デジタルマーケティングの領域で幅広い事業を展開
データ起点のデジタルマーケティングサービスの提供を通じ、クライアントの成長戦略・グローバル戦略を支援している株式会社イー・エージェンシー。日本初の検索エンジンサービスからスタートした同社。現在は3つの主力事業でデジタルマーケティングを支援している。
1つ目が、「Google アナリティクス」をはじめとする「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」を活用したデータドリブンマーケティング事業で、クライアントのデータに基づく意思決定や施策実施を促進するための総合支援を行っている。データ計測環境の構築や解析ツール習得のトレーニングから、重要指標の抽出やマッピング、レポーティングの自動化、課題の発見と解決に至るところまでをトータルに支援しているのだ。
2つ目がマーケティング支援プロダクト事業で、SaaS型マーケティング支援プロダクトの自社開発・販売を行っている。
そして3つ目がeコマース支援事業で、ECサイトの構築から、運用支援を行うための独自のECプラットフォームの開発・運営までを手がけている。
「当社の特徴は、いろいろな事業・サービスが現場主導で立ち上がっていることです」と話すのは、代表取締役の甲斐真樹氏。
「創業当初に比べ、最近は現場がサービスを立ち上げるのを支援したいという気持ちが強くなっており、私は応援に回っています。結果的にいろんなものが立ち上がっているのですが、それら全てにおいてキーワードになっているのが『おもてなしを科学する』という信条です」(甲斐氏)
マーケティングを通じ、人と人の出会いを生み出したいという思いを「おもてなし」と表現。科学という部分には「再現性」の意味が込められている。「お客様が、その先のお客様に対してしっかりおもてなしを提供できるようにすることが、何より当社が果たして行きたい役割です」と甲斐氏は話す。
デジタル化の流れを受け、今以上に『社会の期待に応えられる会社』に
同社の事業の特徴について、甲斐氏は次のように話す。
「今でこそ多くの会社でデータ活用は当たり前になっていますし、データ基盤を作ろうとする企業も増えています。その中で我々は、『データを活用した先に何を実現していくか』をしっかりと見据えていきたいと考えています。それは、お客様とその先のお客様の関係性をどう高めていけるか、ということでもあります。そのためにデータをどう使うか、その姿勢がすごく大事だと考えていますし、それこそがお客様と末長い関係性を築く上で大切なことだと思っています」
最近になってデジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉があちこちで使われるようになり、政府・地方自治体・企業においてDXを支援する動きが加速している。2020年9月に発足した新政権ではデジタル庁も新設される予定で、デジタル化の波は急速に進んでいる。「その流れを受け、期待に応えられる会社になっていかないといけない」と甲斐氏は襟を正す。
1999年の創業以来、売り上げが右肩上がりの同社だが、意外なことに、数値目標を浸透させて皆で数字を追うようなマネジメントはしていないという。
「我々のやっている仕事が世の中にどう役に立つのか、それを何よりも大事にしています。もし我々の役割が大きくなっているとしたら、結果的に売り上げも伸びる。そう信じています。ですから、私は経営計画を考えていく際は『これをすればたくさんの人の役に立てる』という判断基準で進めるようにしているんです」(甲斐氏)
それは、同社の企業理念にもしっかり明記されている。
「私は、現場のメンバーが自分自身で考えたことを形にしていくのを応援するのがとにかく楽しいんです。だから、今後も経営者としてそこを何より大切にしていきたいと思っています」(甲斐氏)
一人ひとりのアイデアが会社の未来を作っていく。そんな環境を作っていきたいと話す。
「今までは社会が縦割りで進化し、それぞれの分野で専門性が高い企業が勝ってきました。しかし、これからは単に1つの専門性だけでは勝てない時代になっていくでしょう。その時に必要なのが、広い視野から横串で動ける人材であり、その時の手がかりとなるものがデータだと考えています。"縦割り"を打開することが私たちの仕事であり、日本を"横串社会"にしていくことが、当社であればできるはずです」(甲斐氏)
どの業界の経験でも活かせる。誠実で好奇心あふれるメンバーを求む
コロナ禍で在宅ワークが働き方として浸透してきているが、そんな中にあっても「お互いを尊重する」というイー・エージェンシーの良さが変わらず発揮されているという。
「これまでは会社や仕事が中心にありすぎたと思っています。今は『仕事=人生』という時代ではありません。一人ひとりに家族や仲間がいて、楽しむべき人生があって、そのひとコマとして仕事がある。そうした観点を持つことが大事だと考えています。在宅ワークになっても、相手の働き方や考え方への配慮など、相互に尊重し合えていることが、素敵なことだと思っていますね」(甲斐氏)
一方で、在宅ワークが続くことでチーム運営や社員の帰属意識など、課題は見え始めている。しかし、そこについても社員たちから自発的にアイデアが出るのが同社の特徴でもある。
「すごくありがたいですよね。しっかり耳を傾け、できることから仕組み化していきたいと思っています。社会の変化に対応できる柔軟性も持ち合わせていきたいです」(甲斐氏)
同社の社員の特徴は「真面目で、優しい」ことだと甲斐氏。だからこそ、求める人物像についても「誠実さ」を求めたいと話す。
「真面目で勤勉、誠実であってほしいです。そういう意味では、この知識がないとダメとか、この分野の経験がないと通用しない、といったことは一切ありません。社会に貢献するために自分の力を発揮したいと考える人であれば、遠慮せずにチャレンジしてほしいです」(甲斐氏)
加えて、いろいろなことに興味・関心を持っていることも大事だ。
「当社がこれから果たしていきたい役割は、縦割りになっているものにデータの力で横串を刺していくこと。ですから、『マーケティングと人材をつなぐことでの化学反応は?』『製造とPRをつなげたら…?』といったように、複数の世界をつないでいくことに興味を持てる人にはピッタリの仕事です」(甲斐氏)
同社のクライアントは、誰もが知るような大企業から中小企業までさまざまで、業界も非常に幅広い。前職がどの業界であっても、そこで得た経験は間違いなく活かせるはずだ。