間とコストがかかります。ならば『Acquisio』を活用したほうが、より早く目的を実現できると考え、我々が日本市場で独占的にプラットフォームを提供できるよう今回の取り組みに至りました。」

今後のビジョンについて、倉内氏は次のように言う。「数年以内に日本におけるナンバーワンの広告運用プラットフォームにします。そして、アジア市場でもナンバーワンを目指したいですね」

運用型オンライン広告の世界は、テクノロジーの進化でより広告効果を高める配信ができるようになった。その半面、運用する広告代理店や事業会社にとっては、入札、入稿、レポーティングという当該業務が極めて煩雑化し、運用工数が何倍にも増え人手での運用は限界に直面している。
「登録するリスティング広告のキーワード数は、多い広告主で1000万ワードというケースも出ています。人手ではもはや不可能です。これをいかに軽減化させるかが広告業界の大きな課題となっていました」と取締役の村上和也氏は言う。そんな課題を解決するのが「Acquisio」だ。「Acquisio」の入札、入稿、レポーティング業務における機能には、次のような特長が盛り込まれている。
入札方法には、「特定の状態になったらX%上下させる」といったルールベース方式、およびコンバージョン獲得費用などの目標設定単価に結果的に落ち着くように入札価格を上下させる統計ロジック方式の2通りがある。「Acquisio」は、この2方式のどちらにも対応できる数少ないプラットフォームの1つだ。
「運用する代理店によっては、最適な成果を挙げるためにクライアントやアカウントによって入札方式を変える必要があります。そこで、どちらの入札にも対応できる『Acquisio』のメリットは非常に大きいといえます」（村上氏）

さらに「Acquisio」には予算管理機能が実装されていることも大きな強みだ。例えば、月間の広告予算を100万円と設定して運用する場合、予算を睨みながら手動で入札を決めていく作業は非常に厄介。「Acquisio」はこれを自動化できる。
「競合製品にも同様の機能を保有しているものもありますが、ぜひ、精度の側面で比較してほしいと考えています。Acquisioの場合、月間予算が1万円であってもきっちりとコントロールできますが、私が知る限りこのようなツールは、今のところ他にありません。」（村上氏）
入稿においては、それぞれ異なっているGoogleとヤフーのフォーマットを、「Acquisio」ならば一つのフォーマットで双方に対応できる。作業を大幅に効率化できるのだ。
「Google、ヤフーそれぞれ数十アカウントずつ入稿しなければならないケースも多く、そうした場合に業務を集約できるのでかなり楽になると思います」（村上氏）
レポーティング作業においては、「レポートセンター」という便利な機能を実装。レポートを作成する場合、いろいろなデータをそれぞれのプラットフォームからダウンロードして集め、集計表を作成するなどの手間がかかる。この「レポートセンター」は、1つのレポート用テンプレートを設定すると、自動的に昨日までのデータを朝までに集約し集計しておいてくれる。担当者は、朝出社してそのままプリントや転送をして上長やクライアントに報告するだけ、というスグレモノだ。
「日別、曜日別など自由に設定できます。これほど充実したレポート機能を備えているプラットフォームはほかにないと思います」と村上氏は胸を張る。2014年4月から営業を開始しているが、顧客からは「こんなツールがあったのか」と反響は上々だ。

「Acquisio」を日本市場に適合させるための調整を終え、今後急速に導入が進むことを見越して、同社は顧客への導入サポートを手がけるテクニカルスタッフを求めている。最先端のアドテクノロジーやネット広告、製品の知識を身につけ、顧客が「Acquisio」をより使いこなして業務を効率化するためのコンサルティングを行うという仕事だ。それとともに、カナダ本社との間で製品検証やトラブルシューティングなどのエスカレーション対応業務も担う。製品知識は資格制度が導入されているので、カナダ本社での研修を通じて学ぶことになる。専門用語などマスターしていかなければならないことも多い。したがって、英語でのコミュニケーション力が必要だ。「この仕事に興味関心を持ち、自ら率先して学ぶ積極性の持ち主に来ていただきたい」と村上氏は呼びかける。

「当社の目的は、運用型オンライン広告業務のあり方を良くしていこうという方々を助けることにあります。この理念をベースに、いろいろな能力や個性を持った人たちの力を集約させ、目的の実現に取り組んでいきたいと思っています」と村上氏。つまり、導入して終わりという仕事ではなく、永続的に顧客をサポートするという仕事なのだ。顧客の立場に立つマインドが何よりも求められるだろう。

まだ立ち上がったばかりの同社のコアスタッフは、代表者のほか倉内氏、村上氏ら5名の役員（そのほかに社外取締役3名）。
「当面は、お互いの顔がよくわかる範囲内の規模で体制を整え、フラットな関係で経営のことからレクリエーションまで、意見を言い合って運営していきたいと考えています」と倉内氏は言う。
入社した瞬間から、中核メンバーとして一から日本やアジアにおけるNO.1広告運用プラットフォームの歴史をつくっていく。大きなやりがいがある仕事に違いない。