株式会社エスアールエル

株式会社エスアールエルは受託臨床検査事業や、減菌・治験・予防医学関連事業を手がける企業。2,000名を超える社員を抱え、臨床検査業界において国内トップの売上実績を誇る。

国内トップの実績を誇る受託臨床検査事業では、関連子会社と統合し、グループ全体で医療ニーズの高い新しい検査方法の開発・導入に積極的に取り組んでいるという。全国各地を網羅した営業所やグループ会社、ラボラトリーなどのネットワークが強みだ。

減菌・治験・予防医学関連事業では、病院内で使用された器具や器材の洗浄～消毒～減菌を行う減菌・院内物流管理、医薬品開発支援、臨床検査の技術を生かした食品衛生検査や環境関連検査、感染防止商品販売、健康商品販売などを手がける。

また、こうした事業だけではなく情報発信にも熱心な同社。フォーラムの開催や情報誌の発行、そして国内最大級の医療従事者向けの情報サイト「m3.com」を通じて、鮮度の高い臨床検査関連情報を配信している。

2005年には臨床検査薬の製造・販売・輸出入を行う富士レビオ株式会社と統合し、持株会社・みらかホールディングス株式会社を設立、みらかグループとして新しいスタートを切った同社。企業理念でもある「健康で豊かな社会づくりに貢献する」ため、健康をキーワードに、総合医療・保健関連サービスの提供・強化を図っている。

臨床検査は、心電図や脳波など患者の身体を直接調べる「生理機能検査」と、血液や便、細胞など患者の身体から採取されたもの（検体）を調べる「検体検査」に分かれる。この検体検査が同社の主要な領域だ。

検体検査をさらに分けると、病気の有無や臓器の機能を検査する「一般検査」と病気の原因や進行度合を調べる「特殊検査」がある。このうち同社は、特に特殊検査に強みを持っている。特殊検査は一般検査と比較すると機械化・自動化が進んでおらず、難易度が高いものも多いため、同社でしか扱えない検査もあるという。

大学病院や国立病院などの大規模な医療機関を中心に多くの顧客を獲得してきた同社。全国に広がる80か所以上の営業網を活用し、毎日20万件以上の検査を全国1万以上の医療機関から受託し、年間の検査件数は2億を超えるというから驚きだ。検体の保存条件を維持し輸送を行う「保存温度別集荷・輸送ボックス」や、検体を自動で仕分ける「ラボラトリーオートメーション」などの独自の仕組みを開発し、精度の高い検査を実施。同社の集荷から報告までの一貫したシステム構築は顧客からの評価も高い。

幅広い事業領域を誇る同社において、近年ニーズが高まっているのが、感染防止商品販売事業。臨床検査以外の分野における医療現場への貢献を目的とし、10年程前に立ち上げられた同事業は、医療関連感染防止対策のための感染防止商品の販売に加え、医療従事者に対し、関連情報を提供するというもの。特に手の衛生管理に重きをおき、正しい手洗い方法の指導とゲル状速乾性擦式手指殺菌･消毒剤「ゴージョー®MHS」の普及を図っている。

この事業においてキーとなるのが情報提供を担う管理薬剤師の存在。その業務内容について、感染防止商品グループの山田氏に話を聞いてみた。
「薬剤師、といっても薬局における薬剤師業務とは全く性格が異なります。当事業部の薬剤師のミッションは院内感染防止を啓蒙すること。主要業務は医療機関における勉強会の実施です。30～200名の医師や看護師をはじめとする病院勤務者全員の前でプレゼンテーションを行っていただきます」

現在、同事業部に所属する薬剤師は4名。30～50代の責任感のある女性が集まっているとのこと。今後参画する応募者に求める要素を聞くと、このような答えが返ってきた。
「当事業部で働く方になくてはならないものは、社会貢献に対する意欲です。目先の売上実績や自身のキャリアアップだけ図れれば良い、という方には向いていないでしょう。医療の現場に携わり貢献することが自身のやりがいにつながるのではないでしょうか。自らが重要な役割を担い、多くの人にアプローチできる点が当業務の魅力です。また、働き方において、基本業務以外の点に関しては個人裁量の部分も多いので、スケジューリングや業務内容など各自で管理・実行していただければと思います。今いる薬剤師のなかには、商品を積極的に営業したいという方もいれば、学術を極めたいという方もおり、各自の個性を発揮していただいています」（山田氏）

ノロウイルスやインフルエンザ、ＭＲＳＡなど、いまや社会問題ともいえる感染症。この大きな課題にアプローチする業務に携われることは、非常に意義深い。医療業界、ひいては日本の社会全体に貢献する同事業。志の高い人にぜひ参画してほしい。