ディチャーム株式会社は、「社会をより良くする」ことを企業目的として事業を展開するソーシャル・ベンチャー企業だ。拡大するシニアマーケットを事業ドメインとして選んだ同社が目をつけたのが、「パッシブシニア」である。※パッシブシニアとは、要介護シニアを意味します。
日本において、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は25%(2013年10月統計)。この事実に加えて、注目されているのがこの世代の持つ資産の大きさである。今後、高齢者を対象にした各企業の競争が激化してくることは間違いない。
シニアマーケットというと、現在、最も盛り上がっているのが「アクティブシニア」向けの事業。しかし、ディチャームがサービス展開するのは、「パッシブシニア」の市場である。同社によると、国内のパッシブシニア人口は約1560万人。今後、ここに団塊世代が加わるであろう2020年代には、2,179万人に増えるという。
パッシブシニアに対しては、現在、介護保険制度に基づいたサービスが提供されているが、逆にいうとそれ以外は無いに等しい。事業として十分な利益を出し存続させるのが難しいからだ。体が不自由なパッシブシニアは、ものを買ったり外食をしたりといった、介護保険外のごく当たり前のサービスを利用できず、社会と断絶された状態にあるのだという。このような現状を変えることで、誰もが選択肢のある豊かな暮らしを送れる社会に近づけたいという思いが、同社が独自のサービスを開発する原動力だ。
社名の「ディ」は「Dignity(尊厳)」を、「チャーム」は「Charm(魅力)」を表わしている。すべての人が尊厳ある魅力的な人生を送ることができるように。その思いを持って、同社はこのマーケットを切り拓いている。そして、現在は競合がほとんどいない分野だからこそ、先駆者として社会にインパクトを与えるような活躍が大いに期待できるのだ。