何がクライアントの利益に結びつくのか
「『経営および業務』と『IT』の隔たりを無くし、クライアントにとって真に有用なシステム構築をするお手伝いをしたい。」
株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングは、そんな思いを抱いて、システムインテグレーションを軸に事業展開する創立19年目のITコンサルティング企業だ。
同社は「クライアントが真の成功を手にするお手伝いをしたい」という思いで2002年に創業された。
「単なるシステム屋」の枠を超えた仕事を行うと、口コミで評判が広がり、官公庁のシステム構築および運用、流通会社・自動車会社など色々な業種にわたり大手企業のWEBシステムの構築や運用など様々な大型案件を任されてきた。
そんな同社を同社たらしめているのは次の二つのビジョンである。
「文化創造」
「ビジネスを成功させるシステム作り」
同社は「単なるシステム屋」であることを拒絶する。 技術が日進月歩を続けている今、「単なるシステム屋」である以上の何ができるかが、その企業の存在意義につながってくると考えているからだ。
そして、この二つのビジョンこそが同社の優位性であり、特色であるのだ。
どんなシステムをつくればビジネスを成功させることができるか
いま、システムインテグレーションを中核とする企業は無数にある。
その多くがクライアントに言われたとおりのシステムをつくり、そのシステムがきちんと動くことを目的としている。
ある意味では、それがもっとも効率良く仕事をさばく方法なのかもしれないし、大きな利益をだす方法なのかもしれない。
しかし、同社が競合他社と一線を画しているのは、その考え方を否定していることにある。
つまり、「どんなシステムをつくれば、どのようにクライアントのビジネスを成功させることができるか」ということを中心にしてシステムをつくることに主眼を置き、「経営・業務」と「IT」、「上流フェーズ」と「下流フェーズ」といった隔たりをなくし、有用なシステムを開発することを目標としているということだ。
取締役の巻口氏は次のように語る。
「クライアントに言われたものを作るだけなら、極力コストを抑えたシステムを作り上げることは可能です。しかし、それをしてしまえば当社が当社たる所以がなくなってしまいます。当社としては、常にクライアントのビジネスをどうすれば成功させられるかということを考え、提案し、実現できる会社を目指しているのです。そこにこそ、会社の存在意義があるのだと思います。コンサルティングを語りながら、実際には単なるSIerとなっている会社は無数にありますが、当社は真の意味でコンサルティングができる組織を目指しています。」
そのため、同社では、「このシステムは正しく動くか」ということは当たり前で、「このシステムをつかったらどんな付加価値を生み出すことができるか」ということに重点を置いているという。
また、風通しのいいフラットな人間関係があるため、常日頃からそのために何をすればいいのかということを議論、検討していくことができる。
つまり、クライアントのビジネスを成功させるシステムをつくるための空気そのものが同社の社風となっているのである。
システムの創造ではなく、文化創造を目指して
クライアントのビジネスを成功に導くためのツールとしてのシステム作り。
この姿勢に共感する企業は多く、中には日本を代表する一流企業も数多く含まれている。
同社は、Web系システムの中でも特にECやブログやデザインといった部分に強みをもっている。
その良い例が、国内最大手流通会社のECサイトのプロジェクトだろう。
数十億円規模のビッグプロジェクトを手掛けることによって、同社はECやサービスの一つであるブログにおいて様々なノウハウの蓄積を行った。
取締役の巻口氏は次のように説明する。
「当社には大規模プロジェクトを根本の部分で手掛けてきた実績があります。それゆえ、大手ならではの複雑な要件に対応できるのです。今後はこうした特徴をさらに生かすべくITやデジタルのチームの専門性を高めていくことも検討しています」
こうした様々な特徴を駆使して同社が目指すものは何か。
それは「文化の創造」である。つまり、システムをツールとして新たなビジネス文化を創造しようと考えているのだ。
その夢を経営企画部の村武氏は次のように語る。
「たとえば国内最大手流通会社様の仕事がその例です。私たちの母親の世代は、苦労しながら手のかかる幼い子供を買い物に連れて行くのは当たり前のことでした。しかし、新しい世代の母親にとってはデパートのEC化によってそうした面倒を避けることができるようになります。システムをツールにしてこうした新しい文化をつくることこそが、当社の考える『文化の創造』なのです」
何よりもクライアントの利益を考えた成長を遂げていきたい
同社の売上は毎年、成長を更新し続けている。
システムインテグレーション事業とエンジニア派遣事業(主にフリーランスのエンジニア)が順調に伸びている他、インターネットを高度に活用していくためのデジタル事業やシリコンバレーの先端技術を取り入れていくためのインキュベーション事業も行っている。
村武氏はこう語る。
「今のところ上場は考えていません。というのも、当社はあくまでもクライアントのビジネスを第一に考えた堅実な事業を行っていきたいと思っているからです。上場することが、株主の意向ばかりを考えることに繋がるとしたら、それはしたくないのです。つまり、無理をしてまで売上に固執するのではなく、会社としての土台は安定を保った上で、しっかりとした実績と売上を築き、何よりもお客様に提供できる価値に主眼を置きたいのです」
同社では、実力主義を採用している。
給与は他社と比べて高く、他の企業と比べても群を抜いているといえるかもしれない。
ただその評価制度は同社らしさも備えており、評価の50%を「マインド」で決めているという。その実態は同社の行動指針であるBTCマインドで規定されている。同社は一時的な技術力よりも将来性を考えた意味での「マインド」で人を評価し、年間で最大一年分の賞与を決めているのである。
システムコンサルタントの平山氏は、こうした社風にひかれて入社を決めたメンバーの一人だ。
同氏はもともとフリーランスでシステム開発をしていたが、フリーゆえの限界を感じて同社の門をたたいた。
入社して驚いたのは、あらゆることを任せてもらえる体制と、与えられる裁量権の大きさだった。その中で同氏は頭角を現し、一年でリーダーとなって、先述の国内最大手流通会社の大規模プロジェクトを任されたのだという。
「国内最大手流通会社の仕事はビッグプロジェクトで、他社からは上層部クラスがでてきます。20代の私たちがそうした人たちと対等に意見を交わしながら仕事をしていくことができるので、色んな意味で勉強になります。もちろん、ベンチャーなりの忙しさはありますが、会社とともに伸びていけるという実感がありますし、その分評価もしてもらえます」
ベンチャーならではの実力と報酬とスピードを兼ね備えながら、一方で常にクライアントのメリットを追及していく姿勢。その姿こそが同社のありかただといえるのかもしれない。