株式会社大和コンピューター

株式会社大和コンピューターは、1977年6月、大阪府高槻市で設立されたソフトウェア開発会社だ。現在（2025年3月）は東京本社との2拠点体制、従業員数約200名で、過去の実績を生かしつつ、未来に向け、新しい事業領域にも積極的なチャレンジを行っている。

同社の中核事業は、ソフトウェア開発関連事業だ。国内を代表する総合ITソリューション企業やシステムインテグレーターを直接の顧客として、受託開発をメインに、顧客やエンドユーザーのニーズに沿って、システムの企画・業務分析・設計開発から運用保守まで、トータルなソリューションを提供している。特に近年は、各社が開発、または販売しているERPパッケージの機能追加や改修、そしてその過程で蓄積した知識を背景に、エンドユーザーに向けたカスタマイズやアドオン開発を受注し、実績を積み重ねている。

同社の強みは、品質第一主義に基づく品質の高さである。品質マネジメントシステム（QMS）の国際規格であるISO9001や、CMMI（Capability Maturity Model Integration=能力成熟度モデル統合）をベースにしたプロジェクト管理手法、開発プロセスを標準化し、各技術者がそのプロセスに従うことで、安定した品質を実現している。

同時に技術者の育成にも注力している。各種研修制度により技術者として必要な知識や技術の習得を支援する等、刻一刻と変化する技術を取り入れるとともに、エンジニア一人ひとりの力を組織の力へ導く教育体制を整えている。

品質に対する長年の取り組みから生まれたのが、ソフトウェア開発関連事業の一環として提供するコンサルティングサービスだ。CMMIの管理・認定を行うISACA（CMMI Institute）とパートナー契約を結び、同業者であるソフトウェア開発企業に向けて、品質やコスト、生産性等の観点から組織のプロセス改善を支援。審査数は国内No.1の実績を誇り、CMMIのリーディングカンパニーとしての地位を確立している。

また、同社は長年にわたって蓄積してきた自社の強みを生かした製品づくりにも取り組んできた。その取り組みの中で、現在、2本目の柱へと成長し始めているのがクラウドサービス事業だ。現在はフィットネス業界向けの会員管理・運営システム『Platinum Fitness』、スクール運営の支援システム『Platinum School』を2本柱として提供している。それぞれクラウドサービスのメリットを生かしながら、定期的なバージョンアップを重ねつつ、導入先のニーズに合わせたアドオン開発や、サポート窓口による問い合わせ対応で導入企業のビジネスに貢献。CM等でもおなじみのフィットネスジムや語学スクール、予備校といった大手企業への導入が進む等、着実に存在感を示し始めている。

同社は創業以来、「品質・環境・技術」の三つのバランスを追求し、顧客に高品質なベストソリューションを提供することを使命とし、MS-DOS、Windows、そしてWebへと、時代の変化に合わせて技術を革新しながら、ソフトウェア開発を通じて社会に貢献し、発展してきた会社だ。2006年にはJASDAQ（現在の東証スタンダード市場）に上場している。受託開発を主軸として安定性を確保しつつ、社会の課題やニーズを読み取りながら、事業内容も変化させてきた。

特に2000年以降は、コンサルティングサービスやクラウドサービス事業だけではなく、先進的な取り組みを行い、発展させてきた。その一つが『i-農業』というコンセプトの下で展開する事業だ。

同社が農業に関わり始めたのは2008年に遡る。日本の農業は、後継者不足や、技術や知識の属人化に加え、地球温暖化や自然災害による収穫量の不安定化といった課題を抱えている。そういった課題を、ソフトウェア開発やSaaS分野のサービスインテグレーション等、自社に蓄積されたICTの技術とノウハウを活用して解決するため、参入を果たした。それから17年、農家との連携やグループ会社による農業法人の設立、M&Aによる規模拡大等、世界に誇る日本の食文化を守るための基盤づくりを着実に進めてきた。現在は、ITにより栽培技術を「見える化」「数値化」することによる自動化や、作業負担の軽減による「農業=重労働」というイメージの払拭に向けた取り組みが進行中だ。見据えるのは農作物の生産から流通、販売までの6次産業化だ。

また、農業とICTを掛け合わせる試みからは、さらに新しい事業が生まれている。同社は『i-農業』の取り組みの中で、無線ICタグを活用したRFID技術の研究開発を進め、自治体やJAと連携して、トレーサビリティシステムや農作物のEコマースシステム等をスタートしてきた。その成果を生かし、2024年12月には、NFC タグを利用した消費者と繋がるマーケティングサービス『NFC Link² (NFCリンクリンク)』をリリースした他、他社とのコラボレーションによるサービス化も進めている。

今後は、中長期的な視野に立ち、既存の取引先との信頼関係を大切にしながらも、クラウドサービス事業、『i-農業』を発展させ、3本柱の確立を目指す。そのための基盤づくりも着実に進めている。取締役 執行役員 企画管理本部長・寺川英信氏は語る。

「これまでは新卒採用を基本とし、全て自前主義で事業を広げてきましたが、社会の変化するスピードが加速した現在、新しい分野に踏み出すには外部との連携が不可欠です。そこで外部連携を強化するとともに、キャリア採用にも力を入れ始めています」

同社は、長らく新卒中心に、経験を問わず幅広い人材を受け入れて会社で育成する方針を掲げてきた。キャリア採用ではWebオープン系の開発経験を持ち、開発のリーダーを務められるスキルを持つSEを重点的に採用する計画だ。また、Webオープン系以外の開発経験を持ち、スキルチェンジを図ろうとするエンジニアも積極的に採用する予定だ。

同社の魅力はまず、活躍の場が広いことだろう。『Platinum Fitness』や『Platinum School』等の自社サービス、または『i-農業』やRFID等の先進領域、さらに実績豊富で安定感のある受託開発やSES、さらにコンサルティングサービス等、多様な事業を展開している。そのため様々なキャリア志向を持ったエンジニアを受け入れる環境がある。

また安定した経営基盤を背景とした就労環境も魅力の一つだ。同社は社員が能力を十分に発揮するとともに、安心して長期的に働き続けられる環境づくりに力を入れている。例えば大阪本社、東京本社共に、開発ルームはフローリングにより、靴を脱ぎ、リラックした状態で仕事に取り組める空間をつくっており、壁、柱、床等にヒノキ材を採用している開発ルームもある。また、国際的な品質管理基準に準拠した開発プロセスや、情報セキュリティ体制の下、安心して開発業務に取り組める。

さらに将来的には、スペシャリストとゼネラリスト、二つのキャリアパスが用意されており、本人の希望や能力によっては、コンサルタントとして活躍する道も開かれている。

「当社はこれまでとは異なる形で、さらなる成長を目指しています。共に成長を目指し、新しい大和コンピューターを創り上げてくれる仲間を待っています」（寺川氏）。

顧客からの信頼関係を背景とした安定した経営基盤を持つ一方で、時代の変化を捉えた新規事業へのチャレンジで進化し続ける。そんな同社が求めているのは、同社が長年築いてきた文化を尊重しながらも、自身の強みを生かして、新しい風をもたらす人材だ。同社は、真面目で実直な社員が多く、落ち着いた雰囲気の会社だ。新卒入社の3年未満の定着率は90%を超え、女性社員の産休育休からの復帰率は100%に達する等、居心地の良さが自慢でもある。その良さを理解しつつ、社内に刺激を与えてくれる、元気で積極性のある人材に期待を寄せる。