エンジニア出身の社長が独立して立ち上げた会社
株式会社アニシスは社長である佐藤氏が2001年に新潟にて創業したシステム会社。
佐藤氏は外資系のコンピュータ会社やソフトハウスなどに属しエンジニアとして活躍していたが、「やりたい」システムを作り上げること、もっと自由な裁量で業務を行いたいという意志のもと、独立したという。
独立後は佐藤氏の人脈をもとに数々の案件が舞い込み、製造業や小売業のシステム開発など様々なプロジェクトを遂行してきた。メンバーも徐々に増え、東京の案件も増加してきたため、2005年には東京・芝に事業所を設け、その活動拠点を移した。
プライムコントラクター&自社開発体制の構築を図っています
同社がカバーする領域は幅広い。主力とするシステム開発事業においては、小売・流通業、製造業をはじめ土木、金融などの業界におけるWeb・オープン系の開発から、組み込み・制御系のプロジェクトまでを手がけ、各社員の適性に応じたアサインを行っている。現在は、ソフトハウスにおける常駐スタイルでの開発作業が中心であるが、今後はプライムコントラクターとしての体制の構築を図っていくという。
また、パッケージ開発事業において、佐藤氏は「水泳競技会管理ソフト」を独自に開発。一般の表計算ソフトで管理されることが多い水泳競技会のプログラムや参加者の管理、タイムの入力・集計など、運営に関する一連の流れを管理できるソフトだ。 タイムの並べ方といった競技会独特の決まり事や、日本水泳連盟の規則にのっとったプログラムなので、管理者の手を煩わせることなく適正な情報管理をすることができる。また、選手履歴や大会記録などのデータ管理がスムーズなため、開催回数を重ねていくことの多い競技会情報の管理に、特にその利便性を発揮するという。知人からの依頼をもとに開発をスタートしたものではあるが、今後は同ソフトのバージョンアップも含め、その他のソフトの自社開発にも注力していきたいと佐藤氏は語る。
そんな同社の強みは社員1人ひとりの力。特に40代のベテランエンジニアは、SalesForceやSharepointといった得意とする技術で大企業からBy Nameで指名がくるほど。また、その他の第2新卒・新卒の社員も、勉強意欲の高い人材ばかりだ。
「顧客管理システムをカスタマイズするプロジェクトに約1年携わっています。プログラムを理解する際につまずくこともありますが、その都度勉強し、また、先輩に相談するなどして解決しています。過去にクリアしたハードルは2度目には悩むことが無いよう、理解・習得することを意識しています。新しいハードルは次々と生じてきますが、自分が着実にスキルアップしていることは実感しています」と語るのは第2新卒で入社した宮山氏。宮山氏に今後の目標について聞いてみると「業務を通じ、様々なシステムにおけるそれぞれの良い部分を学び、将来的には自分で描いた理想のシステムを構築できるようになりたい」という答えが返ってきた。穏やかに、かつ、しっかりとした口調で話す同氏から、主体的に業務に取り組む姿勢、意欲の高さを感じた。
「自ら学び、技術を高めていく自主性のある社員の存在が当社の特徴です。あと、体育会系のシステム会社であると自負しています(笑)。エンジニアの業務は比較的体力勝負であることも多いですからね」(佐藤氏)
常駐先における社員の評価も高く、その働きぶりが業務契約の更新や他の案件の受注などにつながっているという。社員の努力があってこその会社である、と同社は考え、成果に対する適正な評価・給与制度を採っている。
「話ができる人」「勉強意欲の高い人」が必須条件
東京を中心とした取引先にそれぞれ配属されている社員たちは、月1回は全員で集まり飲みに行くという。「気づいたら週1~2回ペースで誰かしらと飲んでいることもある」と佐藤氏は笑顔で話す。
「社員たちには、それぞれの現場でも飲みに行くなど積極的にコミュニケーションを取ることを薦めています。私の考えるエンジニアは、ただ黙々とPCに向かって作業をするものではありません。エンジニアとして成長するためには、人とのつながり、対話することが何より必要です。人と話したくないからエンジニアになった、という方は当社ではお断りさせていただいています。『話ができる人間』であることが当社の社員としての必須条件です」(佐藤氏)
また、前述したように「勉強意欲の高い人」であることも同社で働く上で必要な要素だ。自らを律し、高めていける人を同社は求めている。
システム会社やエンジニアは現在飽和状態。今後淘汰が進む業界において生き残れる会社、エンジニアの在り方を同社は追求する。
2009年には初の社員旅行を実施するなど、会社としてのカルチャーを育成している段階でもある同社。「これから」の会社を創り上げる喜びをぜひ分かち合ってもらいたい。