ミテネインターネット株式会社 | インタビュー

代表取締役小澤智哉氏昭和63年生まれ。東京で生まれ育つ。大学卒業後、2011年4月に三谷商事株式会社入社。情報ソリューション事業部中部支店配属。3年間、文教向け営業に従事。2014年7月、M&A専門部署、事業開発部に配属。案件のソーシングからクロージングまでを担当。2017年に自身がM&Aを実行した株式会社ページワンに出向し、代表取締役就任。2022年ミテネインターネット株式会社取締役就任（以降、ページワン代表取締役と兼任）。2024年、同社代表取締役就任。現在に至る。

元々経営者の仕事には関心をお持ちだったのですか。

いいえ、元々は経営者になろうという意識は全くありませんでした。三谷商事の事業開発部のミッションが、M&Aを行い、自ら社長として出向するというものでした。そこで初めて経営というものを意識しました。ページワンは、ネットで歌詞を検索する「歌ネット」というサービスを提供している会社です。2001年5月にミュージシャン出身の方が創業した、業界ではパイオニア的な存在です。三谷商事の方針と私の関心が合致していたため、投資を決めました。 M&A当時、歌ネットはユーザー数月間800万人という国内最大級のサービスでした。ただ、その規模に見合うだけの売上が作れていないことが課題でした。広告で収益を上げるビジネスモデルでしたので、広告運用とユーザー獲得の強化を両軸で行った結果、5年間でユーザー数は1,300万人に増え、売上と利益は2倍弱にまで成長しました。現在はページワンとミテネインターネットを兼任しており、会社の経営、特に社長という仕事にやりがいを感じています。

36歳とお若いですが、個人的にはどのような人生を切り開いていきたいとお考えですか。

私は日頃から「なぜ生きているのか」ということを意識しながら生きています。「自分が何をやってきたか」という足跡を残したいという欲求を強く持っているのです。それが事業規模なのか、それとも特定領域におけるサービス開発なのかは明確にはなっていませんが、年齢を重ねて人生を振り返った時に、「これが私の人生だったのだな」と実感できるものを残したいと思っています。そう思うことには理由があります。三谷商事でM&Aに従事していた時に、様々な創業者の方とお会いしました。いずれも何かを成し遂げてきた方々です。例えばページワンであれば、日本で最も使われているネットで歌詞を検索するサービスを作った方が創業者です。「社長」という肩書の方は無数に存在しますが、「創業者」は限られた、特別な存在です。だからこそ「これを作った」と言える人になりたいという気持ちが強くあります。私は、技術者ではなく、プログラムは書けません。技術を持った方とタッグを組んで、独自の製品を生み出したいと考えています。

ミテネインターネットの今後の事業展開をお話しください。

現在、当社ではクラウド事業が好調です。引き続き注力しながら、しっかりと売上を伸ばしていきたいと考えています。その一方では商材とエリア、それぞれの軸で新しい展開を始めています。まず商材に関しては、これまで差別化の難しいものばかりを扱ってきました。クラウド事業が伸びている間に、差別化に繋がる新規事業を開発したいと考え、近年、意識が高まっているセキュリティ領域での新規事業開発が進行中です。エリア軸では北陸3県以外でのシェア拡大を目指し、営業活動を強化しています。北陸3県でのビジネスは現在も着実に業績を伸ばしていますが、企業様が限られているため、飛躍的な成長を遂げるためには、他エリアでの展開が必要です。私は元来、積極的に外に出ていきたいタイプの人間です。福井という地域に閉ざした戦略だけで成長し続けるビジネスには面白みを感じません。非効率かもしれませんが、お客様の幅を広げるためにもエリアを広げていきたいと考えています。当社が地方の論理や地方でビジネスを行う難しさを理解していることは、一つの強みです。日本中どこへ行っても、都市部から少し外れれば、「IT投資が十分にできていない」「人材不足で一人がいくつもの業務を兼任している」等、地方特有の課題を抱えた会社は沢山あります。そういった課題を抱えた企業に寄り添えることや、自動化されていない人間味のあるカスタマーサポートを武器に地域展開を進めていく計画です。

新規事業について、もう少し詳しくお話しいただけることはございますか。

近年、様々なセキュリティ事故が発生し問題になっていますが、それを100%防ぐことは不可能です。例えば我々が対象としている中小企業のシステム担当者の方は、セキュリティの専門知識がない、または兼任のため、十分な対策が取れません。そういった方々にとって便利なセキュリティサービスを開発しています。システム担当者の皆さんは普段ものすごく頑張っていらっしゃるのに、1個の設定ミスで侵入されてしまうことがあり得ます。難しいのは、セキュリティは事故が起きてみないと投資されない領域であることです。現場の担当者は頑張っているし、もっと投資したいと思っていても、その気持ちは経営陣には伝わりません。日頃頑張っているのに、たまに起こしたミスが一大事になり、経営者からひどく怒られる。そういうことをなくすためのサービスです。中小企業のシステム担当者の皆さんが苦労してきたセキュリティ対策を当社が引き受ければ、アプリ開発等、生産性のある業務に集中して取り組むことが可能となります。担当者の業務内容が変われば、その企業自体の生産性向上に繋がり、事業拡大にも繋がる。それによってシステム投資が増えれば、当社の既存事業のニーズも増えていく。そのような循環をつくっていきたいと考えています。

これから中途でご入社される方へのご期待をお話しください。

思考を閉じないでいただきたいという想いが大きいです。社員のキャラクターは多様性があって良いですし、必要であると思っています。しかし、現在の20名という規模で既存事業は成り立っていますので、新しく迎える方は、これまでの当社には存在しなかったタイプを積極的に採用したいと考えています。地元福井の方でも他地域の方でも構いませんが、全国を視野に入れて考え、行動していただきたいです。日本に限らず、海外のサービスもフォローしながら、ユニークな提案をしていただける方に期待をしています。既に中途でご入社いただいた方からは、経営者との距離が近いため、自分で企画したことが認められやすく、すぐに実行できるところが当社の魅力だとおっしゃっていただきます。私自身が36歳と、転職してこられる方とは世代が近いため、話が通じやすいこともあるかもしれません。自分で考えて実行したい方には、最適な環境がご用意できると自負しています。意欲を持たれた方は、ぜひご応募ください。