株式会社moncheri

ドッグウェアや首輪・バッグ等の雑貨を中心に、ペットアパレルアイテムの企画・製造・販売というD2C事業を手掛ける株式会社moncheri。同社は、子供服ブランドを展開する企業における社内ベンチャー事業のローンチからスタートし、事業成長を果たした2022年10月に独立した企業としての活動を開始した。その事業は、一般のペットオーナーに対する自社開発アイテムのECサイト販売のほか、全国のトリミングサロンやペット用品店、動物病院等への卸販売というビジネスモデルで展開されている。サービスローンチから、前年比約200%というペースで売上規模を拡大させながら、同社は業界内での地位を確立している状況にある。

ブランドコンセプトとして同社が掲げているのは、”いつも側に居てくれる大切な君に送りたい”というもの。そのコンセプトの下、愛犬だけではなくペットオーナー自身の心も満たされるようなアイテムを発信していることが、同社のビジネス拡大の要因となっている。商品としての特徴は、デザイン性の高さにこだわり、着心地や品質・安全性にも妥協しないワンランク上のペット用品を目指している点にある。その企業姿勢への共感によってファンを増やし続けているのが、現在の同社の姿である。

業界内における同社の競争力を高めている要因の一つとなっているのは、商品の企画やデザイン、製造・生産、販売、そしてマーケティングまでを自社で担う事業体制である。製造・生産に関しては、商社やOEM企業のデリバリー体制に依存するケースが多い業界にありながら、同社では製造工場と直接取引を行っている。こうした一貫した体制があることで中間マージンがかからず、適正価格での商品供給を可能にしているということだ。またマーケティングに関してもインハウスで対応している同社では、そのノウハウの蓄積による広告運用が強みとなっている。この運用体制によってコスト削減はもちろん、広告展開の細かな調整によるタイムリーなプロモーションが実現しているのである。公式SNSのフォロワー数が約12万人に達するという定量的データは、その取り組みの成果を証明していると言えるだろう。

国内では最大級の認知を獲得しながら成長を続ける同社だが、現在のビジネス成功に満足することなく、次なる方策の推進にも積極的に乗り出している。

同社の今後の事業展開について、新規事業責任者である大塚氏に話を伺った。

「これからの当社は、ドッグウェア等のアパレル、雑貨だけではなく、健康や美容、居住空間等ペットの『衣・食・住』全てをカバーするような事業を展開していきます。愛犬やペットはもちろん、ペットオーナー様にさらに寄り添った“ペットライフスタイルブランド”に変化していくのが、今後の当社の事業コンセプトだと言えます」（大塚氏）。

同社によれば、世界におけるペット服市場は2028年に1兆円規模にまで拡大するという。さらにペットヘルスケア市場を含めると、約20兆円の巨大市場となることが予想され、その市場におけるビジネスの可能性を追求していくのが、今後の同社の展望だ。現在、国内だけではなく海外に居住するユーザーからのオーダーも伸びを見せている状況の中、グローバルな事業展開によって世界的な認知度とブランド力を高めていく取り組みを、同社では加速させていきたいと考えているのである。

「現在、世界ではいわゆる“ガリバー”と称されるような有名ペットアパレルブランドは存在しておらず、そのポジションを狙うチャンスがあると当社では考えています。そして、当社のアイテムの品質を追求し、ペットの幸せだけではなくオーナー様の心を満たすようなサービスをより充実させることで、グローバル展開を加速させていきたいです」（大塚氏）。

ペットが快適に過ごせるウェアという“衣”の領域だけではなく、寿命を延ばすために品質にこだわった“食”や、オーナーと幸せに暮らせるような“住”の領域にも進出し、ペットライフの満足度を高めたい。その思いを基に、新たな事業戦略を立案・実行し、日本発のペットブランドとして成長していくことが、今後の同社の目標となっているのである。

「これから新規事業に取り組む上で、EC事業の運営・カスタマーサクセスを担う人材、そしてSNSマーケティングにおけるクリエイティブ業務を担当する人材が、新規事業において必要になるというのが私達の考えです。当社の価値観に共感し、人としての魅力を発揮しながら新規事業を伸ばしていけるような人材をお迎えできたら嬉しいですね」（大塚氏）。

業務スキルよりも人間的なポテンシャルを重視し、成長市場での躍進を目指すこと、そして意欲の高い仲間達との仕事にやりがいを感じられる人材を採用したいと考える同社。大塚氏は、3名体制で新規事業に取り組む新たなメンバーに求めたいことを次のように語っている。

「ペット業界やアパレル業界に関する知識・経験が少ない方でも、学びながら主体的に行動できるという意欲がある方であれば歓迎したいと思います。新規事業に取り組み、ペットとオーナー様の満足度を高めるようなチャレンジを続けたいという当社の価値観に共感できれば、仕事の楽しさややりがいを大いに感じていただけるはずです」（大塚氏）。

“ペット用品を売ること”を目的とせず、常にユーザーベネフィットを意識する。そしてブランドマーケティング=お客様に愛されることを考えて行動する。その姿勢で自身の業務に取り組めるような人材を、同社では求めているのだ。現在のメンバーに共通する点は「真面目さと優しさ」だと語る大塚氏は、自社の企業風土について次のように説明している。

「フラットな上下関係の中で風通しが良く、全体的に“やわらかい”雰囲気がある当社ですが、責任感を持って真面目に仕事に向き合い、やるべきことをしっかりやるという文化も根付いていると思います。ペットやそのオーナー様に“ハッピー”を届けたい、いいものを届けたいという思いの下、全員がオープンに意見を出し合いながら、ユーザーに愛されるブランドを目指す。それが私達の最大の目標です」（大塚氏）。

プロダクトの企画から製造・販売までを一貫して自社で行い、ユーザーと直接触れ合いながら反応をダイレクトに感じられるのも、同社の業務にある特徴の一つと言えるだろう。その業務スタイルの中で、サービスを受け取る側だけではなく、愛すべき動物達に魅力を感じながら作り手も癒される。そんな仕事に日々取り組みながら、関わる人々の全てをハッピーにできる同社の環境で、ぜひ自分自身の力を発揮してみてほしい。