株式会社ポラリス

2019年11月に設立された株式会社ポラリスは、「楽しくやろうぜ！」を企業理念に掲げるシステム開発会社。SESを事業の柱に、受託開発も手掛ける少数精鋭の技術者集団だ。

同社の事業の特徴について、代表取締役の三木力氏は次のように話す。

「メイン事業のSESに関しては、みんなやっている案件が本当にバラバラで、業界も言語も好きなものを選んでもらっています。だからいろいろと幅広くやっていることが特徴になると思いますね」

「楽しくやろうぜ！」という理念には、「やりたくないことはやらなくていい」という同社のエンジニアファーストを大切にする姿勢や思いも込められている。エンジニアが働きやすい環境をつくるために、本社メンバーがしっかりサポート。役割分担がはっきりしている。

同時に、エンジニア本人が持つ「自立した考え」や「意志」を尊重し、本人がやりたい仕事を楽しく専念できる環境を整えている。

それぞれのエンジニアがやりたい仕事を選べる環境を整えるために、同社が力を入れているのが情報収集だ。

「配信というかたちで募集中の案件が数百件、毎日届くようにしていますので、都度その中からそれぞれに合う案件を探します。当社では競合他社はライバルではなく競業会社という捉え方。他社との情報収集なども頻繁に行い、SESに関するあらゆる情報が集まるよう工夫しているのです」（三木氏）。

配信に乗らないような案件については、同社の営業力でカバー。そのおかげで顧客がどんどん広がっているという。

なお、受託開発についてはホームページや業務ツールの開発が中心だが、こまごました案件が中心となっており、ほぼ三木氏が一人で開発を行っている。今後はメンバーを増やしながら規模も拡大させ、大型案件にもチャレンジしていく予定だ。

「楽しくやろうぜ！」というスタンスを大事にしているのは、三木氏の前職までの経験が大きく関係している。

三木氏は飲食業界や不動産業界で働いた後、前職となるシステム会社でSESの営業とエンジニアを経験。その会社は既に解散してしまっているが、「営業もエンジニアも使い捨ての消耗品という考え方で、給与体系もシビアで情報開示もなく、とにかく厳しい環境だった」と当時を振り返る。だからこそ「自分が理想とする職場をつくろう」と立ち上がったわけだ。

「ポラリスが目指しているのは、情報を隠さないフルオープンな会社です。案件ごとに会社に入る金額はきちんとわかるようにし、そのうちエンジニアにどれだけ支払うかも明確にします。支払う割合も業界の中ではかなり高い方だと思いますね。お客様が困らない限り、休みも好きにとってもらえばいいですし、我々が細かく管理しない環境にしたいのです」（三木氏）。

エンジニアがいないと売り上げが立たないからこそ、そのエンジニアをないがしろにはしたくない。エンジニアファーストな環境をつくることに力を注ぐのはそのためだ。

「案件を選ぶ際も、たくさんの案件の中からその人に合ったものを紹介し、『行ってください』ではなく『どうしますか？』と検討するところからスタート。面談をし、合格が出たら条件を一緒に確認し、『この金額だと給与はこれくらいになる』と明示した上で判断してもらっています。だから確認はすごく多いですね。現場に入ってみて苦痛で続けられなかった場合は、できるだけ早く上がってもらってほかを探すこともしています」（三木氏）。

縁あって一緒に働く仲間になるのだから、しっかり寄り添いたいというのが三木氏の思いだ。

「人間関係はすごくいい会社だと思います。退職した社員から『人を紹介したい』と連絡をもらうこともあるくらいですから。どの会社に入るかは、その人の人生プランを左右するので、経営者としてきちんと向き合ってしっかり考えてあげたいのです。もし退職することになったとしても、次にちゃんと進めるよう、仕事が見つかるまでうちにいてもいいよなんて話すこともあるのです」（三木氏）。

現在社員は15名で、その大半がエンジニア。現場はバラバラだからこそ、最低でも3か月に一度は帰社日を設け、全員で顔を合わせるようにしている。

「うちの帰社日はみんなが仕事を休みやすい稼働日の多い頃合いに設定し、昼から本社に集まってみんなで飲んだり食べたりしながらいろいろな話をしています。普段なかなか直接顔を合わせられないからこそ、会って交流する機会をつくることは大事です」（三木氏）。

社内のやり取りはSlackが基本で、仕事のことなど何でも相談できる質問チャンネルも用意されている。また、勉強会の日も設けている。授業というよりは、zoomを終日繋ぎっぱなしにし、各自の仕事について自由に共有できる場となっている。

「それぞれ現場は違っても、社員間のコミュニケーションは活発です。いい意味でノリが軽いのがうちの特徴なので、いろいろなことが楽しめる人だといいですね。正直なところ、やる気みたいな熱いものはなくていいというか、あまり求めていません。嘘をつかないこと、溜め込まないことが大事です」（三木氏）。

今後については、SESを軸にしたIT技術の提供を基盤に、例えば不動産や保険、中古車販売など、いろいろな可能性にもチャレンジしていきたいと話す。

「広げた先の業界で必要となるシステムを作ったりすることもできますしね。今はやっていませんが、過去には保険業界出身のメンバーを中心に保険事業を立ち上げたこともあるので、『何か自分でやりたいけどいきなり一人は不安』という人も歓迎します。基本的には全員と会って話したいと思っていますので、『SESの情報収集がしたい』みたいなカジュアルなものも含め、気軽に連絡をしてほしいですね」（三木氏）。