株式会社Elsant

株式会社Elsantは、SFA/CRMの導入支援を手掛けている、2024年5月に設立されたばかりのスタートアップだ。

同社は、SFA/CRMのプロフェッショナルをそろえ、CRMの構築およびその導入・定着までを一気通貫でサポートしている。創業1年にして30以上のプロジェクトに参画。業務コンサルティングとCRM開発支援を行っている。このハイブリッドでの支援が同社の一つの特長だ。

もう一つの特長は、ベンダーフリーの立場であること。SFA/CRMツールは数多くあるが、同社はSalesforceとSalesforceやHubspot、GENIEEを中心に、クライアントに最適なツールを柔軟にアレンジして提案している。
「特定ベンダーのSFA/CRMだけだと、どうしてもクライアントの業務フローと不整合が生じてしまいがちです。その点、当社はこの部分はSalesforce、この部分はKintoneなどと各ツールの特性に応じて使い分け、周辺領域のクラウドサービスやERP、基幹システムなどのCRMを軸にした周辺のインテグレーションも合わせて包括的なシステム設計をしている」と代表取締役の河村悠氏は説明する。

各ツールに関する知識においては、元・Salesforce社のエンジニア、元・アクセンチュアのコンサルタントなど、主要なSFA/CRMを手掛けたそれぞれのスペシャリストを擁して担保している。「当該メンバーが講師となって社内セミナーを行うなど、全体で共有する仕組みも運営していく」と河村氏は話す。

その河村氏は、以前に在籍していたマーケティングクラウドを提供するベンチャーでCRMの営業に従事し、1,000社を超える企業に導入した実績を持つ。そこで、導入先にCRMを定着させ、営業などのメンバーが使いこなしていくことの難しさを数多く経験した。

「SFA/CRMは使いこなせば業績向上や業務効率化に大きな力を発揮する素晴らしいツールとなりますが、入力が面倒といった理由で使われず、宝の持ち腐れになってしまうケースをたくさん見てきました。こうした状況があるからこそ、あえて自社プロダクト開発ではなく、既存プロダクトを中立的に扱い、誰もが扱いやすく効果が見えやすい最適なソリューションの形で提案できる現在のビジネスモデルを選択しています。これが当社の最大の強みであると自負しています。」と河村氏は強調する。

河村氏は、前述のマーケティングクラウドのベンダーに新卒入社しCRMの営業を手掛ける。その後、医療系ITスタートアップに取締役としてジョインし、経営実務や複数の事業グロースに従事する。

「1社目では、新規事業であったCRM領域の営業部長に就任しました。そこで、数年で1,000社以上のお客様にプロダクトを売りまくっていたわけです。しかし、取り扱ったCRMはシンプルなプロダクトであったにもかかわらず、多くのお客様は使いこなすことができず、不満の声をいただくことも多かったのです。こうした“負”の経験を通じて、CRMを定着させることの難しさを学びました。その後、事業の立ち上げや経営の一翼を担う経験を積んだところで、役員の任期満了を機に再度SFA/CRMの領域にチャレンジしようと思い立ちました。使いこなせば、業績向上や業務効率化に非常に役立つことが分かっていたからです。そこで、ベンダー側ではなく、あくまでもユーザー側の立場に立ち、最適な業務システム全体の設計から導入後の実践的な活用法までをトータルにサポートする当社を起業することにしました」

現時点でのMissionは「SFA/CRMの普及により、日本企業の労働生産性を高めることに貢献する」ということ。当面はこの領域に特化してリーディングポジションを取る存在を目指す。

なお、SFA/CRM領域は大きな成長性が期待できる。アメリカの調査会社であるGrand View Researchは、世界のCRM市場規模は2024年に734億ドルに達し、2025年から2030年にかけて年平均14.6％というハイペースで伸びると予測（※）。目下盛んにDXが叫ばれている日本では、さらに伸びることが期待される。
※出典：Customer Relationship Management Market Size, Share & Trends Analysis Report 2030

「いきなり人材を増やして量的拡大を目指すといったことは考えていません。少数精鋭のスペシャリスト集団として、あくまでもクオリティにこだわり抜いたサービスを提供していくことを目指しています」と河村氏は話す。

2025年4月現在、同社の陣容は河村氏のほかは社員1名、および業務委託が約20名程。業務委託はフリーランスや副業のエンジニア、コンサルタントなどで構成されている。前述のとおり、SFA/CRMを手掛けてきたプロフェッショナル集団だ。
「事業をスピーディーに立ち上げていくために、まずは高品質のデリバリーを可能とする即戦力のスペシャリストを集め、基盤をつくることにしました。その上で徐々に正社員を採用し、比率を高めていこうと考えています」（河村氏）。

正社員の育成は、業務委託メンバーからメンターをアサインし、マンツーマンでスキルトランスファーを図るといった仕組みを考えている。そのほか、SFA/CRMのベンダー資格取得を支援する。

組織風土づくりとしては、次のような指針をValueとして掲げる方向だ。
①顧客の成功を最重視する
②謙虚であり続ける
③プロ意識を持つ
④（神が宿る）細部にこだわり抜く
⑤オープンマインド

働き方としてはフルリモートを基本とするが、オフィスも構えているので希望者は出社して働くこともできるスタイル。フレックスタイム制で、柔軟に働くことができる。

また、リモートワークの中でメンバーが孤立感を覚えないように、週次の定例ミーティングや、四半期ごとの打ち上げなども開催している。社内コミュニケーションにおいては、チャットツールに個人別のチャンネルを設けて、なんでも発信できるようにしている。

そんな同社が求める人材像は、前述の5項目の指針の理解・実践ができることや、SFA/CRMの進化を常にキャッチアップする向上心がある人。

今入社すれば、会社づくりにも参画するコア人材になれるチャンスもある。成長性のある領域で会社をグロースしていける貴重な経験が積めるだろう。