株式会社ウィルビー

株式会社ウィルビーは、求人／採用サイト構築サービス『jobMAKER』を提供しているWebサービスベンダー。『jobMAKER』は、2004年のリリース以来、人材紹介会社や人材派遣会社、転職サイト運営会社など人材サービス業界の700サイト以上に提供されている。

「人材採用の手法は、最新技術の登場や法制度の変更といった時流を背景として変化を続けています。『jobMAKER』は、リリース以来、人材サービス業界に寄り添い、こうした手法をすべてトレースし続けてきました。そして、常にその時々で求められる機能をすべて盛り込んでいます。ここが最大の強みであると自負しています」と代表取締役の江本亮氏は胸を張る。

『jobMAKER』は、企業の採用活動を最大化するために 「集客力」「成長力」「対応力」 を兼ね備えている。
まず、採用活動においては、単一チャネル依存ではなく複数経路での応募獲得が必須と考えられ、Indeed・求人ボックス・スタンバイ・Googleしごと検索といった主要媒体へ自動かつ最適な連携を実現。
さらに、SEO対応力にも強みを持ち、Googleのアルゴリズム進化に合わせて求人サイトのSEO構造を継続的にアップデート。求人情報の露出機会を逃さず、安定した流入を確保。
そして、次世代を見据えたAI向け最適化にも取り組んでおり、検索環境や流入経路の変化に柔軟に対応可能。単なる求人サイト構築にとどまらず、時代の変化に合わせて進化し続ける採用プラットフォームが構築可能。

トップから求人一覧や求人詳細、応募画面まで求人サイトに必要なページはパッケージシステムとして用意。社員紹介や会社紹介、FAQなどのコンテンツページを作成できるCMS機能も搭載し、ユーザーはテキストや画像、動画を用意すれば、低コストで求人サイトを構築できる。

そのほか、求人情報を一括でCSV変換できる効率化サービス『HRデータワープ』の提供や、面談要約・推薦状生成ツール「ResuMAKER」、求人サイト『ハピリク』の運営もおこなっている。

同社は、2017年6月、総合e-ラーニング企業である株式会社プロシーズが求人事業部門を分社化し、100％出資子会社として設立した。
e-ラーニング事業を手掛けるスタートアップとして2000年6月に創業されたプロシーズは、2004年に「“学ぶ”から“働く”へ」をテーマに、『jobMAKER』を開発し新規事業として求人事業をスタートさせる。江本氏は、その事業責任者を務めた（インタビュータブ参照）。

「『jobMAKER』はリリース以来、求人サイトを構築する人材ビジネス業界に迎え入れられ順調にシェアを伸ばしてきました。そして、2009年に日本にindeedが上陸し、2012年に業界最大手の企業が買収すると、日本でも仕事探しにおいてアグリゲート型求人検索エンジンの利用が急速に伸びていったのです。『jobMAKER』は、いち早くこうした検索エンジンに適応する機能を備えたところ、ますます人材ビジネス業界から支持されるようになりました。そこで、この事業を切り出し、子会社として集中特化したほうがより伸ばして行けるのではないかと判断し、2017年にウィルビーをスピンオフしたという経緯です」と江本氏は説明する。

今後の成長戦略としても、従来どおり人材ビジネス業界に密着し、人材採用の最新手法にキャッチアップし続けることを柱に置く。
「少子高齢化が進展し、労働人口減少が続く中で、外国人やシニア層の採用拡大や隙間時間の活用といった傾向がますます進むでしょう。また、AIなど最先端テクノロジーの活用も進むと思います。こうした時流をいち早く捉え、『jobMAKER』を更新し続けることが成長戦略のコアであると考えています」（江本氏）。

そんな同社では、すでに生成AIを活用した職務経歴書作成サービスなどの研究開発に着手している。転職希望者がトラックレコードを入力すると、応募先企業の属性や条件などに応じた魅力的なレジュメが自動作成できるといったサービスだ。
「日本人は外国人に比べると控えめで、自らの職務経歴書も控えめに作成する人が多いように思います。今後、アグレッシブなグローバル人材の流入が増えることを見越して、そうした転職市場でも十分アピールできるレジュメを自動作成できる機能を提供できるようにしたいと考えています」と江本氏は力を込める。

2025年9月現在、同社の社員数は17名。その全員で大切にしていることは、「お客様に喜んでいただけるよう、最善を尽くす」ということだ。その思いについて、江本氏は次のように話す。
「この言葉一つに集約して言い続けています。このことさえ行っていれば間違いはなく、一つに絞り込むことで誰もが覚えやすく、徹底できるからです」
一見、当たり前のことのように思えるが、日々働く中でどうしても自分の都合で動いてしまったり、妥協したくなったり、周囲の目が気になって動けないといったことが起こりがちだ。そんな時に「これでお客様に喜ばれるか？」「今、最善を尽くせているか？」と自問自答することで、主体的に自分の仕事や事業をより良いものにしていくということだ。

同社は設立以来、コアを固める人材としての採用は社員のリファラル（紹介）を主体に行い、公募はほとんど行ってこなかった。そんなメンバーがチームマネジメントを務められるまで成長し、事業としても成長フェーズにある中、組織化に向けて大きく舵を切っている。その施策が、この「Green」での公募と、グレード制度に基づく人事評価制度の導入だ。
人事評価制度は、社員の業務レベルを全職種共通の13段階のグレードに分けて定義するとともに、給与金額をリンクさせる。半年ごとに業務レベルを振り返って評価し昇格・昇給を行うとともに、キャリアアップの指針にもするというものだ。

そして、働く環境づくり。同社では、コロナ禍を期にフルリモートワークに全面的に移行し、現在、社員は全国に散って働いている。勤務時間も、法令遵守を前提に週40時間を平日5日間で自由に分配できる「基本勤務時間宣言制度」を導入。極めて柔軟に働ける環境を構築している。
社内コミュニケーションは、もっぱらチャットツールを主体に、適宜Web会議システムを活用。なお、チャットに関しては、そのツールの導入事例としてサービスサイトに記事化されているほど、徹底して使いこなしている。

また、年に4回、全社員がリアルに集まってのミーティングを開催し、事業戦略など深いレベルの議論や社員同士の親睦を深める機会を設けている。
「人材採用においてもフルリモートは有利なので、重要な経営方針としています。一方、物理的に離れていても求心力を保つために、会社と個人、個人同士のオープンさが非常に重要であると考えています。このため、会社に関することは個人情報やセキュリティ面以外、私の給与金額含めてすべてオープンにしていますし、チャットも個人同士ではなく全員の目に触れるチャネルの使用を原則にしています」と江本氏は強調する。

そんな同社が求める人材像は、「お客様に喜んでいただけるよう、最善を尽くす」ことの共鳴と実践ができる人。人材採用難が続く社会にあって、同社の存在意義も高まる一方。やりがいのある仕事ができるに違いないだろう。