約100年の歴史を持つ総合建設会社
株式会社フジタは2010年に創業100周年を迎える総合建設会社。
都市再生事業の先駆的存在であり、実績も多い。また技術開発力にも定評があり、工期を大幅に短縮する独自の工業化工法や無人化工法などの技術を生み出したほか、「“高”環境づくり」の企業スローガンのもと、自然再生を実現するフェスタ工法をはじめとした環境技術の開発にも多くの実績を誇る。
日本の郊外型商業施設の先駆けともなった「船橋ららぽーと」をはじめ、全国初の大型民活プロジェクトである大宮の「ソニックシティ」など、規模・知名度ともに大きなプロジェクトを数多く手がけてきた。
都市再生や環境技術という強みを持つ同社だが、あくまで自分たちは建設会社であり、建設会社としての高い技術や強固な体制があるからこそ都市再生や環境技術への取組みが可能になるのだと言う。
建設事業における同社の強みは総合力だ。
建物の企画・提案、設計、施工、維持・管理、修繕・更新、解体・浄化など、「建設ライフサイクル」すべての段階において事業を展開しており、各種業務を個別に受注することもできる一方で、建設ライフサイクル全体をトータルな視点で捉えサービスを提供することもできる。多様化する企業のニーズにフレキシブルに対応できること、そしてクライアントが事業を展開する際に発生する様々なリスクに広い視点で対応できること、これらはすべて建設事業において約100年にわたる実績とノウハウの積み重ねにより築いた体制があってこそ、はじめて可能となったものなのだ。
高い技術力と圧倒的な提案力
高い技術開発力もフジタの強みの一つ。工期を大幅に短縮する独自の工業化工法や、人の立ち入ることができない地域において通信機器などを駆使した遠隔操作で重機作業を行う無人化技術などのほか、「“高”環境づくり」の企業スローガンのもと自然再生を実現するフェスタ工法や土壌を用いて、自動車排気ガスから汚染物質を除去し、浄化するシステム「EAP」や大気汚染物質を処理するフォトロード工法(日経BP賞・第1回エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞受賞)、シールド排泥処理などに用いる「FTマッドキラー」(地盤工学会「地盤環境賞」受賞)など環境技術の開発にも多くの実績を持つ。
さらに、同社を語る上で欠かせないのが「提案力」だ。
同社は単純な工事請負ではなく、企画・提案型の営業活動により事業を拡大してきた。約40年前、企業戦略の一環として「VEによる効率化」を唱えてValue Engineering(VE)を導入。以来、お客さまが求めている機能と、そのために必要なコストとの関係を分析し、最適な設計・建設手法を提案することにより、高い顧客満足を実現してきた。フジタでは営業部門に限らず、全ての分野・部門においてVE活動を行っており、企業全体としてお客様の立場からみた価値向上を追求し続けている。
今後も経営資源を建設需要の旺盛な首都圏へ集中して効率化を進めるとともに、商業・物流・医療福祉・工場の4分野を中心とした経営戦略で事業を推進。VEで育んできた柔軟な発想力や建設事業で培ってきた技術とノウハウを生かして、企画・提案力を武器にCS(顧客満足度)の向上に努め、新たな市場を開拓していく予定だ。
汚染物質を除去し、浄化する「EAP」
目指す姿は「超ゼネコン」
常務執行役員の大平克之氏は、フジタを「変革にチャレンジし続けてきた企業」だと言う。受注産業である建設業にあって企画・提案型の営業体制を整えてきたこと、30年以上も前に等価交換方式や独自の権利調整手法を主軸とした大型開発事業に着手しはじめたことなど、同社の新しい取組みに対する姿勢は積極的である。
大平克之氏は言う。「若いうちから大きな裁量を与え仕事を任せるというリベラルな社風があるからこそ、このような先進的な取組みができるのだ」と。
2005年3月に策定した「前中期経営計画」を前倒しで達成。強化された収益基盤を生かし、2007年7月新たに「フジタSTEP-UP計画」を策定し、さらなる成長路線へと舵をきった同社。主力となる民間建設分野へより集中し、建設事業を安定収益基盤として確立するとともに、当社の強みである都市再生事業を活かして、「超ゼネコン『建設機能を基軸とした都市再生企業』」を目指す。
「これまでのゼネコンの概念を打ち破り、新たなビジネス領域を展開していくためにも、新しく入社される方に大いに期待しています」(大平克之氏)。
工場跡地を大型商業施設として有効活用