株式会社Coopers

システム開発会社の、株式会社Coopers。同社は、100%受託（請負契約）でWebシステムやWebサイト、スマートフォンアプリ等の開発および付帯するインフラ構築や運用までをトータルに手掛けている。

取引先としては、5社ほどのシステム開発会社や広告代理店がメインで、個人経営の飲食店や美容サロンといった直取引先も20%程度を占めている。
主な実績として挙げられるのは、大手ショッピングモールの従業員向けWebシステム。全国100店舗以上で雇用されているアルバイト・パートを含め数十万人規模の従業員の勤怠管理や社内割引クーポンの発行、お知らせ等の機能を持つ。その開発に全面的に関わるとともに、運用するクラウドの構築も担当。多くの人が使う上での負荷分散等の運用を担っている。
一方、Web上でデジタル商品を作成・販売までできるWebサービスの開発等も手掛けている。

同社のメンバーは4名（2024年1月現在）で、バックエンド／インフラ、フロントエンド、アプリという専門性を持つエンジニアがバランス良く揃う。全エンジニアが7～10年以上の経験を持つ熟練集団だ。加えて、必要に応じて社外のパートナー（エンジニア／デザイナー）をアサインし、プロジェクトを組んで対応力を向上。技術的な深い知見と豊富な経験による高品質な開発を強みとしている。

また、エンジニア集団として常に最新技術にもアプローチ。個人商店のホームページであっても、従来のHTMLとCSS、JavaScriptだけでなくReact等も活用し、表示スピードをより速めユーザビリティをより高めるといった付加価値を提供している。

加えて、「ITに関して、どんな小さなことでも気軽に相談してもらえるよう心掛けている」と代表取締役の山下美樹夫氏が話すサービス精神も、同社の大きな特徴だ。こうしたサービスにより、リピート率100%を誇る。
「個人経営のお店から大手企業までエンドユーザーの幅は広く、サービスの範囲も上流の企画や設計から運用まで一貫して提供できるだけでなく、いつでも電話一本で相談してもらえる存在であることが強みであると自負しています」と山下氏は胸を張る。

同社の設立は、2019年12月。システム開発会社でエンジニアとして働いていた山下氏がフリーランスとして独立し、その1年後にメンバーを集めてスタートさせた。その経緯を、次のように語る。
「ITについて困っているお客様からの相談が多く寄せられている実情に接していましたが、会社の中ではあくまでも一エンジニアでしかなく、自分ができることに限界がありました。もっとお客様の困り事に直接関わり、自分の考えや技術を発揮させて役に立ちたいと思ったのです。そこで、まずはフリーランスとして思うようにやってみようと独立しました。そのうちお客様からの相談が増えて自分一人では手が負えなくなり、同じ思いを持つメンバーを集めることでより大規模な案件も手掛けられるようにしようと、当社を設立しました」

社名のCoopersとは「樽職人」のこと。ウイスキーづくりを下支えするところにエンジニアのイメージを重ねて命名した。

掲げたミッション、ビジョンは次のとおり。
●ミッション：未来を創る
【最新の技術を駆使して、お客様のビジネスに新たな明日をもたらします。ITの力で未来を形作り、変革の先駆けとなることを目指しています。】
●ビジョン：イノベーションと技術のリーダー
【私たちの目指す未来は、IT技術がビジネスのあらゆる面で中心的な役割を果たす世界です。この変革の波に乗り、常に業界の先頭を走り続けることで、私たちは革新的な企業としての地位を確固たるものにします。】

これらについての思いを、山下氏は次のように説明する。
「エンジニア職人集団を謳うからには、常に最新技術によってお客様のニーズに応えていきたいとの思いがあります。また、私自身も一エンジニアではありますが、身に付けた最新技術で『こんなことまでできる』というところを示していきたいとの矜持もあります」

今後の目標は、大きく二つある。
一つは、受託開発における直取引比率の向上。「従来の取引先を大切にしつつ、直取引のお客様を5年以内に限りなく100%に増やす」と山下氏は意気込む。そのために、営業会社と契約し共同で顧客開拓を始めている。
もう一つは、自社サービスの開発。「メンバーからも意見を集めて検討を始めている」と山下氏は明かす。
そして、受託開発と自社サービスによる2軸経営を目指す構えだ。

「設立して5年が経過した2024年は、当社を次のステージに上げる飛躍の年にしたいと思っています。そのための取り組みに着手しました。この『Green』での人材募集も、その一環です」と山下氏は力を込める。

同社が掲げているバリューは、次のとおりだ。

●バリュー：業界のトレンドをリード
【常に革新を追い求め、業界のトレンドをリードすることに専念しています。新しい技術やアイディアへの探究心は、私たちの核となる価値観です。また、既存の常識に留まることなく、常に新しい挑戦を受け入れることで、進化し続けることを目指しています。】

そのために、SNSやWebでグローバルに最新技術の情報を収集、チャットツール等で全メンバーと共有している。さらに、気になる技術は積極的に使って試している。
「実際に自社のホームページ等で試してみて、いつでもお客様のプロジェクトで使えるようスタンバイしています」（山下氏）。

加えて、メンバーのスキルアップのためにe-ラーニングを導入し学べるようにしているほか、技術書等の欲しい書籍は一人月額1万円まで会社として購入している。さらに、資格取得費用は不合格の場合も含めて会社が負担。チャレンジを促しているだけでなく、合格を昇給対象にして奨励している。ちなみに、資格取得費用負担は趣味系等ITに無関係の資格も対象にして“常に新しい挑戦を受け入れ”ている（昇給対象はIT系資格のみ）。

組織風土としては、「仲間を大切にして決して一人にせず、プライベートも含めて困ったことは助け合う関係性をつくっています。そのためにも、月1回は各メンバーと面談を行い、普段はなかなか話せないことも汲み上げます」と山下氏。
働き方はリモートワークを主体に、週1回はオフィスで顔を合わせて一体感を醸成している。

なお、社員を大切にする制度として、日本企業には珍しい「シックリーブ制度」の導入が挙げられる。社員やその家族が病気やケガをした時に、有給休暇とは別に年間5日の休暇を付与するというもの。
「私自身が従業員だった時に、病気等自分の意思とは無関係の事由で有給休暇を消化しなければならないことに割り切れなさを感じていたのです。そこで、家族も含めて休まなければならなくなった際は、心置きなく治療に専念してほしいと導入を決めました」（山下氏）。

そんな同社が求める人材について、山下氏は次のように話す。
「相手の立場で考えられる思いやりのある方。お客様やプロジェクトメンバーに接する上で不可欠の資質であると思っています。どれだけ技術力が高くても、なるべく人とコミュニケーションを取りたくないといった方は、当社には合わないと思います」

これから組織を大きくしていく同社。今入社すれば、中核メンバーとして会社づくりにも関われるやりがいが得られるだろう。