数々の大規模案件の実績を持つプライムベンダー。海外へも積極展開
株式会社システムエグゼは、システムインテグレーション(SI)サービスと自社プロダクトを手がける会社だ。事業の構成は概ねSIが8割、プロダクトが2割。SIサービスでは、保険(=保険業界)、生産管理(=メーカー)、会計(=全業種)、医療(=医療機関)の4領域に特化し、専門性の高いソリューションを提供している。お客様重視の姿勢から、細かな案件を厭うことなく大小様々な案件を手がけるが、上は数億円~数十億円規模の大規模案件も、元請けとしてマネジメントできる実力、実績を持つことが特長だ。主要取引先には日本を代表するような大手の会社がズラリと名を連ねており、この会社の立ち位置がわかる。
自社プロダクトも順調に売上を伸ばしており、導入事例には、これまた大手企業が名を連ねる。SIサービスで培ったノウハウを、より広く世の中に還元すべくパッケージ化したのが、同社のプロダクトの数々だ。業務に精通する強みを活かした品質の高さを誇る。
システムエグゼは1998年、現会長の佐藤勝康氏を中心にわずか3名で創業した。真にお客様のためになるシステムを作りたいという思いで起業し、当初の数年は、新興のシステム会社の常として、社員がバラバラに各客先に常駐するような案件を地道にこなした。よくあるスタートを切った同社だが、23年経った今は社員数654名という堂々たる陣容に。コンペでは名だたる大手と競合するプライムベンダーに成長した。
創業以来、売上は右肩上がりで伸びている。グローバル戦略にもいち早く取り組み、すでにベトナムに営業と開発の拠点を、タイに営業の拠点を開設した。今後の大きな成長が見込まれるアジア市場に着々と足がかりをつくり、アジア企業や日本企業のアジア法人に対して、ITサービスやプロダクトを提供する作戦だ。アジアの先にはもちろん、よりグローバルな展開も視野に入っている。また、ベトナムはオフショア拠点としても活用し、コストメリットのほか、技術や人材の交流も含めた複合的な効果をねらう。
成長の秘訣は社員満足度重視の社風。全員参加の経営で高い意欲を引き出す
創業23年を迎え、創業当時の社員数3名から約654名への成長を遂げたシステムエグゼ。その秘訣は極めてシンプルで、社員を大事にしてきたからにほかならない。同社は企業理念に、社員満足度向上と顧客満足度向上、技術満足度向上の3点を掲げる。特筆すべきはこの順番だ。一番が社員満足度なのだ。「普通は顧客満足度ですよね」と笑うのは、専務取締役の後藤清孝氏だ。創業間もない頃に入社し、同社成長の一翼を担ってきた。「社員の成長と満足なくして会社の発展はないというのが、創業以来、一貫した当社の姿勢です」と後藤氏。
同社の社員への取り組みは徹底している。ポイントは教育、評価、経営への全員参加の3点だ。まず教育。新卒社員のみならず、キャリアを持って入ってくる中途社員に対しても、階層に応じて数々の集合研修や合宿などを実施するほか、資格取得やセミナーへの参加、書籍購入などの費用も全面的に会社持ちだ。教育予算は年間6000万円にのぼる。
評価は、メンバー一人一人の貢献や取り組みをすべて数値化。課題の達成度や現状のスキル、さらにはこれから伸ばすべきポイントもわかりやすく示し、極めて公正で満足度の高い評価制度を確立している。この結果、若くてもどんどん責任ある立場に登用する風土がつくられ、社員の高い成長意欲も引き出している。
そして最後が、経営への全員参加だ。システムエグゼでは、担当しているプロジェクトなど目の前の収益に直結する業務のほかに、新たなサービスを生み出すべく、常に社員一人一人が仕事として事業の企画を練っている。時間外の活動ではなく、仕事としてやっていることがポイントで、製造業が儲けの何割かを新たな投資にふりむけて継続的に成長する姿にも似た、次につながる投資となっている。現場にこそ豊かな発想があることに加え、企画する過程で社員が成長し、実現したサービスの効果で会社もさらに成長するという好循環を生み出している。
月1回の全体会議では、お客様先でプロジェクトに参加している社員も本社に集まり、経営の状況や今後の事業計画、新たな取り組みなど会社の方向性を全社員で共有する。合言葉は「出る杭は伸ばせ」。上司や周りの顔色をうかがって意見を言わないなどもってのほかだ。前向きな意見や個性を尊重する社風は、メンバー一人一人の信念ある行動を促す。
いずれも書いてみると簡単な、でも実行するのは難しい取り組みばかりだろう。これらを徹底して続けてきたたことでシステムエグゼは大きく成長したのだ。
やりがいの大きいプライム案件。ダイバーシティが進み働きやすい環境も魅力
そんな同社ならではのやりがいは、やはり規模が大きく、難易度も高いプライム案件に参画し、自らを成長させることができるという点に尽きるだろう。現在、進捗している案件のなかにも150人規模の人員を投入する、とある大手企業の基幹システムなどがある。クライアントと直接やりとりしながら、知識とスキルの粋を集めてコンサルティング、設計、構築と進めていく過程は、プライム案件だからこその濃密な経験だ。
若手の登用も多い社風で、実力に応じて裁量が広がり、メンバーからチームリーダー、プロジェクトマネジャーとステップアップもできる。先ほどふれた公正な評価制度の下、誰からも見える形で成果を上げれば、チャンスはどんどん広がるのだ。
会社の成長とともにオフィスも移転し、2013年夏に構えた本社は、東京駅にほど近い八重洲の一等地にある。月1回の全体会の際には、地方拠点やお客様先にいるメンバーも集まり、社内が一気ににぎやかになる。全体会の後には懇親会も。物理的な職場は各地に散っていても、この会や、様々な組織横断のプロジェクトで横の連携は強い。社友会と名付けたクラブ活動も盛んだ。オンオフ合わせたこのようなつながりが、仕事の上でも気軽に他部署の人と相談しあう関係を生む。各自の専門性やナレッジを自然と共有することになり、それがまた同社の強さになっている。
外国籍の社員が1割、女性も2割と、自然とダイバーシティも進む同社。特にASEAN諸国からの留学生の採用は、他社に先駆けて積極的に行ってきた。そのインターナショナルな社内の風景は、マスメディアの全国ニュースでも取り上げられたほど。
規定の勤務時間は9時-18時で、さすがに常に残業ゼロではないが、プロジェクト佳境の時期でなければ定時に仕事を終え、勉強やレジャー、育児中の社員は家族の時間にと、ワークライフバランスをとりながら仕事ができるのも魅力だ。ダイバーシティ、そして様々な人にとって働きやすい環境の実現。これらはすべて、社員を大事にするという理念に基づく。こうして生まれたパワーがここまでこの会社を育て、今後さらなる成長に導こうとしている。
中途で入社してくる社員のなかには、プロジェクトの現場でシステムエグゼのメンバーと一緒になり、その生き生きとした様子を魅力に感じて門戸を叩いたという人が少なくない。良き会社は良き人材を集め、ますます発展する。次にこの発展を担う一員になるのは、今これを読んでいるあなたかもしれない。