株式会社RDサポート

株式会社RDサポートは、食・ヘルスケア・バイオ・メディカル領域に特化した人材サービス会社だ。同社は現在35名という少数精鋭ながら、業界特化型である独自の強みを生かし、年商10億円を超える規模の企業に成長している。

創業社長である大澤氏は、1998年に当時24歳で同社を設立した。大学院在籍中で、食品のトレンドに関する研究に従事しながらのことだった。研究に従事しながらも会社を設立した理由は、自分の体験からもっと研究職や専門職が活躍できる場を作っていきたいと考えてのことだ。

当時、食品メーカーと共同研究をしていた同氏は、企業内に専門職人材の活躍の場があることを感じていた。しかし、周りを見ると、知識も経験もある専門職人材が、別の分野で就職したり、家庭に入っていたり、知識や経験を活かせていない事実があった。

それは、就職氷河期が重なったこともあるが、企業側で専門職人材の活用方法をまだ十分に見いだせていなかったという理由が大きい。同氏はそこに目を向けて、研究者派遣という切り口で、事業を立ち上げた。

現在の同社の主力となっている人材派遣事業においては、登録者は、研究職・専門職10,000人、管理栄養士・栄養士4,000人（国内最大級）を抱え、取引企業は食・健康関連企業で500社を越えている。

同社には現在追い風が吹いている。
日本社会では、医療費高騰、そして超高齢化が加速し続けており、「食・健康」産業においては、このような社会問題に対して打破できる産業の創造を国レベルで求められてきている。

例えば2008年にスタートした特定健診・特定保健指導制度。これにより、指導者としての管理栄養士による特定保健指導が必要となり、管理栄養士の活躍の場が広がった制度開始に伴い、社会として国民の健康をサポートするという新たな役割が管理栄養士・栄養士に求められており、同社でも保健指導実施機関より保健指導業務に管理栄養士をアサインするヘルスケア事業を2010年より開始している。

また、2015年春より始まった機能性表示制度。従来は特定保健用食品（トクホ）や栄養機能食品のみにしか健康効果の表示をすることが出来なかったが、この新制度により食品メーカーや食品販売会社は行政に届出を行えば、商品に健康効果の表示をすることが可能となる。この制度により食・健康産業の拡大は必至であり、更なる人材需要の拡大が期待される。

上記のような背景において、同社は創業事業である「研究職・専門職派遣事業」から事業は更に拡がり、現在は人材派遣サービスを提供する「ＲＤサポート人材派遣」、転職活動をサポートする人材紹介事業「ＲＤサポート正社員転職」、食のプロである管理栄養士・栄養士を中心とした健康サポートを行う「ウェルネス事業」、高度なノウハウや知見、技術を保有しているエキスパートの「シェアリングサービス」を4事業を展開している。

また、2018年で創業20周年となる契機に、創業時に掲げた経営理念をブラッシュアップ致した。同社自身が時代の変化に対応しつづけられるような企業文化を繋げていくために、個と組織が進化し、 プロフェッショナルとして業を想造し、社会に対して価値提供を行うことを「個の進化」「業の想造」「価値の創出」の3キーワードにまとめている。

そして、ここ数年同社は順調に成長をしてきており、「今後、更なる成長を分かち合うことのできる人材を仲間として迎えたい。」と大澤氏は語る。

食・健康業界に特化し、人材事業を主に展開する同社において、2020年3月から新規サービスであるRD LINK（アールディーリンク）を立ち上げた。

日々人材事業を運営していく中で、企業の様々な課題が新たに見えてきた同社は、世の中の流れと共に人材活用のあり方もますます多様化していることに着目。企業が抱える課題解決のために、常勤雇用が難しい高度なノウハウや知見や技術を保有している高度専門人材の支援を提供することにより、企業の研究開発業務の発展を推進するサービスだ。

業務範囲は研究開発、品質管理・品質保証などの職種のほか、生産技術、技術営業、薬事など幅広い課題に対応可能である。

同社の正社員転職支援を行う紹介事業部のマネージャーを務める取締役の大島氏に話を聞いてみた。

入社10年目となる大島氏は、日清製粉からリクルートエージェント（現リクルートキャリア）に転職し、キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーを経験する。その後RDサポートに入社し、正社員転職支援を行う紹介事業部のマネージャーを務めたあと、2018年に取締役に就任。現在は取締役兼紹介事業部マネージャーとして日々奮闘している。

同社は食・健康分野特化型ということもあり、大手の人材紹介会社にはできないことをやりたいし、やるべきだと同氏は語る。食品・化粧品・バイオヘルスケア領域という他社があまり力を入れていない分野に同社は軸を置き、エッジのある事業展開をしていくと意気込む。

また、同社がサポートしている企業は大手だけでなく、中小企業にまで及ぶ。業界特化型の人材サービスのプロとして、中小企業の経営層のよき相談相手となり、単なる採用代行ではなく企業の持つ課題解決まで踏み込み、企業や求職者の成長に繋がるサポートをしていくのがRDサポート人材事業のミッションである。

2009年より立ち上げた同社の紹介事業部だが、業界の追い風もあり、大島氏中心にここ2年で大きく成長していきている。

また、同社は平均年齢37歳、女性が多い職場ということもあって、オフィスはとても柔らかな雰囲気だ。それでいて、全員がプロフェッショナルであり、無駄のない働き方をしている。フレックスタイム制度を導入していることもあり、仕事と家庭や生活を両立することにストレスは少なく、ワークライフバランスを極める事も長く同社で活躍し続けるためには必要であると同氏は語る。

大澤氏、大島氏が口をそろえて求める人材像として挙げたのは、「主体的な人」である。自らイノベーションを興すくらいのバイタリティーがあって欲しい、と大澤氏は言う。

これから成長期を迎える同社にとっては、主体的に自分から動ける人材が必要なのだ。