設立時に掲げた差別化戦略は、成果物のレベルにコミットするエンジニア集団
フルスイング株式会社は、2018年10月に設立以降、ネットワークのソリューションエンジニアリングに専門特化している企業だ。代表取締役社長を務める井上雄太氏(39歳)を含め、現在6名が在籍している。
今もなお現役のエンジニアとして現場の一線で業務を行っている井上氏は、同社の設立以前は、同じくネットワーク設計・構築を手掛ける会社でエンジニアとして勤務していた。独立から設立に至る経緯を井上氏は次のように語る。
「もともと独立志向があった私は、会社員のエンジニアとして沢山のネットワーク構築案件を請け負っていく中で、あることを実感しました。それは、依頼主に対して“うちはこんなエンジニア集団”と言えるだけの特色を持つ会社は、なかなか存在しないことです。大規模な案件に多くの人材と時間を切り売りし、事業規模を拡大していく―。そうした成長戦略で成長してきた多くの会社と差別化を図らない限りは、後発会社としてやっていくのは難しいのではないかと思いました」(井上氏)。
明確な差別化を図るため、井上氏が導き出したキーワードは、“建築デザイン会社のようなエンジニアリング会社”だ。
「案件の規模とか動かしている人やお金の規模とかではなく、具体的に何を達成したのか?どんなアウトプットができたのか?という“成果物のレベル”にコミットすることで、私は勝負できるのではないかと考えました」(井上氏)。
同社は代表取締役社長の井上氏と、役員1名(元同僚エンジニア)の2名体制によって立ち上がった。行動指針の「In full swing(インフルスイング)」にも、エンジニアとして能力を発揮することで、最大の成果物を提供したいという想いが込められている。創業時は井上氏の人脈つながり(2社)から請ける業務からスタートし、もう1社、柱の取引先をつくるという設立初年度の目標も達成。設立3年目を迎えた現在、同社が目指している特色は、取引先からも徐々に認められはじめ、いよいよ成長第二ステージに向かおうとしている段階である。
今もなお現役のエンジニアとして現場の一線で業務を行っている。
自走できるエンジニアを増やし、一人ひとりがタレント力を発揮する組織に
現在同社はネットワークインテグレーションの専業会社として、ネットワーク環境のグランドデザイン・検討・提案・基本設計を中心に手掛けている。運用サポート・工事以外のプロセスはすべて対応しており、上流プロセスに特に注力しているとのこと。
同社の特徴的な業務スタイルの一つに、客先常駐の業務がないことが挙げられる。新富町にある自社オフィスを拠点に、エンジニア達が力量を発揮しているとのこと。さらには、ベテランから中堅、若手まで、幅広い経験層の人材が揃っていることを挙げている。
「数名の会社だと、全員がエキスパートの組織になりがちですが、当社は5名の規模でありながらも人材のバランスが取れている組織になっていると思います」(井上氏)。
今後2~3年スパンで描いている展望として、同社は二点を挙げている。それは“人材育成”と “ネットワーク領域のさらなる強化”だ。
「技術力をボトムアップする育成の取り組みを強化し、エンジニア一人ひとりがタレント力を発揮する組織にしたいと考えています。ネットワーク領域においては、現在まだアプローチできていないAWS等のプラットフォーム系や、サーバ系等も強化し、ネットワークインテグレータとしての対応力を磨いていく構想です」(井上氏)。
これらの展望を具現化するためには、同社が描く成長ビジョンに叶うエンジニアの採用が欠かせない。井上氏は、同社で活躍できる人物像について次のように述べている。
「今まで培ってきた経験にはもちろん注目しますが、何よりも積極的に対応領域の拡大・進化にチャレンジし、会社づくりに参加しようとする姿勢を持った人を求めています。逆に指示を待っている人や、他者に責任を求める人等では難しいと思います。なぜなら、スタートアップ間もない当社では、自分達で日々学習し、エンジニアとして力量を発揮できる仕組みをつくっていかなければならないからです。会社が目指す姿を共有し、努力し続けられる仲間が必要です」(井上氏)。
フルスイングさんらしいと評価される“ユニークな会社”にしていきたい
さらに井上氏は、エンジニアに期待するものとして“ユニークな取り組み”を挙げている。例えば同社では、スキルアップを目的に自社でネットワーク機器を購入することがあるという。SEがネットワーク機器を購入することはそうそうないとのこと。
「仮に、今まで使ったことがない機器を使った仕事を依頼された際に、私達は“この機器は分からないから”という理由で、せっかくの相談を断らないようにしています。自分達で機器を購入して、取引先からの期待に応えるためのスキルセットを行う。そして、新しく経験する機器の経験を通じて得た知識・ノウハウを次のソリューションに生かすようにしています。だからこれから仲間になる人には、“フルスイングさんは他とは違うことをする”と思われるような取り組みに積極的にトライしてほしいと思います」(井上氏)。
会社のバックアップ体制としては、エンジニアには柔軟な働き方で頑張れる環境を提供したいとのこと。家庭の事情で勤務時間に制限がある人なら時短勤務を認める、遠方に住んでいる人なら住宅支援を検討する等、一人ひとりに合わせた支援を行いたいという。
さらには、社員全員に高性能PC・モニターを支給したり、オフィス設備に潤沢な資金を投じたりする等、ストレスフリーな仕事環境の提供にもこだわっていきたいという。
最後に、今後の会社づくりの抱負と、これから仲間になるエンジニアに対するメッセージを井上氏に伺った。
「今後はむやみに組織を拡大せず、自分の目が行き届き、全員の顔が覚えられる組織にすることで、濃い人間関係をつくっていけたらいいですね。また、ユニークな取り組みを積極的に行い、他の会社ではできないことをやれるエンジニア集団に成長していきたいと考えています。仕事は受け身になると、本当につまらなくなってしまいます。なぜ自分がここにいるのか?を自分に問いかけ、どんどん行動に起こしていける方の参加を楽しみにしています」(井上氏)。
井上氏をはじめ、気さくで親しみやすい人間性を持ったメンバーが集まっている同社。エンジニアとして会社を成長させる醍醐味を味わいたい人にとって、成長第二ステージを迎えようとしている今が絶好のジョインのタイミングではないだろうか。