株式会社アスリートプランニング

株式会社アスリートプランニングは、体育会学生の採用支援事業を核とする人材ビジネスを展開している。1997年の設立以来、企業に対する新卒採用プランの企画、就職イベントの立案・運営、人材紹介、就職情報誌の発行など、企業と体育会学生の出会いを創出するビジネスを手がけてきた。

大手企業の中には新卒採用の20～30％を体育会出身者で占める企業が少なくない。そのことから企業における体育会学生へのニーズの高さが伺える。体育会は主将を頂点としたピラミッド構造の組織であり、そこで育った学生はいわば企業経営を疑似体験した存在として期待されるためだ。

一方の学生側は、潜在能力は高くても、就職意識が低い、就職活動のノウハウがない、などの原因から機会を逸するケースが多い。就職活動をする中で「2～3社まわっただけで決めてしまって良いのか？」「先輩から声をかけられただけで自分の将来・就職先を決めてしまって良いのか？」と、自身の活動に疑問を抱く学生も存在する。

そのような状況に一石を投じようとして生まれたのがアスリートプラニング社だ。代表取締役の山崎秀人氏が、国内初の体育会学生採用企画を手がけたのが1994年。以来、同社が採用を支援した企業は約1,000社にのぼる。

2009年には、厳しい人材業界の中でも黒字決算を維持し続け、同年11月には業界内の優良企業を買収し、さらに成長の勢いを増している。

その強みは学生との信頼関係にある。学生支援スタッフが部室やグラウンドへ直接出向き、個々の学生に対して就活相談に乗ったり、プライベートな話をしたりすることで、互いに顔と名前が一致する関係性を構築しているのだ。それによって、学生の性格や思考、希望など、よりリアルな人物把握が可能となり、ターゲットを絞ったピンポイントの採用が実現しているのである。

学生とのワンツーワン・コミュニケーションをベースとする採用支援ノウハウは、体育会学生以外の採用においても効果を発揮している。同社は、クライアント企業のニーズに応える中で、総合的な採用支援へと活動領域を広げているのだ。

「アスリート」の定義を、体育会学生に限定せず、

「個人の目標に向かって努力を積み重ねてきた人材。人と力を合わせることの大切さに気付き、チームや組織で物事を成し遂げること、相手を活かすことの喜びと難しさを体験してきた人材」

とする同社。“人と組織の活性化”をテーマに、今後も世の中に新たな可能性を切り開くため、さらなる業務拡大を目指す。

同社は企業と学生との間に入りベストマッチングをはかる存在だ。そこでは単なる物売りとは違ったノウハウが求められる。学生や企業は勿論、営業と学生支援スタッフ、就活カウンセリングを行うプロデューサーといった各担当同士の信頼構築が重要だ。

そしてその信頼関係は、社員一人ひとりがそれぞれの立場で高いパフォーマンスを発揮することから生まれる。例えば人材紹介の営業には段取り力やマネジメント力、交渉力、そして関係する者全てを動かすリーダーシップが求められる。そしてそこから逃れずやり遂げることがプロジェクト全体、そして会社そのものを動かす原動力につながるのである。

「バラバラの想いを持った雑多な人間の集まりが、共通の目標を持ち、それを実現するために限界までの努力を重ねる中で、戦う集団に変化していく。それを目の当たりにしたとき、私は深い感銘を受けました」（山崎氏）

と、自ら体育会に身をおいた経験から、起業を決意した経緯を語る山崎氏。多くの企業が抱えている人材面の課題は大局的には国家的危機であり、それを解決するひとつのカギが「アスリート」にあるとの信念を持つ。その熱い想いが、それに劣らぬ意志を持つ人材を惹きつけ、同社の成長を支えてきた。

同社はこれからも、タフな志を持った人材にとって、自己成長の最高なステージであり続けるだろう。