DX領域の開発に強みを持つ企業グループへの参画で、新たな価値創造を目指す
グルーヴ・ギア株式会社は2008年の設立以来、ITソリューションと教育、人材に関するビジネスを事業の柱にしてきた。特に教育事業では、プログラミング初心者から実践的な技術を学べる学習サービス『GEEK JOB』を運営し、エンジニアとしてのキャリア形成を目指す人材の輩出を推進している。
同社は2019年1月から、DX(デジタルトランスフォーメーション)の領域における開発を得意とする株式会社Sun Asterisk(サンアスタリスク、以下Sun*社)のグループに参画した。Sun*社はこれまで、スタートアップ企業をクライアントとしたシステム開発に加え、大手企業に向けたエンタープライズ開発による実績を重ねてきた。通信キャリアの新規サービスをデザインフェーズから手掛けたプロジェクト、大手旅行代理店のバス予約サービスに関するシステム開発等がその事例だ。
そのグループ企業となった同社に期待される役割の一つが、実際にプロジェクトを推進するために必要となる人材の育成だ。創業者である同社の代表取締役・石塚保行氏は、Sun*社との連携について次のように語る。
「Sun*社は、ベトナムに1,000人を超えるエンジニアが在籍するオフショア開発の拠点を持っています。そのハイレベルなリソースを活用しながら、スピーディで高クオリティなシステム開発をゼロから実践できるのがSun*社の最大の強み。そのグループに参画することで、日本国内での人材育成に注力してきた当社の強みが生きると私は考えています。また、人材派遣のビジネス領域で蓄積したノウハウによって、Sun*社が開発したシステムの運用をクライアントの近い場所でしっかりと支援できるという点も、当社の参画がグループにもたらすメリットだと思います」
Sunグループとして掲げている目標は、IoT等を含めた最先端の技術を駆使し、従来は考えられなかったようなサービスを世の中に生み出していくこと。その達成のためには、技術力やアイデアを生かした開発を行い、きめ細かなサポートを実施し、クライアントと共にシステムを運用するテクノロジー人材の育成が必要不可欠だ。高度な開発力、そしてその開発と運用を支援する人材育成ノウハウを組み合わせながら、DX領域のシステム開発を手掛けることで世の中に新たな価値を創造していく。それこそが、同社が参画するグループのビジョンということだ。
保守・運用業務の魅力、重要性を理解できる人材が、新たなニーズを引き出せる
同社が今後グループ内で果たす役割は、リーダーと育成人材でチームを構成し、クライアント企業のシステム保守・運用に関する支援業務を担うことである。これまでSun*社では、ゼロからシステムを立ち上げる開発力に強みを発揮しながらも、その保守・運用という業務領域における対応に課題があった。その課題は、同社がノウハウを最大限に活用することで解決することができ、またその結果としてグループ全体でDX領域のプロジェクト推進を加速させることが可能になる。この保守・運用という業務領域に関して、石塚氏はその重要性を説明する。
「システム開発に関しては、その立ち上げのための技術力はもちろん、サービスがカットオーバーした後にきちんと面倒を見るサポート力も重要になります。システムは“つくって終わり”ではなく、それがしっかりと機能するように運用することで価値が生まれます。その意味で言うと、クライアント自身が運用してサービスを動かし続ける状況が理想なのかもしれません。しかし、人材への教育も含め、自立した運用体制を築くためには時間がかかるという問題がありますので、そこに対する支援を行いたいというのが私達の考えです」
同社では既に、Webサービスの受託制作を行う企業を対象に、複数システムの保守・運用を行うという案件も手掛けている。その企業では、これまで外部にシステム運用を依頼した経験がなかったため、コンサルティングのフェーズから同社が支援したということだ。また、システム自体はSun*社が開発したものであったため、スムーズに業務に取り組むことができ、また追加で必要となった関連システムのニーズを引き出すという成果も生まれた。このケースは、グループ全体でプロジェクトに取り組み、クライアントへの価値提供を実現した好例と言えるだろう。
システムの保守・運用をサポートする役割については、一見すると定常的な業務に限られたものをイメージするかもしれない。しかし、クライアントとのコミュニケーションをもとに課題発見と解決を目指し、新たなニーズを拾いながら実現させていくのが、同社が考える保守・運用の業務イメージだ。石塚氏は、その業務に存在する価値について語ってくれた。
「システム開発の目的はつくることではなく、あくまでも業務効率化やサービス提供の実現といったものです。だからこそ保守・運用という、お客様と共に取り組む業務には絶対に価値があると思っています」
エンジニアの志向、キャリアアップへの思いを形にできる環境がある
今後同社が担うのは、ここ数年でSun*社が開発したシステムの保守・運用という役割である。その業務においては、古い技術で構築されたものではなく、現在広く使われている言語によって開発した新しいシステムに触れることができる。そして、エンジニアが自己研鑽を続けた結果をアウトプットする場として、実際に稼働するシステムの保守・運用というプロジェクトが用意されているのも、同社の環境にある大きな特長だ。この2点は、エンジニア達が実務で必要とされるスキルを身に付けながら、スピーディに、そして着実に成長できる理由となっている。
「当社は“学び方の改革”をミッションとして掲げ、社員に対する学びのコンテンツを多数提供してきました。しかし、実際に現場で活躍できるエンジニアになるためには、お金の生まれる仕事の中でチャレンジしなければなりませんし、その環境がなければ成長することはできません。自ら学んで成長を目指す人材に対して、より高いレベルの現場業務を提供できるのも、Sunグループに参画した当社の魅力の一つになってくると思っています」(石塚氏)。
エンジニアの教育と採用に関するノウハウに加え、未経験からのキャリア構築を実現する支援体制に強みを持っているのも同社の特長。現場で経験を積んだエンジニアが、顧客折衝もできるリーダークラスへと成長し、新たな現場に活躍の場を移す。その後には、未経験スタートでチャレンジする意欲ある人材が続く。そうした循環が生まれ、実務で活躍できる人材を輩出し続けているのが、現在の同社の姿だ。
実例として、自己学習でPHP言語を学びながら未経験で入社し、その後現場で、興味本位でチャレンジしたモバイル系の開発言語が評価され、正式受注につながったという人材もいる。また、管理者ではなく、技術者としてのスキルアップを目指した人材が入社するケース、C言語を使った開発からKotlinによるアプリの開発者へとキャリアチェンジするケース等、同社ではエンジニア一人ひとりの志向に合わせた道を探すことが可能となっている。
「会社として、キャリアの目標設定や課題解決のサポートを充実させています。もちろん、実際に行動して成長を実現するのは自分自身ですが、思いがあればそれに応える環境がここにはあります。エンジニアとしての思いを、是非当社で形にしてほしいと思いますね」(石塚氏)。