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榎本金属株式会社

  • 製造・メーカー系

大手との直取引でノウハウ蓄積。次世代を見据え進化するファブレスメーカー

グローバルに活動
残業少なめ

企業について

モノづくりの街として知られる大阪府東大阪市で、全国有数の金物流通拠点として発展してきた大阪金物団地。榎本金属株式会社は、その一角に本社を置き、住宅設備用金物等のOEMビジネスで持続的成長を遂げてきたファブレスメーカーだ。

同社は1946年12月、大阪市西区で創業し、時代に合わせて業種業態を柔軟に変えながら発展し続けてきた。現在の基礎を確立したのは1973年以降のことだ。現在地への全面移転を機に住宅設備分野に進出し、大手建材メーカーへの販路を開拓する一方、工場を持たないファブレスメーカーとして住宅金物の企画・開発に特化してノウハウを蓄積してきた。

特に飛躍するきっかけとなったのは、2000年6月の建築基準法改正である。同改正で住宅の階段には手すりを設置することが義務化された。既に大手建材メーカーのOEMを受ける形で階段用の手すりを開発製造するノウハウを蓄積していたことがアドバンテージとなり、OEMメーカーとして大きくシェアを伸ばし、その後の成長を牽引する原動力となったのである。

現在(2026年6月)、同社が扱う製品は大きく「階段手すり金物」「水回り(キッチン・洗面)」「収納建具(ドア・施設向け)」の3分野に分けられる。階段昇降時の落下を防ぐ手すりから、キッチンの油ハネを防ぐオイルガード、毎日手を触れる室内ドアの蝶番やドアノブ、さらには保育園や老人保健施設、ホテル等に設置される施設用建具まで、誰もが日常的に利用する空間づくりを裏側で支えている。

最大の強みは、誰もが知る大手建材・住宅設備メーカーと商社を挟まずに直接取引を行う商流と、協力工場のネットワークを生かして企画から物流まで一貫してコントロールできるノウハウだ。営業部隊が顧客のニーズをいち早く汲み取り、設計開発課や購買部門と連携しながら、顧客の要望を具現化する。自社工場を持たないファブレスメーカーだからこそ、特定の製造設備に縛られることなく、柔軟な発想で顧客のニーズに向き合える。そこから生まれる提案力と実現力こそが、大手顧客からの信頼を勝ち取る最大の要因となっている。

以上、住宅金物のOEMメーカーとして一定のポジションを確立してきた同社だが、現在同社を取り巻く市場環境は劇的な変化を遂げている。同社もその変化に対応すべく、ドラスティックな改革に着手しようとしているところだ。

今後の展開について語るのは、取締役・池崎良徳氏だ。
「これまで蓄積したノウハウを生かしつつ、自ら価値を創造し市場に届けるビジネスモデルの構築と社内の意識改革に着手しているところです」

近年、人口減少による需要低下、資材高騰やインフレに伴う住宅価格の上昇、省エネ基準適合義務化等の法規制強化といった条件が重なり、国内の新築住宅着工件数は減少傾向にある。また、エンドユーザーの価値観多様化等、住宅業界を取り巻く環境は厳しさを増している。そんな中、同社の取引先であるメーカー各社も大きな転換期にあり、サプライチェーンの見直しを図る動きも見せ始めている。

そういった市場背景の下、同社はOEM中心のビジネスモデルから脱却すべく様々な手を打ってきた。例えばOEMで作った商品をベースにしたオリジナル商品開発や、そういったオリジナル商品に仕入れ商品を加えて展開するEC事業である。ただし、オリジナル商品の販売先は既存顧客が中心であり、思い切った展開が難しいこともあり、自社ブランドとして確立するには至らなかった。一方のEC事業も余剰在庫を販売するチャネルの一つというポジションのまま継続しており、事業転換のきっかけをつかむまでには至っていない。

ターニングポイントは2024年、現社長の就任だ。世代交代を機に、全社を挙げた社内改革に取り組むべく、推進役に池崎氏を任命し、本格的な改革に向けた下地を着々と進めてきた。

池崎氏は、自ら会社経営に携わった経験を持つ。同社への入社は2006年で、管理課で決算業務や規定類およびインフラの整備等に携わる他、営業から工場手配等、事業全体に幅広く関わってきた。その傍ら独学で中小企業診断士の資格取得を目指し、2022年に資格を取得している。

その池崎氏の下、同社が約2年をかけて取り組んできたのは中期経営計画の見直しである。社長が人選した社員でプロジェクトチームを結成し、ファシリテーターとして社外から中小企業診断士を招き、現場の声を反映して実効性のある計画立案を目指した。

策定した計画の軸は“利益を上げられる体制づくり”と“自社の存在価値の再定義”だ。案件が降りてくるのを待つのではなく、自ら価値を創造し、顧客の価値も高め、収益を確保しながら社会に認められるビジネスモデルを目指している。

「これからは何を作るか、何をやるか、自ら企画を立案し世の中に問う姿勢が求められます。社員一人ひとりの意識改革にも取り組む計画です」(池崎氏)。

策定した計画を実現するため、2026年7月以降、同社は二つの大きな柱に基づく改革をスタートさせる。

一つ目の柱は“製品開発プロセスの見直し”である。従来のOEM受注を中心としたプロダクトアウト型のモノづくりから脱却し、自ら情報をつかみ、市場のニーズを的確に捉えるマーケットイン型のモノづくりへと転換を図る。

二つ目の柱は“人事考課(評価制度)の全面的な見直し”だ。属人化を防ぐために、仕組み化を進めると同時に、社員の挑戦を正当に評価する制度を導入する方針である。

「社員の新しいチャレンジを促すとともに、そのチャレンジを正当に評価する制度を、2年ほどかけて作っていきます。同時に各職種に応じた教育体制も確立します。社員が自由に発想し、自分の考えに基づいて動ける環境を整備する計画です」(池崎氏)。

2026年7月期から始まる中期経営計画を進めるために避けて通れないのが、そのビジョンに賛同し推進役を担う人材の確保である。特に同社のビジネスのエンジンともいえる営業課、設計開発課の強化が喫緊の課題となっている。従来の枠にとらわれず積極的なチャレンジができる人材を採用する計画だ。

同社の魅力は伝統的に受け継がれてきたチャレンジ精神を育む土壌である。2000年代、住宅金具でシェアを拡大した後に、水回りや収納建具の領域へと業容を広げていった際も、同社の社員が率先して市場を開拓してきた経緯がある。また、中期経営計画を策定する際に現場の社員達でプロジェクトチームを組んだ背景があるのもそういった同社のカルチャーである。

こういったカルチャーが定着しているのは、同社の経営陣が代々、社員が主体的に力を発揮できる環境づくりに努めてきたことが要因である。例えば、中小製造業には残業や休日出勤が当たり前というイメージが定着しているが、同社では数十年前から労働時間短縮に取り組んできた。そのため残業や休日出勤はほとんどない。有給休暇を取る際も、自身の責任を全うし、プロジェクトが滞りなく進んでいる限り、誰に気兼ねをすることもない。

また、近年は社員が安心して長く働ける職場を実現するため、健康経営にも力を入れてきた。健康保険組合が推進する「健康宣言」にエントリーし、2026年3月には健康経営優良法人の認定も受けている。今後もこういった取り組みを維持しながら、収益拡大を目指す考えである。

「評価制度や教育制度を見直すのも働きやすい環境づくりの一環です。将来的には会社に来なくても仕事ができるようリモート環境も整備したいと考えています」(池崎氏)。

今後の展開を見据え、同社が求めているのは、自らの考えに基づいて行動できる人材である。

「指示されたことをこなすだけではなく、やんちゃでも良いから自分の考えに基づいて動ける人間です。特に営業は、失敗しても構わないので能動的に行動できる人材が欲しいです。その一方で開発は技術力強化が課題です。何を作るかをイメージし、それを具現化するための設計力や技術力を持った人材を求めています」(池崎氏)。

同社は創業80年の歴史を持ちながら、過去にとらわれず柔軟に変化することで発展してきた。今後も過去のしがらみにとらわれず、さらなる進化を目指している。

「自分で働いて、自分で稼ぐ。そのための環境はこちらで整備していきます。思い切り飛び込んできてください」(池崎氏)。

“世の中にないものを生み出していく”

それがこれからの同社のコンセプト。そこに喜びや楽しみを見出し、共に新しい会社をつくり上げていける人材を同社は待っている。

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インタビュー

榎本金属株式会社のインタビュー写真
営業部長・真鍋 明峰氏 1973年生まれ。1995年4月、新卒で榎本金属株式会社入社。営業部配属。大手建材・住設メーカーに向けた提案営業に従事。営業課長、営業次長、設計開発課長(兼任)を歴任。2016年、営業部長に就任。現在も営業活動に従事しながら、プレイングマネージャーとして営業課と設計開発課(営業部内)の橋渡し役を担う。中期経営計画に基づき、新しい営業スタイルや商品開発フローの確立に取り組む。

── 階段手すりや金物は、他社に先駆けて取り組んでおられたと伺いました。

はい。当社は、2000年6月の建築基準法改正以前から、階段手すり金物の製造に着手していました。

それまで、住宅の階段に手すりを付けることは法律で義務付けられていませんでした。しかし、2000年の建築基準法改正以降、新築住宅の階段には必ず手すりを設置しなければならなくなりました。当社は、その少し前から手すり金物の開発や製造に取り掛かっていたことが功を奏し、法改正によって急増したお客様の需要へ即座に対応することができたのです。他社よりも早く着手していたことが最大の強みとなり、シェアを一気に伸ばし、それが現在の基盤をつくるきっかけとなりました。

現... 続きを読む

企業情報

会社名

榎本金属株式会社

業界

製造・メーカー系 > その他メーカー系

企業の特徴
グローバルに活動、残業少なめ
資本金

3000万円

売上(3年分)

2025617億1千万円

2024616億7千万円

2023616億7千円

設立年月

1963年12月

代表者氏名

榎本 昌弘

事業内容

住宅関連金物、家具用金物の企画・開発・販売

株式公開(証券取引所)

主要取引先

大手建材メーカー、ハウスメーカー多数

従業員数

35人

本社住所

大阪府東大阪市金物町2-23

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弊社は創業70年と社歴が長い会社ですが、この度将来に向けての組織風土の改革に着手しています。チャレンジ精神のある方大歓迎ですので、是非ともに新しい会社を築いていきましょう!
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