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株式会社木幡計器製作所

  • 製造・メーカー系

信頼の「錨印」ブランドと進取性に富む気質で新たな時代を切り開く老舗圧力計メーカー

企業について

圧力計で「錨」のマークと言えば、造船業やプラントの装置製造に携わる人々であれば、1度は目にしたことがあるだろう。株式会社木幡計器製作所は、造船業が日本の花形産業であった明治時代末期の1909年に創業された圧力計の老舗メーカーだ。
現在の代表取締役・木幡喜久恵氏の祖父にあたる久右衛門氏が、当時国産品が少なく輸入に頼っていたブルドン管圧力計に着目。家業である金物商を営む傍ら研究を重ね、金物製造の技術を応用してブルドン管の製造に成功したのが創業のきっかけである。
以来、約100年に渡って「錨印」ブランドの圧力計を生産し、造船業をはじめ、ボイラー、燃焼器、化学、食品、建設、エネルギー等各方面の産業界における装置メーカーに採用されてきた。




ブルドン管圧力計は、圧力を受ける弾性体に扁平した金属筒のブルドン管を用い、その弾性変形を指針に伝える構造の圧力計である。工業用に用いられる圧力計の中では比較的構造が簡単で、取り扱いも容易なことと、幅広い圧力範囲の測定が可能なことから、多方面の産業分野において使用されている。




このブルドン管圧力計をはじめ、圧力・差圧・液面・温度・流量といったあらゆる計測と制御をカバーする総合的な計測制御機器メーカーとして事業を展開する同社の礎を築いたのは高度経済成長時代。独自の技術で、圧力計測技術を応用した差圧計や温度計等の各種計測機器、独自の機構を持った圧力スイッチや差圧スイッチ等の制御機器の開発・製造を行い、大手メーカーなどとの取引を広げていった。




その安定した経営基盤を受け継ぎ、同社は1990年代後半より新たな事業展開を模索してきた。そして、そこでのユニークな取り組みによって結実した果実を持って、新たな構想の実現へ向け、動き始めたところである。

計測機器製造の市場は、計量法に基づいて参入が規制されてきた経緯がある。しかし、国内メーカーが拠点を海外へ移すようになったことや計量法が改正されるなどの状況の変化により、海外メーカーの製品と競合する局面が増えていった。
高度経済成長時代には「技術の木幡」と呼ばれるほどの技術を誇った同社が、この状況を打破するために取り組んだのは、技術力を生かした製品開発やコスト圧縮ではなく、新たな流通を開拓するためのシステム作りであった。まだ一般消費者向けのeコマースも一般的ではなかった時期に、「今後は産業用の機器類もインターネットを使って流通する時代が来る」と確信しインターネット活用の研究に取り組んだのは、1990年代半ば、産業用空気圧機器の大手メーカーで営業経験を積み、家業に戻ったばかりの現専務取締役・木幡巌氏である。




「当社は装置メーカー様と長年に渡ってお取引きして頂く場合が多いのですが、継続してお使いいただく製品は、コスト軽減の対象になりやすく、年々利益率が悪くなるという悩みがありました。そんな中、同業他社との情報交換の中で、当社が未参入だった消費者流通の場合は比較的利益率が下がっていないことがわかった。しかし、その分野の流通は既に確立されており、新規参入は困難でしたので、別のルートで圧力計の潜在ニーズを掘り起こすためにインターネットの活用に取り組み始めたのです。」(木幡巌氏)




巌氏は、社内に情報部門を設立し、暗中模索の中で、当初フランチャイズのパソコン教室を立ち上げた。その後、法人向けのITサポート事業などに取り組む一方で、自社のホームページを構築・整備していった。その結果、そのホームページを通して、これまでの営業活動ではなかなかたどり着けなかった、メーカーの開発部門からの問合せが入り始めたのである。インターネットを通じた問合せから始まる取引は、小口のものが圧倒的に多いが、そこから大口の取引に繋がった例もあれば、大手メーカーから引き合いを受けて取引に繋がった例もある。中には、大学の研究室など、従来にはなかった分野からの引き合いもあり、同社はそういった問合せ一件一件に対して、丁寧に対応することで、着実にフィールドを広げつつあるのである。




インターネットからの問合せが継続的に来るようになってからは、月平均8件程度の口座が増えている。取り組み始めた当初、同社の顧客名簿に掲載されていた企業は300社ほどだったが、現在ではその数1500社にまで増えているのだ。

この成功をきっかけに、大阪府内の製造業者からホームページ制作の引き合いが増えたため、巌氏は情報部門を独立させてホームページ制作会社を設立している。自社の成功事例を武器に、クライアント企業の強みを打ち出したホームページの提案で事業を拡大している。
このインターネット活用の成功で今後も販路やネットワークの拡大が見込まれる。それを活かし、木幡計器製作所は今後、新たな製品の開発に取り組んでいく構想を掲げる。その実現へ向け、大手メーカーで長年ガスクロマトグラフ分析計や流量計などの製品開発に携わって来た技術者を迎え入れた。




「これまでの取り組みで、圧力計製造の専門メーカーであるという自覚さえあれば、どのような状況でも道は開けるということに改めて気づいた。現在、イチから物づくりを始めてイチから事業を起こすという意気込みが、全社に行き渡っており、新たな歴史を積み上げて行く入口に立っています。幸いにも圧力計ブランドとして浸透している錨のマークと安定した経営基盤もある。口座さえあれば、当社の製品だけでなく、関連製品を取り揃えて提案するということも可能です。技術部門も営業部門も、この状況を生かして積極的にチャレンジしていける環境を揃えて行きます。」(巌氏)




IT化の波にいち早く乗じてインターネット活用による流通開拓の研究に取り組んだ巌氏には、近代化の夜明けに立って、その後の工業化を見越して圧力計の製造に取り組んだ創業者・久右衛門氏のDNAが宿っている。その一方で、およそ100年にわたる歴史を積み上げることが出来た要因を「何よりも代々に渡って“人と人との縁”を大事にしてきたことに尽きる」と語る代表取締役の喜久恵氏は、次のようなビジョンを掲げ、自身が“理想”とする会社作りに取り組む。




「会社を存続させるためには、技術力や競争優位性は大事です。しかしそれ以上に、親御さんが自分の子どもを入社させても安心できる良い会社を作って行きたい。それは規模の大小だけではなく、どんな困難があっても明日も会社に行こうと、社員が前向きに仕事に取り組める会社だと思っています。そのような理想に向け、今後の私たちの新しい取り組みに共感して、積極的に取り組んで行ってくれる方を求めて行きたい。」(喜久恵氏)

インタビュー

株式会社木幡計器製作所のインタビュー写真
代表取締役・木幡喜久恵 氏 明治時代から続く圧力計製造を家業とする木幡家に生まれる。1985年、株式会社木幡計器製作所に入社し、1997年に代表取締役社長に就任。自社工場内にて技術伝承のための講習会を行うなど、地域の製造業活性化へ向けた活動にも取り組む。

── 地域の製造業活性化に強い関心を持ち、取り組んでおられるとのことですね。

1990年代後半から取り組んできた社内の体制作りも1つの節目を迎えましたので、この機会に、当社の工場敷地を提供し講師を招いて、地域の工員さんの技術向上を目的とした、特殊溶接の技術講習会を開始したところです。

当社の工場が立地する地域はもともと近代紡績工業の発祥の地ですが、近年は移転や、倒産・廃業して出来た工場の跡地に、新しいマンションが立ち始め、そこに移ってきた住民と操業を存続している工場の間で、騒音の問題などをめぐってトラブルが起こるなど、多くの問題を抱えています。
この地域は職住一体型の地域なので、30年前であれば住民同士顔が見える御付き合いをして... 続きを読む

企業情報

会社名

株式会社木幡計器製作所

業界

製造・メーカー系 > 電気・電子・機械・半導体

資本金

2,000万円

設立年月

1967年01月

代表者氏名

代表取締役 木幡 喜久惠

事業内容

圧力計、差圧計、液面計、温度計、圧力・差圧・液面・温度各スイッチ、電気接点付圧力計、電子式圧力発信器、圧力試験器(基準重錘型圧力計基準液柱型圧力計)、計装用機器、油空圧機器 他

株式公開(証券取引所)

非上場

従業員数

-人

本社住所

大阪府 大阪市大正区南恩加島5丁目8番6号

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