株式会社ユカシカド

東京都渋谷区に本社を置く株式会社ユカシカドは、栄養検査や栄養補助食品の製造・販売など、栄養改善サービスを展開するSPA企業だ。上記に加え、法人提携プログラムやメディアの運営など、栄養改善を実現する各種サービスを提供する。

ヘルスケアや栄養の分野は、世界でも国内でも、課題とともにポテンシャルも大きい。ユカシカドは栄養状態を尿で評価する検査キット「VitaNote」を世界で初めて開発したほか、必要な栄養が摂れるパーソナライズサプリ「VitaNote For」や、手軽に正しく栄養が摂れるサプリメント「TURF」、食品ブランド「原宿醸造」の展開など、栄養に関する、総合的かつ先進的な取り組みを進めている。

これらの製品・サービスを、スマートフォンアプリVITANOTEを通じてエンドユーザーに届け、一人ひとりに合った栄養改善の実現をサポートしている。

ユカシカドの強みは、工場や検査センターなどのサプライチェーンを自前で構築し、かつ、プロダクトも極めて参入障壁が高い点にある。主力となるプロダクト群も順調にリリースが進んでおり、今後も随時リリースされていく計画。2021年春には、あるべきサプライチェーンの構築に向けて長野県松本市に自社工場が稼働を開始した。

代表取締役兼CEOを務める美濃部慎也氏は、関西学院大学アメフト部の出身。株式会社リクルート（現 株式会社リクルートホールディングス）に新卒入社し、求人媒体の営業、商品企画を担当した。その後、オイシックス株式会社や株式会社ごちまる（リクルートとオイシックスのJV）に出向し、事業戦略など主要部門を担当。2013年3月にリクルートを退職すると、同月、ユカシカドを立ち上げた。

会社設立のきっかけとなったのは、旅先で新興国の栄養問題に直接触れたことだった。一見すると、マーケットには栄養豊富な食品が数多く並んでいる。しかし子どもたちは、砂糖や油がたっぷりのお菓子やジャンクフードを選択してしまう。美濃部氏は、ここに大きな課題を見出した。しかもこれは新興国だけでなく、世界共通の課題でもある。それがトリガーとなり、健康を支えるための栄養改善サービスにビジネスの方向性を定めた。

パーソナル栄養検査キット「VitaNote」を2017年6月にリリースしたユカシカドは、その後も食品やサプリメントの事業を立ち上げ、企画、製造から出荷、さらに検査解析までの機能をすべて自社で保有し、ワンストップでのサービス展開をおこなってきた。

「VitaNote」は、専用検査キットを使った栄養バランスチェックや分析、管理栄養士のchatアドバイス、状態に応じたコンテンツなどのほか、検査結果から不足栄養素を補うパーソナライズサプリ、パーソナライズプロテイン、栄養補助食品も購入できる。分かりやすいUIで自宅に居ながらすべてを完結させることができ、使うほどパーソナライズされる、まったく新しい栄養改善サービスだ。

「VitaNote Quick」は、前述の郵送栄養検査サービス「VitaNote」をより手軽にしたもの。食事やサプリメントを変える前に、まずは栄養バランスがとれているかどうかを簡単に把握できるサービスだ。尿に浸したテストペーパーをスマホで撮影することで、栄養状態（ビタミン・ミネラル・食事バランス）をその場で確認。データ解析の技術は特許を取得しており、ビタミン、ミネラル、食事バランスを反映する複数の尿中バイオマーカーを同定して結果を判定する。

食事の偏りを、自宅で、しかもスマホで判定できるサービスは、世界初の試みだ。テストペーパーを尿に浸す時間も2秒間と短く、作業の不快感は少ない。アプリの案内に従って撮影すれば、即座に検査結果をチェックできるのも画期的だ。また、全26種類あるビタミン・ミネラルの総合的な評価や、動物性・植物性食品の摂取バランスを「見える化」したことも、高評価の一因となっている。

独自の尿解析技術は、2018年「ジャパンヘルスケアビジネスコンテスト」（経済産業省主催）で、優秀賞を受賞した。また、尿検査方法による低コスト化とスピードの実現は、各省庁やメディアなどからも注目を集めている。

ユカシカドのミッションは、「国内外を問わず平等な環境と機会の創造に全力を尽くし、努力できる才能を持っている人が強くなれる世界をつくる」。物事を成し遂げるうえで、環境と努力は必須の要素だ。環境と努力が融合したとき、人はこのミッションを遂行できるパワーをもつ。また、事業ミッションである「正しく手軽な栄養改善のインフラをつくる」への共感も欠かせない。

ユカシカドのスタンスとして、「1 HERO 1 MISSION」というフレーズを定めている。この時代、この国に生まれたことの意味、過去そしてこの瞬間に起こっているモノ・コト、どんなことにも意味がある。すべての人は、人生をかけて成し遂げるべきMissionをもって生まれてきた。自分を信じ、周囲を信頼し、最後までやりきる。これが、ユカシカドが大切にしているスタンスだ。

上記のミッションとスタンスから求める人物像を抽出すると、自分を信じる、周囲を信頼する、やり切る、といったワードにまとめることができるだろう。さらに、高い生産性や、プロセスを大事にしつつ結果にこだわる姿勢も求められる。栄養やヘルスケアの側面から、努力できる人が強くなれる環境や機会を創り出す、そんな意義のある仕事ができる環境だ。

メンバーは、リクルートで10年以上の経験を積んだ代表の美濃部氏をはじめ、NTTデータでグローバルに活躍していたCOO、ベンチャー企業で年商50億のECをイチからつくり上げたCTOなど、いずれも豊富な経験をもつ。また、アカデミックなバックグラウンドを持つメンバーに加えて大学の研究機関など外部との強固な協力関係があり、チーム力の強化につながっている。