こだわりをもって自社オリジナルタイトルに挑戦するゲーム開発スタジオ
スマートフォン向けゲームアプリの開発を手掛ける企業として、2020年3月に設立された株式会社スタジオレックス。これまで株式会社スタジオキングとして事業を展開してきた同社は、2020年3月にソーシャルゲーム開発に関する有力企業である株式会社ドリコムのグループに参画。前身となる企業からリリースした、シリーズ累計400万ダウンロード突破する人気モバイルゲーム『ぼくとドラゴン』『猫とドラゴン』の運営を続けながら、企業としての新しい歩みを踏み出したのが、現在の同社の姿だ。
同社のゲーム開発にはどのような特徴があるのか。手掛けるゲームタイトルの開発プロジェクトを管理し、プロデューサーとしての役割も担う取締役ゲーム事業部部長・本間始氏は、つくり手にとっての魅力にもつながるその特徴を次のように説明してくれた。
「他社と比較したときに、当社の一番の特徴となっているのは"オリジナルタイトル"を開発・制作し、運営しているところにあると思います。また、可能な限り社内でコンテンツに対しての重要な意思決定ができるように開発体制を構築しています。実際に、主力タイトルの『ぼくとドラゴン』では、ほぼすべてのパートを自社内で開発/運用しており、その部分も、同規模の開発会社と比べた場合の特徴ではないかと思います」(本間氏)
既に存在しているコンテンツをゲーム化する場合、キャラクターやストーリーの性質や魅力はある程度決まっていて、それをどうゲームに落とし込んでいくかという部分が課題になる。一方で、オリジナルタイトルであれば、ゲーム性やストーリーのディテール、イラストの表現など、すべての制作作業を社内でコントロールしながら行えることで、ユーザーが真に「面白い」と感じてもらえる完成形に向かって、徹底的にこだわり抜いて追求することができる。その特徴を有しているのが、同社の開発環境にある大きな魅力となっているのである。
「その結果として、当社では自分たちが手掛けるゲームへの愛情を持ちながら開発作業を進められますし、リリースするものに対するプライドを持つこともできていると思います。自社で開発したゲームを社員たちが時間を惜しんで自らプレイしているという事実も、その1つの証拠なのではないでしょうか」。(本間氏)
人とのつながりを大切にした姿勢がファンからの支持を得る
同社が運営する『ぼくとドラゴン』シリーズは、リリースから5年を経た現在も多くのファンがプレイを楽しんでいる。その長期間の人気の要因となっているのが、コミュニティという要素を重視したゲームとしての機能と運営手法である。複数のユーザーが集団をつくって活動をするというスタイルにより、仲間と長い期間楽しめるゲームとして仕上がっているのが、この『ぼくとドラゴン』と『猫とドラゴン』というタイトルに共通する特徴なのである。
「友達と一緒に楽しむ、というモチベーションによって、ユーザー様に長い間楽しんでもらっていると思います。機能改善ももちろん継続していますが、運営上で重視しているのは"いかにこのコミュニティを盛り上げるか"ということ。ユーザーがつながりを感じながらみんなと楽しめるように、というのが、この両タイトルの運営ポリシーになっているんです」。(本間氏)
この「人と人とのつながり」を大切にする姿勢は、同社の企業ポリシーにも通底している要素だ。同社では、「夢中になる時間をつくり、人と人をつなげ、日常を豊かにする」という自社のミッションを掲げ、その実現という部分に自らの存在意義を定めている。代表取締役社長 松江好洋氏はこの言葉に込められた思いを次のように説明している。
「ゲームを含めたエンターテインメントには何が求められているのか。それを意識したときに私たちが考えたのは、必ずしも楽しい事ばかりではない日常を、ポジティブな気持ちを引き出しながら豊かにできるコンテンツだということでした。その制作に価値を見いだし、人とのつながりを感じながらユーザーが夢中になれるものを提示していくことが存在意義となるというのが、私たちの考えなんです」。(松江氏)
このミッションは企業運営の面だけではなく、ゲームという制作物の開発手法にも色濃く表れている。開発業務の責任者である本間氏も、今後の新規プロジェクトにおいてもその意識を持つことを重視していると語っている。
「ゲームに魅力を感じる理由には、クリエイティブの素晴らしさや世界観に対する愛着など様々なものがありますが、当社では"ゲームを通して、いろいろな人とのつながりを感じられる"ような共有体験を特に大切に考えています。今後新規に開発するタイトルに関しても同様に、コミュニティや人とのつながりを大切にしたコンセプトで制作をしていく予定ですので、そうした思いに共感できる制作者の方に、この仕事をお任せしていきたいと考えています」。(本間氏)
ポジティブな姿勢と仲間への思いやりを持つ人材を求める
2020年の3月にスタートを切ったばかりの同社は、将来的にどんな姿を目指すのか。ゲーム開発企業として、数多くのタイトルを継続的にリリースし、その中からヒット作を生み出しながら事業規模を拡大することを目指すのか。代表取締役社長として、松江氏は次のような考えを示してくれた。
「ベンチャー企業としては、上場を目指します、規模を拡大します、という理想像を持つことも1つの形かもしれませんが、当社はそういった目標ではなく、あくまでもしっかりとしたゲームの開発を手掛けながら成長していきたいと思っています。まだ60名の小さな規模の会社ですが、いいゲームをつくりながら、自分の会社もいいものに変えていくことができる。そんな面白さを、これから入社される方々には感じていただけると思っています」。(松江氏)
松江氏が思う自社の方向性に関しては、本間氏も同様の思いを持っていると話す。何よりも大切なのは「人」であり、その思いに共感できるクリエーターたちと一緒に、業務に取り組んでいきたいというのが、本間氏の考えだ。
「何よりも“いいゲーム”をつくりたいと思う方に入社していただきたいですし、当社で考える “いいゲーム”とは人を大切にすることで形にできるものだと考えています。いい仲間たちと共に頑張ることで、多くの人を喜ばせたい。そんな思いのある方と一緒に、この会社をつくっていけたら嬉しいですね」。(本間氏)
最後に、代表である松江氏にメッセージを送ってもらった。
「ゲーム開発という業務や、ベンチャー企業での勤務に関しては、もちろん楽しいこともある一方で、大変な場面もあると思っています。そんな時もポジティブな意識で取り組みながら、自分の血肉にして成長する、そして仲間と一緒に乗り越える楽しさに置き換えられる。そんな方を仲間に迎えたいと思っています。スキルや経験も大事ですが、根本的には私たちの思いを理解し、一緒にポジティブに努力できるかどうか。これからの会社を一緒につくっていける意欲的な仲間が集まることを期待しています」。(松江氏)