株式会社ノーパット

「売上につながらなければ手数料のかからない広告代理店業」「広告費捻出プロモーション事業」というユニークなビジネスモデルを打ち出している株式会社ノーパット。NOPATとはNet Operating Profit After Taxesの頭文字で、税引後営業利益のこと。企業の利益を最も純粋かつ端的に示す数値とされる。

「クライアントに利益を上げてもらうことを最重要のミッションにする、という理念のもと、この社名をつけました」と2010年8月に同社を創業した久保勇太社長は説明する。久保氏が以前勤務していた広告代理店は、クライアントの利益につながらない提案をすることも少なくなく、離れられてしまうクライアントが多かったという。そんな営業のあり方の疑問を抱いていた久保氏は、自分が営業を手がけるクライアントに対しては、「問い合わせ」や「来社」「受注」といった具体的な成果を上げるプロモーション施策を提案することにこだわってきた。

「提案した一つのプランの効果がさほど出なくても、次にどういう手を打てばいいかというオプションも考えて提案していたので、結果的に成果に繋がるケースが多かったと自負しています」と久保氏は言う。最初から100％の成果を上げることを狙うのではなく、PDCAサイクルを回しながら少しずつ成果を上げていくことで、着実な成果に結びつけるわけだ。こうしたプロモーション手法を体得したところで、久保氏は独立を決意。仕事ぶりに信頼を寄せていた同僚の西岡俊氏を誘って同社を創業した。

冒頭でふれたビジネスモデルは、知名度も資本もない自社が短期間で受け入れてもらえるようになるためには、何をアピールしていくべきかを考え抜いて打ち出したもの。
「クライアントは、ムダなコストはかけたくないと考えています。それに対して、広告代理店として提案する内容に責任を持つ必要があると考えました」
このように、クライアントの利益を第一に考えるスタンスを具体的に示すことで、世の中に浸透してくことを意図している。今後は、このGreenで採用するWebデザイナーを戦力に加えて提案するサービスの幅を広げ、一段上の成長を目指すという。

広告代理店は、一般的に、広告の掲載・配信・放映などの料金の20％程度を手数料として請求する。100万円の広告掲載を受注したら、広告効果が出ようが出まいが、基本的にその段階で20万円の収益が上がる。それに対して、ノーパットはその段階での手数料は請求しない。その代わり、「電話1本あたり」「資料請求1件あたり」「集客1人あたり」「売上が上がったら何％」などと、実際にクライアントの利益に結び付く成果を上げた段階で、その成果報酬を請求するのだ。

「クライアントにしてみれば、効果が出るかどうかわからない広告に予算を投じるリスクを確実に避けることができます」と久保氏は胸を張る。さらに同社は、広告担当者としてクライアント企業の中に入り込み、広告関連業務の一切を受託するアウトソーシングサービスも手がけている。そのねらいについて、久保氏は次のように説明する。

「広告業務の知識のある担当者を採用するのにコストがかかりますし、あまり適性がなかった人を採用してしまえば、雇用し続ける負荷もかかります。しかし、私たちにアウトソーシングすれば、採用コストはかからず、不要になった時はいつでもカットできます。しかも広告費用は成果報酬型ですから、一切のムダがなくなる、という大きなメリットがあるのです」（久保氏）。

中小企業や個人事務所などでは、広告業務は経営者自身で、もしくは営業や事務の担当者が片手間に手がけているところも多い。そんな企業にはうってつけのサービスだろう。実際に、同社のクライアントには、弁護士事務所や税理士事務所、資格取得あっせん業、健康食品販売業といった小規模の事業者が中心を占めている。

そして、久保氏が着目したのが、そういったクライアント自身のホームページは貧弱なものが多いことだ。せっかく見込み客を獲得しても、ランディングページが貧弱では見込み客を逃がしてしまうことが多い。しかし、しっかりしたホームページをつくる時間も予算もないという企業が大半という現実がある。

「そこで、当社が初期費用ゼロで制作し、後でそのホームページで上げた利益から還元してもらうスキームもつくりました。これで広告出稿から成果を上げるまで、初期コストをできるだけ抑えてムダも省けるので、クライアントは着手しやすくなります」（久保氏）。

同社のクライアントは、着実に1件のエンドユーザーからの問い合わせ、1人の申し込みを獲得していくことが求められる業態ばかり。
「そういったお客さまに鍛えられながら当社も成長し、ゆくゆくはイメージアップキャンペーンなど大きな仕事も手がけたいと思っています」と久保氏は言う。

平均年齢は29歳。久保氏について、西岡氏は次のように評する。
「無謀と思うこともあるぐらいのアグレッシブな人。とにかく前向きで、どんなことにもチャレンジしています。そして、一度やると決めたらやり通そうという芯の強さもありますね。周りの目はあまり気にしていないのではないでしょうか。強い意見を持っているだけに、人の意見を撥ね返す時もあるのですが、基本的に明るい人なので交友関係は広いです。一緒に仕事していて楽しいですね」（西岡氏）。

その西岡氏は、不動産会社やWeb制作会社で営業などに携わった後、久保氏が勤務していた広告代理店に転じたというキャリアの持ち主。久保氏は次のように紹介する。
「とにかく責任感が強い人です。仕事が中途半端ではないので、夜中や休日も厭わず仕事していましたね。あまりいいことではないですが(笑)
また、私が出すアイデアに、しっかりした意見を返してくれます。信頼している重要なパートナーです」（久保氏）。

今後の会社のイメージについて次のように語る。
「ファンキーモンキーベイビーズみたいになることをイメージしています（笑）。私と西岡がフロントに立ち、Webデザイナーに後ろでしっかりグリップしてもらうというか、後ろのほうで目立ってもらうというか（笑）。とにかく、仲よく楽しくやっていきたいと思っています」

そのために、久保氏はこの規模でありながら働きやすい会社づくりにも配慮している。まず就業時間は10時から18時までとし、できるだけ残業はしないようにする。
「仕事だけの人生だけでなく、アフター6は趣味や好きなことを楽しむ生活をしていきたいと思っています」

また、半期ごとに利益の10％をボーナスとして支給する制度も取り入れる。業績を上げれば上げるだけ自分に還ってくるので、モチベーションが高まるだろう。仕事そのものもモチベーションが上がるよう、「自分が面白いと感じる表現やプランを実践できる会社にしていこうと考えている」と久保氏。クリエイターの感覚を信じ、主体性を尊重するスタンスに徹するということだ。「自分は制作のプロではないので、そこはクリエイターにしっかり任せる」と断言する。

そんな同社が求めるWebデザイナーは、まず「自分の意見を持ち、話をしっかり聞くことができる人」。要望の多い久保氏とのコミュニケーションが業務の中心を占めることになるからだ。また「趣味を持っている人」。そのことについて、久保氏は「趣味に打ち込んでいる人は、アクティブで、話していても楽しく魅力的な人が多いから」と説明する。

そして、久保氏は次のように結んだ。
「やりたいことがさせてもらえないと感じているWebデザイナーには、最適な職場だと思います。ぜひ問い合わせてください！」