月額1980円からの圧倒的な低価格を実現!
大手企業での英語公用化や小学校の英語の必修化など、英語教育業界はここ数年で急変し、業界の勢力図は変わりつつある。特にここ数年注目を集めているのが、オンラインの英会話サービスだ。
ヒットの理由は「安さ」と「手軽さ」である。広告費や教室代などを抑え、1か月1万円以内の低価格で好きな時間に自宅で利用できる気軽さがうけている。そんな中、1レッスン(25分)133円~、月額1980円~という圧倒的な低価格で、高品質なオンライン英会話サービスを展開している企業がある。2011年に設立された株式会社Grand Lineだ。
同社は最先端の言語学習理論によるオンライン英会話サービス“アイビーエル”のサービスを2012年1月から開始した。これまでオンライン英会話の月謝は7千~1万円前後が相場とされていた。しかし同社では、フィリピン人の講師を採用することで人件費を大幅に圧縮し、月額2千円以下という価格を実現した。入会金や会員費、教材費は一切かからない。毎日午前5時~翌日午前1時まで予約できるため、好きな時に手軽にスカイプでマンツーマンのレッスンを受けることができることが特徴だ。
元々代表の金光氏は、公認会計士として監査法人で働いていたという。なぜ英会話ビジネスで起業しようと思ったのだろうか。「高校時代からいつか起業しようと考えていました。英語ビジネスでの起業を考えたのは、仕事で英会話が必要となったことがきっかけです。大学卒業後は公認会計士として監査法人で働いていましたが、外資系企業との仕事で英語が必要になり、スクールに通うことになったのです。しかし、仕事をしながら学校に通うことは難しく続きませんでした。それならば仕事と両立できる英会話のスタンダードを自分で確立しようと思い、スカイプを使ったビジネスモデルを考えたのです」(同氏)。
起業の準備をはじめたのは2008年。持前のフットワークでフィリピンに飛び、現地で人脈を築き準備を行ったという。そして2011年の4月、監査法人を退職して仲間のエンジニアと2人でGrand Lineを創業した。
日本の英語教育を改革したい!
「フィリピンを選んだ理由は、人件費が安いということだけではありません。フィリピンは英語人口がアジア圏で圧倒的に多く、インターネットが整備されています。そしてサービス業に不可欠なホスピタリティがある。これも大きな理由です」(金光氏)。フィリピンはかつて米国領だったこともあり、英語が多くの人に使われており、今回のサービスに向いているという。
「オンライン英会話サービスで重要なのは、質の高い講師をどれだけ安定して獲得できるかということす。当社の強みは、国内トップクラスの優秀な学生が集うフィリピン大学の教授と連携していることです」(同氏)。
現在、同社には約30名の講師が在籍しているが、今後会員数にあわせて講師数もどんどん増やしていく予定だ。地元との強固なネットワークがあるため、講師の安定的な獲得が可能という。そして講師採用時に重視するのは学歴だけではない。
「お客様に満足いただけるサービス提供のために、採用時には人柄やコミュニケーション力を最も重視しています。そのため面接は3回実施します。クオリティを維持するためにも妥協はできない部分ですね」(同氏)。
また、日本人に合わせたサービスの提供にも力を入れている。日本語ができるカスタマーサポートはもちろん、日本人のネイティブスタッフが日本人にあわせた教材を開発している。また、講師は日本語トレーニング必修なので初心者でも安心できそうだ。
オンライン英会話サービスでは同じ教材を受講者全員が使用することも少なくないが、同社のカリキュラムは一味異なる。「アイビーエルのカリキュラムは、米国で研究されている最先端の言語学習理論がベースとなっています。受講者各人の興味やテーマに沿って学習する“個別最適化アプローチ”、受講者のテーマに沿ってその目標を達成するようカリキュラムをカスタマイズできる“目的達成型アプローチ”など、それぞれの目標やペースに応じて自然に言語が修得できるように配慮しています」(同氏)。
同社が学ぶ能力の研究に特に力を入れているのには理由がある。「当社のメインターゲットは、中学・高校などの学生です。そのため、いかに好奇心を持って、楽しく英語を習得できるかを大事にしています。我々のサービスを、学校のカリキュラムのように使っていただきたいですね。英語教育は社会人からでは遅いのです。学生から英語と触れ合う機会を増やし、日本の教育産業を改革することが我々の目標です。今から5年間で日本の中学・高校に半分に利用されることを目指しています」(同氏)。
2012年1月にサービス開始したばかりの同社。今後は、中国語の会話のサービスを立ち上げやグループレッスンなどのサービスも導入など、新サービスの展開も控えており、組織の拡大が急務となっている。
求める人物像は、会社を成長させていける実行力がある人!
「今当社はスタートアップの大事な時期にあります。求めているのは、受け身ではなく、会社を成長させていける実行力がある人です。企画だけでなく、それを実現させるために具体的に動いていける方に来ていただきたいですね」
創業メンバーの一員として、アクティブに動ける人材を求めていると強調する金光氏。創業1年に満たない同社では、WEBプロモーション、教材の企画、アプリ開発などやるべき業務は山積みである。望めば様々な業務を経験し、新事業の立ち上げに関われるチャンスもある。自分の動き方次第で、大きく成長できる環境である。英語力も自然と身に付く環境なので、語学力を磨きたい方にも向いているだろう。
「英会話というと、辛いものというようなイメージにとられがちですが、本来異文化交流は楽しいものです。楽しいから続き、続くからこそ身につく。これが我々のサービスの基本理念です。日本の英語教育を変えるサービスを共に作り上げましょう」(同氏)。高速通信回線の低価格化をうけて、スマートフォンでレッスンを受ける生徒も増えてきたという。英会話レッスンの形が大きく変わろうとしている今、その最先端を走り続ける同社から目が離せない。