他社との違いは接遇の心。「あなたに頼みたい」と言われる会社を目指す!
ラポール・ラボ株式会社はソフトウェア開発やシステム開発を手がける会社だ。設立は2007年。創業社長の岡田悦彦氏は、酒類小売チェーン店を営む会社の出身。そこでシステム部門に配属されたことから、その後本格的にシステムの世界に転じることとなった。その流れをくむ形でラポール・ラボは、小売、物流をはじめとする業務系のアプリケーション全般に強みを持っている。メンバーは社長を含めて3名。この規模の会社の常として、仕事の中心は大小含めたSIベンダーの協力、支援といった立場でのプロジェクト参画となる。
プロジェクトに参画する際の位置づけやタイミングは、案件によって異なる。元請けにあたるベンダーとともにクライアントとの打ち合わせから参加するなど、いわゆる上流工程から携わることもあれば、もう少し進捗したタイミングで加わることもある。
「当社は『上流しかやりません』とか、逆に『下流しかやりません』といったスタンスではないので、やはり全部を経験したい方にいらしていただきたいですね。上・下にこだわる人には向いていないかもしれません」と岡田氏。いずれにしても小所帯で何でも自ら進んでやらなければいけない環境だけに、様々な案件を通じて幅広いスキルが身につくことは確かだろう。就業スタイルとしては顧客企業に常駐するケースが中心だ。
…と、ここまでだと「堅実な技術力で実績を積んでいる普通の会社だな」という印象だろう。同社の特長は、ラポール(フランス語で「共感」の意味)という社名が象徴するように、共感をキーワードに接客の心をもって業務にあたるという姿勢にある。
「IT企業は1人で黙々と業務にあたるようなイメージがありますが、実際はチームワークが大事だし、お客様とのコミュニケーションの機会も多く、人対人の関わり合いが非常に重要です。ホスピタリティという言葉はやや使い古されてしまいましたが、接遇の心でお客様と同じ思いで同じ方向を向けたらよりよいものができると思うのです。技術や製品なら、他社さんでも似たようなものができるでしょう。当社は人の力で『あなたに頼みたい』と言ってもらえる会社を目指しています」(岡田氏)。
対顧客、社員同士、対地域社会とすべての関係性との共感を目指す同社だけに、社内には温かく和やかな雰囲気がある。世の中には同じような規模の同じような会社は無数にあるが、これらと決定的な違いとなるのがこの社風だ。心と心で仕事をするような岡田氏の思いや志に共鳴する人は、ぜひ一度話を聞きに行ってほしい。
今が第2の創業期。メンバーを増やし業容拡大に挑む。いずれは自社製品を!
現在9名の同社。本当に会社を良くしようという思いを持ち、岡田氏が掲げる「共感」への思いを共有しているメンバーばかりだ。
だからこそ今を「第2の創業期」と位置づけ、人員を増やし、業容を拡大するという決意の下、新たなメンバーを募集することとなった。これまで誠意をもって案件に向き合ってきた結果、ベンダー各社との信頼関係は強く、常に案件の打診がある状態だ。組織を拡大し、これからは今まで以上に様々なプロジェクトに参画することが、同社の展望の一つだ。
そしてもう一つの展望は、自社での直接受注と自社プロダクトの開発だ。元々同社は岡田氏が、「社員が働きやすく、居心地のいい会社を自らの手で作りたい」という思いで立ち上げた。だが現状の顧客企業での常駐が中心の業務では、どうしても先方の都合に合わせざるを得ない。社員1人1人の事情に寄り添い、フレキシブルに働けるような居心地のいい会社をつくるには、内製の業務を増やすことが不可欠なのだ。これまでもコンペへの声がけなどはたびたびあったものの、人員不足からなかなか応じられなかった。体制が整えば、今後は積極的に応じていきたい意向だ。また自社プロダクトについても、メンバーのスキル向上も兼ねて現在、取り組みを開始している。いつか世にリリースすることが目標だ。
「Web制作やスマホ関係の開発も手がけたいので、その分野の人材もぜひほしいですね」と岡田氏。共感を軸にした会社づくりに改めて取り組み、飛躍を目指す第2創業期。業務のフィールドも積極的に広げていく意向だ。今、会社はおもしろい局面にさしかかっている。会社を形づくる経験をしたいという人にも、きっと満足のいくステージに違いない。
残業禁止!居心地のいい会社を追求。理想は社内託児所のある会社!
そんな岡田氏には、ひとつの理想の会社像がある。それは社内託児所のある会社だ。少子高齢化が進展するなか、次なる労働の担い手として期待されるのが女性、高齢者、外国人であることは広く認識されている。特にIT分野は、一足先を行く形ですでに人手不足が顕在化している。女性、あるいは男性でも、子育て中という理由で充分に働けないとしたら、こんなにもったいないことはないと岡田氏は考えている。
「子連れ出勤が普通に実現できればいいですね。女性の活用という面もありますが、子どもが会社にいたら、それはまた和気あいあいとして楽しいじゃないですか」。岡田氏自身も子どもが小さい頃、休日に連れてきてはオフィスの隅で遊ばせながら、仕事をした経験がある。想像ではなく、本気で子どもと共存できる会社を作りたいと思っているのだ。
そのためにはソフト面、つまり会社の体質や体制も重要だ。ラポール・ラボでは原則として残業は禁止だ。客先に常駐している場合はなかなかそうも言っていられないが、社内にいるメンバーは9時~18時を基本に、長引いても19時には帰るスタイルが定着している。この環境をより多くのメンバーが享受できるようにしたい。だからこそ、今までとは違う方向に舵を切り、受託案件や自社プロダクトなどの内製を増やすことを喫緊の課題としているのだ。
とかく世の中、特にシステム業界ではブラック企業がしばしば取沙汰される。だがそんな会社ばかりではない。ブラック企業とは対極にある共感の会社、ラポール・ラボ。その志に同調し、一緒に会社をつくりたいという人にぜひ来てほしい。小さな一歩だが、そんな共感の輪が広がっていけば、世の中全体も少しずつよくなるに違いない。