アクイジション株式会社

アクイジション株式会社は、紙、Web等の多様な手段を使ったSPツールの制作を通じて、「商品・サービスの魅力」と「エンドユーザー」を繋いでいる会社である。

同社の大きな特徴は「保険業界」に強みを持っている点だ。代表取締役社長の飯塚裕史氏は、会社を設立する以前は印刷会社に勤務し、営業担当として保険会社の顧客を多く持っていた。特に団体保険募集のパンフレットを多く納品していたという。2009年に「起業して自分の力を試したい」「自分を育ててくれた墨田区の雇用創出に貢献したい」という思いのもと、同社を一人で設立した。

新しいことに挑戦したいと思った飯塚氏は、既に太い人脈を築いている保険業界にはあえてアプローチせず、立ち上げ当初は医療や食品等の様々な業界の顧客を開拓していた。その後、徐々に元々繋がりがあった大手保険会社や保険代理店から「ツール制作をお願いできないか」という相談が増え、保険業界の課題を解決しているうちに業界特化型のSP制作会社へとシフトしていく。

現在は大手保険会社や保険代理店を主要取引先とし、パンフレットやチラシ、ハンドブック、申込書、重要事項説明書等の印刷物、それらをアッセンブルする封筒のデザイン、およびアッセンブル（個人情報を含むツールの高難度な封入作業）、企業からお預かりした団体保険募集用の個人情報データ加工等をワンストップで手掛け、今や受注案件数は年間700～800にも上る。

保険募集に使われるデータは、個人情報も扱うことから非常にデリケートかつ繊細だ。タイプミスや誤植、アッセンブル時の作業ミスは決して許されないだけに、保険業界に特化し、かゆい所に手が届くサービスは大きな差別化に繋がっている。大手企業が使う団体保険募集のツールを企画からデザイン、アッセンブル、発送まで一貫して手掛けられる同社は希少な存在である。まさに「ニッチトップ」を目指しているといっても過言ではない。一度ツールを納品した取引先の多くは、その利便性の高さからリピーターとなっている。口コミや紹介によって、営業せずとも依頼が舞い込んでいる状態だ。

世の中でペーパーレス化が加速している昨今、保険業界においても各種業務のデジタル移行が進んできている。保険業界の課題解決を掲げる同社は、3年ほど前から団体保険の申し込みをWeb上（企業の従業員だけが閲覧できるクローズサイト）で完結できるシステムを開発し、保険会社や保険代理店への提案・導入を行っている。

保険会社からすれば、審査や契約時に発生する煩雑な紙書類のやりとりが減り、各情報をデータ化することでヒューマンエラーの防止に繋がる。企業の従業員（エンドユーザー）からしても、保険の加入状況が一覧で見えるようになり、契約時のやりとりに余計な時間を割かれることがなくなる。双方にメリットをもたらすシステムは高い評価を獲得し、Webサイトの継続利用・紹介はもちろんのこと、従来の紙ツールの依頼も増えるという相乗効果を生んでいる。

事業が順調に拡大する中、同社は2023年に営業兼進行管理チームを立ち上げた。現在は紙ツール担当とWeb担当に分かれ、団体保険募集を中心とする提案・制作進行・データ処理・アッセンブリを行っている。今後はWebサイト事業のさらなる強化を見据え、Webサイトの進行管理を担う人材の採用に力を入れるとのこと。

同社で活躍できる人物像について、飯塚氏はWebサイト構築に関する最低限の実務経験・知識にプラスし、「課題解決力」「人間性」「周囲とのコミュニケーション」をキーワードとして挙げている。
「当社のWebサイト事業で大切なのは、最先端の技術を駆使してかっこいいWebサイトをクリエイトすることではありません。保険業界のお客様と真摯に向き合い、社内各チームと密に連携を取りながら、お客様から頂いた宿題にきっちりと対応する。そんな愚直&誠実なタイプの方が当社には馴染みやすいと思います」（飯塚氏）。

ちなみに保険の知識は一切いらないとのこと。入社後にOJTで一つひとつ覚えていける環境があり、保険とは全く関係ない業界出身者も着実に戦力になっているという。

同社のWeb事業の醍醐味をひと言でいうなら「圧倒的な当事者感覚」だ。本格的にWeb事業をスタートしてから3年ほどしか経っておらず、ようやくスタートアップ期から拡大期に突入したところ。様々な部分で未完成の段階にある。

「開発やサーバー運用は外部に依頼している状態なので、今後は内製化にも力を入れて社内に知識・ノウハウを蓄積していきたいと考えています。このほか、データベースサイトの構築やGoogle Analyticsを使ったデータ分析、分析結果のレポーティング、Webサイトのマスターのリニューアル等、サービスをより良くするために着手したいことが目白押しです。これからジョインする方には、ぜひ意見・アイデアを積極的に出していただき、一緒に仕組みをつくっていきたいですね」（飯塚氏）。

中途入社組が中心に活躍している同社では、年功序列・社歴偏重のカルチャーは全くない。自分から手を挙げさえすれば、誰もが成長チャンスを得られる「風通しの良さ」がある。例えば最近の事例では、入社間もない社員の提案が起点となり、社内の業務改善プロジェクトがスタート。その社員がプロジェクトメンバーとして参加し、データ処理やメール等の事務処理を自動化する取り組みを進めている。

教育体制についても、無駄に長い研修期間は設けていない。入社後はOJT形式でどんどん業務を習得し、慣れていったら各々が裁量を持って日々のスケジュール・行動計画を立てている。残業は極力なくし、休める時にはしっかりと休む。有給休暇の取得率も100%。そんなオンとオフのメリハリが利いた職場で、自分が課された役割に全力投球できる職場環境となっている。

最後に飯塚氏に求職者へのメッセージを伺った。
「当社は真面目で穏やかな社員が多く、時には飲みに行ったり、食事会を開いたりと、人間関係も良好な職場です。周りとの会話やチームワークを大切にする方であれば、きっとすぐに馴染めるはず。一緒にWeb事業を盛り上げていきましょう！」（飯塚氏）。