株式会社イースマイル

株式会社イースマイルは、⽔道事業を中⼼に多⾓的な事業を展開している会社だ。1992年6⽉、⼤阪市で創業し、現在は⼤阪本社、東京本社の2本社体制で、北海道から九州まで38拠点を構え、⽇本全国でサービスを展開している。
⽔道事業は⼀般家庭および法⼈（マンション管理会社など）を対象とした⽔の緊急トラブル対応、トイレや蛇⼝、給湯器等の設備交換・修理、⽔まわりを中⼼としたリフォームといったサービスを提供している。それらの成約件数は業界第2位だ。
特に24時間365⽇対応の緊急トラブル対応サービスは、有名キャラクターを公式キャラクターとして起⽤した広告・販促やキャンペーンを展開するとともに、近年はタレントを起⽤したテレビCMの出稿など、積極的な広報活動とブランディングで認知を広げている。
認知度の⾼さだけではなく、サービスに対するユーザー満⾜度も⾼い。外部調査機関のユーザー調査では、現場で対応する技術者やコールセンターのオペレーターなどの迅速な対応、丁寧な説明、接客態度、そして透明な料⾦体系等が評価されている。
そのサービス⼒を⽀えているのは、奈良県⽣駒市に構える研修センターだ。トイレ、お⾵呂、キッチン等、⼀般家庭の⽔回りを再現。現場を知り尽くした熟練コーチが、様々なトラブルシーンを想定した実践的な研修を実施し、実務知識と専⾨技術を教え込む。また接客を担う全てのスタッフに対し、コンプライアンス・マナー研修を実施。修理をするだけではなく、本質的な顧客の要望を⾒極め、応えられる⼒を持つプロフェッショナル育成に努めている。
事業戦略本部 ⼈事戦略部⾨ ⼈事課、溝⼝⽒が語る。
「実際に、私⾃⾝も修理に同⾏し、お客様のリアルな声を調査することも多いのですが、数ある⽔道会社の中でも、イースマイルに対して良いイメージを持っていただいているお客様が多いです。」（溝⼝⽒）。

⽔道事業を伸ばす傍ら、同社は事業の多⾓化を進めてきた。1994年には、⼦会社を⽴ち上げ、広告代理店事業に参⼊。そこでオフラインマーケティングの領域で独⾃のポジションを築いている。
また、2010年代後半には、会社として⼈材の意識から、⼈財の意識へと変化があった。その経緯を語るのは取締役・島村⽒だ。
「当社は、良い⼈財を集め、活躍してもらうことに重きを置いています。⼤量採⽤、 ⼤量離職では、会社にとってもメリットがありません。そのため、⼀⼈⼀⼈が輝く環境を⽤意することや、しっかりと活躍できるように研修で特に⼒を⼊れております。 また、⽔道事業、不動産事業、広告事業と、このように多⾓経営を進めてきたことは、今後の事業展開において、他社にはない強みとなるはずです」（島村⽒）。

広告代理事業、⼈材紹介事業にも、株式会社イースマイル不動産が担う不動産売買・仲介事業、2024年にM&Aによって参⼊した排⽔管⼯事事業など、積極的に新規事業に取り組んできた同社。創業以来30年以上に渡り、業績は右肩上がりに推移してい る。特に2006年からの10年間は全事業の合計売上⾼が10倍以上に成⻑。⽔道事業以外の事業も、ノウハウを蓄積し、それぞれの売上⽐率も着実に増加し、成⻑余⼒のある事業に成⻑している。今後もグループ事業のシナジーを⽣かしつつ、事業ごとに独⾃のブランド戦略を描きながら発展させる計画だ。

⽔道事業以外では、広告代理店事業におけるWeb領域への進出、さらに現在、⼤阪・名古屋・⾸都圏で展開する給排⽔管管理事業の全国展開といったビジョンを掲げる。
こういった事業ビジョンの実現に向け、同社が取り組むのは事業体制の再構築だ。事業ごとに独⽴した事業部を⽴て、分社化を進める⼀⽅で、各事業部における活動を促進するため、本部機能の強化に取り組んでいる。すでに2024年には、溝⼝⽒を中⼼としてPR部⾨と⼈事部⾨の体制を整備している。今後に向けて進めているのは、Webマーケティング部⾨と広報部⾨の体制確⽴だ。両部⾨とも、まずは中核事業である⽔道事業からスタートし、体制を確⽴した後に、他事業部や⼦会社へと展開していく構想を描く。現在、注⼒しているのは、その中核を担う⼈財の確保である。
「事業内容が単⼀ではなく、BtoCもあればBtoBもあります。そのためWebマーケティングも広報も、業務の幅が広がりますので、やりがいも⼤きいと思います。いろいろなことに挑戦したい、スキルアップを⽬指したいという⽅には、絶好の環境をご⽤意できるものと⾃負しています。しかも各事業部とも、⼀定の規模感を持ちながら、ベンチャー志向で進められる。唯⼀無⼆のポジションです」（島村⽒）。

同社の中核事業である水道事業は、生活インフラに関わる事業のため景気の波に左右されることがない。コロナ禍の影響もほとんど受けることはなく、順調に売り上げを伸ばしてきた。

だが、その安定性ゆえ、長年の事業経緯の中、組織の一部では柔軟性が失われ、変化を好まない風潮も生まれつつあった。コロナ禍の下、その弊害があらわとなったことがきっかけとなり、同社は企業文化の刷新に取り組んできた。

「社長自身、現状維持を嫌い、常に変化し続けることを目指している経営者です。幸いにも盤石な財務基盤がありますので、外部からの資金調達をすることなく、内側からの改革を進められました」（島村氏）。

その社内改革が一段落した現在、さらなる成長に向けた取り組みの一環として進めているのが、Webマーケティング部門と広報部門の新設である。現在求めているのは、それぞれの専任担当者として、日々の取り組みの計画立案から施策の実行を担うとともに、部門の確立を牽引してくれる存在だ。

「もちろん丸投げするわけではありませんが、責任を持って部門を立ち上げられる胆力のある方を求めています。スキルだけではなく、メンバーを統制する力も必要です。また、イースマイル本体だけではなく、グループ会社の事業にも向上心を持って携わり、楽しんで仕事をこなせる人材が理想です」（島村氏）。

同社で働く魅力を、溝⼝⽒は次のように語る。

「当社は代表や島村をはじめ、役員が一般社員よりも働く会社です。特に社長が休んでいるところは見たことがありません。365日、仕事や会社のことを考えていることが伝わってきます。全社員がその姿を見ているため、あえて経営理念や行動指針などを言語化しなくても、統率がとれた組織運営が実現できているのです」（溝⼝⽒）。

役員が現場に入り込み、一般社員と一緒に仕事をするため、トップの意向も伝わりやすい。社員の仕事ぶりや意見も直接経営陣に伝わりやすい。頑張れば頑張っただけ評価される環境もある。

その一方では、社員の健康を気遣う社内制度や環境作りも進めてきた。例えば、大阪本社では社員の声をもとに、業務の途中でも仮眠が取れるよう休憩室・リフレッシュルームを設けている。16ブースの個室は常に埋まっている状態だ。

「当社はベンチャーのような裁量権を持って働ける会社です。しかもベンチャー企業以上に幅広い活躍ができます。好奇心旺盛な方にはおすすめです。人柄の良い社員が多いことも魅力の1つです」（島村氏）。

手堅い経営手法を取りながら、時代のニーズに応えながら次々と新しい事業に挑戦してきた同社。社員が力を発揮する場は今後も広がり続ける。